はじめに(2023年12月6日更新)
今ほど、日本の香水文化が栄えている時代はありません。
様々なブランドのフレグランスが海外から上陸し、更に日本国内においても、パルファン・サトリ様のような世界に通用するニッチ・フレグランスが誕生し、日本香堂様も、日本の香りの文化を世界に伝承するべく、精力的に魅力的なフレグランスを生み出しています。
いまではラグジュアリー・ブランドのほとんどのブティックにおいて、独自のフレグランス・ラインが存在し、ラグジュアリー・フレグランスとして人気を博しています。
そこにコスメカウンターや百貨店のフレグランス・コーナーで販売されている各ブランドのフレグランスを加えると、日本誕生以来、これほどまでにフレグランスが販売されている時代はありません。 一方で、フレグランスのサブスクや小分け販売を行っている信頼できるネットショップも増えてきている中、メルカリ等のフリマアプリにおいて偽物の流通が激増傾向にあります。
そのためお客様が、対面販売で正規店から購入するのが一番安心だという気風が高まっております。 フレグランスは、今では1万円以下の商品ではなく、1万円以上のものが多くなってきており、当然販売員には、しっかりとした知識と接客が求められるようになってきています。間違っても数を捌く(この言葉自体がお客様に対して失礼極まりない!)ような接客はしてはダメです。
しかし、急激にフレグランスを販売するお店が増える中、最低限の販売トレーニングも行われずに、販売員が店頭に立たされている状況が増えています。通常、フレグランスを販売する場合、店頭に立つ前に、本社で研修が行われ、香水の基礎知識と、ブランド精神、取扱商品についてしっかりと叩き込まれた上で、現場に立ち研修期間が始まります。そういったことがほとんど放棄されているのです。
そのためコスメカウンターにおける悪習とも言える、コスメを売る片手間として、ほとんど説明をしないで、もしくは商品説明の冊子を棒読みして、商品を販売するダメな販売方法が、一部フレグランスを販売する店舗においても、新宿伊勢丹のフレグランスコーナーの一部販売員を中心に罷り通っている状態なのです(一番の不幸はその販売員の方々にとってです。彼らは明らかに会社から的確なトレーニングを受けていないのですから)。
そういった状況の中、今では、お客様のほうが、フレグランスを販売する立場にいる人々よりも知識が豊富であるという、おかしな逆転現象さえも頻発しております。
だからこそ本来は、フレグランスを販売するブランドが、的確なトレーニングを販売員に対して行うべきなのですが、現実はほぼ7割のブランドにおいて、トレーニングはほとんど行われておらず、5分未満の接客でお客様に購入を促すようにただ要求される状況になっています。
さて皆様は、香料のみを暗記している(またはボトルの底に貼ってあるカンニングペーパーを見る)。もしくは、そのフレグランスについてバインディングされている資料を目の前で広げながら販売する販売員から、香水を購入する気になるでしょうか?私は、1万円以上の香水を、そのような販売員から購入するのは御免です。
フレグランスは今では安くはありません。そして、フレグランスを購入するということは、〝新しい世界観〟と〝非日常の体験〟、そして、〝香りの共感〟を購入するということなのです。だからそこに夢とドラマがないとダメなのです。
夢見心地にしてくれないフレグランス購入という経験程、お金をドブに捨てている行為はないのです。
ダメなフレグランス販売員と、デキるフレグランス販売員の違い
ダメなフレグランス販売員と、デキるフレグランス販売員の見極め方はそれほど難しくありません。
- 目の前でバインディングされた資料を見ながら説明する販売員からは、(もし仮にあなたがこの香りを100%欲しいと考えていても)絶対に購入しないようにしましょう。こういった販売方法でいいんだと思わせることは、よくありません。全くフレグランスの知識がないなら、覚えることが仕事であり、そういった香水を扱うブランドにとって、まず販売員に的確なトレーニングを施すことは、香水を販売するための最低限のマナーなのです。
- 暗記している香料をただただ並べ立てる販売員は、ダメな販売員です。香水販売において、最も重要なのは、香料を暗記し、実際に自分の身体で香りの変化を確認し、それを物語のように語る能力です。香りを語るということは、その販売員の教養(言葉の引き出し)を示す鏡です。そして、その香りについて、ボトルデザインも含め、物語を伝えることの出来ない販売員はダメな販売員です。
- 香水名を疎かにする販売員は論外です。何よりも香水にとって重要なものは、香水の香料の産地以上に名前です。なぜなら、その名前には必ずブランドにとって重要なメッセージが秘められているからです。
- デキるフレグランス販売員の特徴は、フレグランスについて語ることが楽しくてしょうがないという雰囲気が伝わります。一方、ダメな販売員は、「ちぇっ!自分で嗅いで判断しろよ」という無言のシグナルを発信します。
- 「どういった香りをお探しですか?」とまず尋ねる販売員は、ダメな販売員です。「今愛用されているフレグランスは何ですか?」と聞くタイミングを知る販売員はデキる販売員です。そこから、「どういった香りを~」に繋げていくべきであり、お客様も「実はどういったフレグランスがいいのか探していて、全く白紙なんです」と打ち明けることが出来るのです。
- デキる販売員は、お客様に未来を売ることが出来ます。ダメな販売員は、お客様の過去を売ります。
- 自分のブランド以外の香水の批判をする販売員はよくありません。ただし、常連客になり、その販売員と深い人間関係を築いた後は、リアルな感想を交換し合える所にも、香水愛好の楽しみがあります。これをルカ・トゥリン・スタイルと申します。ボロクソに腐している香りほど、実は愛しているという逆転現象です。
- 最後に、デキる販売員は、自分自身もフレグランスをたくさん購入しています。ダメな販売員は、プライベートではほとんどフレグランスに興味がありません。フレグランス販売において絶対的に重要なことは、色々なブランドのフレグランスを実際に知っているということなのです。
全国のコスメカウンターにいるほとんどのBAの方々は、フレグランスの販売方法について間違った認識をしています。フレグランスも自社ブランドのコスメのように、自社ブランド以外を知らずとも販売できるという感覚です。
実際の所、コスメ販売の恐ろしい所は、ほぼ99%の販売員は、他ブランドのコスメについて全く知らずとも売れるということであり、社内トレーニングで他ブランドの新作を試したり、説明を受けたりといったトレーニングは全く行わなれていないところにあります。
そして、その延長線上で、自社ブランドのフレグランスを販売しているので、「これが今売れています」という、もう今ではカビの生えた薄っぺらな販売方法を取り続けています(ファッションで言うところの「素敵です!これを着てこられたかのように似合ってます」という薄っぺらなゴマすり野郎と同じです)。
では、ラトリエ・デ・パルファンや、ラグジュアリー・ブランドのブティックでフレグランスを購入するべきなのかと問われると、そういった場所で、一流と呼べる人は、全国で両手で数え切れる程度しかおらず、一流とまでは呼べないまでも、なかなかデキる販売員と呼べるレベルの人は、日本中に30人もいないというのが現実です。
それほどフレグランスを購入するためにしかるべき場所を探すということは大変なことなのです。つまり私から言わせれば、香水が買えるお店MAPなどというものは全く無意味なものなのです。それは『新宿イタリア料理店ガイド』のようなただピンからキリまでお店が網羅されているに過ぎないものですから。
この「全国フレグランス×香水聖地巡礼ガイド」のコンセプトは、フレグランスを愛する人々にとって〝最善のフレグランス体験ができるスポット〟を紹介する最良の参考材料になることを目的に、フレグランスに精通した5人の識者から入手した情報を元に全てバックアップを取った上で記載している画期的な辛口ガイドです。そして、これは現在フレグランスを販売する人々にとっての改善点の提案としての参考になるように心がけられています。
今がダメでも、今日より明日は素晴らしいフレグランス販売をしていけばいいのですから・・・ では、皆様、フレグランスとは、新しい自分を見つける旅です。そして、そんな旅=経験をするに相応しい聖地散策を楽しんでください。少しでもこの聖地ガイドが皆様の参考になれば幸いです。
全国フレグランス×香水聖地巡礼ガイド
トップオブトップ(聖地の中の聖地)
- ルイ ヴィトン 神戸店、PART2
- ルイ ヴィトン 表参道
- ゲラン 伊勢丹新宿
- ル シヤージュ 京都
- ルラボ GINZA SIX
- ラトリエ デ パルファム JR京都伊勢丹店
- メゾン クリスチャン ディオール 大丸心斎橋店
東京
銀座
- ルラボ GINZA SIX
- アクア ディ パルマ GINZA SIX 旗艦店
- SHISEIDO THE STORE
- ルイ ヴィトン 銀座並木通り店
- ギンザコスメワールド フレグランス
- ブルガリ銀座タワー
- 阪急メンズ東京 フレグランスカウンター
- フエギア 1833 GINZA
新宿
- ゲラン 伊勢丹新宿
- クリード 伊勢丹新宿店
- 伊勢丹新宿フレグランスコーナー
- 伊勢丹新宿フレグランスコーナー(フォルテ)
- 伊勢丹新宿メンズ館 フレグランスコーナー
- ルイ ヴィトン 新宿店
- ルイ ヴィトン 新宿高島屋店
池袋
表参道・青山
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- メゾン マルジェラ「レプリカ」フレグランス ストア
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- ジョー マローン ロンドン 表参道ヒルズ店
六本木
丸の内・日本橋
渋谷・代官山
大阪・京都・兵庫
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梅田
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- フレグランスコーナー・カワベ 大阪高島屋
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- ルイ ヴィトン 阿倍野店
名古屋