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オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー 京都BAL店【全国フレグランス×香水聖地巡礼ガイド2023】

関西・名古屋
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関西・名古屋
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オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー 京都BAL店

場所 京都・三条
住所 京都府京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251 京都BAL 1階
電話 075-286-3584

京都の新たなる『香水の聖地』と言われる京都BALの一階に2018年から存在する「オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー」の青年スペシャリストの方がとても素晴らしいです。何よりも「ルーブルコレクション」の世界観をここまで素敵に伝えて頂ける方は、全国18店舗のビューリーにおいてもおられないと思います。
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日本で2号目にオープンした『ビュリー』

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京都四条にある京都高島屋から三条に向かって河原町通を北上していくと、2分も歩けば京都BALに到着します。2015年にリニューアルした京都BALが開業したのは1970年11月のことでした。そして1980年代にはコムデギャルソン(1982年に出店)をはじめとする国内外の有名デザイナーズブランドが集まる聖地として栄えていきました。

しかし、1990年代から出店テナント数が減り衰退してゆきました。建物も老朽化していたこともあり、2013年1月にリニューアルするために一旦閉館し改修工事に入りました。

かくして、2015年8月21日に地下2階・地上6階の商業ビルとしてグランドオープンしたのでした。ロン・ハーマン、トゥモローランド、エストネーション等の高感度セレクトショップが集まるこの話題のファッションスポットの1階に、2018年6月7日にオープンしたのが「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」でした。

当時、日本2号目(旗艦店は代官山店)となる店舗は、フランスと京都、ふたつの文化が融合した、日本の茶室にインスパイアされた外観が特徴的な数寄屋造りのブティックです(『香水』と書かれた掛け行灯が最初に目に入ります)。

そして縄のれんをくぐると、一転して19世紀のフランスの世界が広がるのです。フランスの職人が手がけたオークと楡の重厚な薬局棚、ヴェルサイユ式の寄木細工の床に包まれた素晴らしい空間です。この店舗にオープニングからおられる青年店長様が、まさにこの空間を体現しているとても素晴らしい方です。

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ビュリーの世界観をもっとも的確にお伝えすることが出来る方。

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オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーは、元々は1803年にジャン=ヴァンサン・ビュリーがパリに創立した、香り、美容法、衛生法の極意を提案してきた総合美容専門店ですが、2014年までに、もはや存在しないも同然な存在になってました。

このビュリーを復活させたのが、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤック(パリの伝説的セレクトショップ「コレット」の元PR)とその夫ラムダン・トゥアミでした。そして、ブランドが興隆する中、2021年にLVMHグループが事業を買収し、この資本力により、現在、新店ラッシュとなっているわけです(ヴィクトワールは、ブランドディレクターとして残留)。

特に日本では、たぶん風土の関係から、外界の模倣と順応が、驚くべき情熱をもってつづけられ、それは今でも続いているのです。

たとえば、中身より箱を珍重するとか、内容より形式を重んじるとか、ごく卑近な例では、民主主義より実際に我々が受け入れたのはチョコレートや洋服だった。という風に、今では悪い面ばかり強調されるようですが、その昔仏教が渡来したときも、先ず飛びついたのは経典ではなくて、端麗な仏さまの顔であり、それに付属したもろもろのニュー・ファッションであったことを考えれば、決して、今はじまったことではない。

さらに、この極端に唯物的な嗜好が、後に独特の芸術や思想に育ったことを思えば、とかく卑下しがちな我々の欠点なるものが、いかに欠くことの出来ぬ資質であったか、ということについには思い当たりましょう。

『お能の見方』 白洲正子/吉越立雄

この文章の中に、なぜビュリーが日本で大流行しているのかという答えが見出せます。大切な人へのプレゼントとしても、自宅のインテリアとしてもとてもお洒落だからです。そして、日常で製品を愛用するうちに、そこに込められた品質の良さに感動し、色々なアイテムを揃えていくようになるのです。

そんなビュリーが、2019年にルーブル美術館とタイアップし、芸術作品を香りで表現するという画期的な試みに取り掛かりました。そのために8人の調香師(アニック・メナード様をはじめとする)が選ばれ、閉館後のルーブル美術館に集結し「ルーブルコレクション」を誕生させたのでした。

このコレクションは、全国18店舗で展開されているのですが、残念ながら素敵なビュリーの製品をご案内する接客とは、180度違ってくる香水接客(=このコレクションの世界観をお客様にお伝えする接客)ができる販売員様は、各店舗にほとんどおられません。しかし、これは現場の販売員の方々にはなんら責任は御座いません。

これは会社が「香水」を説明するスペシャリストを育てていかないといけないことだからです。どれだけ素晴らしい香水であっても、それをしっかりとご案内することを怠っている企業は、やがてお客様の支持を得られなくなるものです。

つまり、その類稀なるデザイン性により流行している(お客様自身で決められる)美容製品を販売するのと、〝特別なテーマを持つ香水〟を販売するのとでは、求められるプロの知識と経験値が違ってくるのです。テーマ性のあるコレクションの香水販売を、付け焼き刃で行うことは決して出来ません。

たとえば「ルーブルコレクション」を説明するときに最低限必要なことを以下挙げてゆきます。

  1. なぜビュリーが、このコレクションを作ろうと考えたのか?ということについて、自分の言葉で分かりやすく簡潔にお伝えする
  2. そもそもビュリーというブランドと香水の関係はどういったものか?
  3. お客様がどういったきっかけでこのコレクションを知るに至ったのか?
  4. お客様と「ルーブルコレクション」のある香りを結び付けていく=香りのカウンセリング

つまり、本来は通常販売している香水においてもしておくべきカウンセリング力が必要となるわけです。しかし、当然のことながら、香水の接客が出来る販売員様は、ビュリーにはほとんどいません。

そんなビュリーにとって理想形とも言える販売員様が、この京都店のスペシャリストの方なのです。

元々フレグランスを愛する方であり、独自で香水接客についても熱心に勉強しておられ、色々な香水を実際にお買い求めになられる中で、本格的な香水接客を自己流で磨き上げた凄い方なのです。

物腰はとても柔らかく、「京都にいるんだ」ということが実感できるほど、ゆったりとはんなりと話され、でありながら言葉の引き出しが豊富で、「ルーブルコレクション」の説明をそれぞれの調香師の想いとつなげて説明されるところなどは、「さすが!」と圧倒されてしまうほどです。

京都店のこの方は、香水接客の本格的なトレーニングが行われていないビュリーの中でもっとも素晴らしいだけではなく、全国の香水業界の中でも文句なくトップランクの接客をされる方だと思います。

2023年3月31日に神戸バル アネックスにオープンした新店舗に、この青年スペシャリストの方は、異動されました。