クリード 伊勢丹新宿店
場所 東京・伊勢丹新宿
住所 東京都新宿区新宿3丁目14-1 フレグランスコーナ 本館 1F
電話 03-6273-0505
4年半の失われた時を求めて、再上陸したクリード帝国
「アバントゥス」「スプリング フラワー」「シルバー マウンテン ウォーター」など、根強いファンを持つ1760年創業の英国のフレグランス・メゾン、クリードが日本から撤退したのは2019年5月31日のことでした。撤退の理由は、ブルーベルの店舗(ラトリエデパルファン)に対して、売り場環境に対する不満が原因だったと言われています。
ペンハリガンとラルチザンを復活させた女傑サラ・ロザラムがCEOをつとめるクリードが、川辺を代理店として2023年8月30日に約4年半ぶりに再上陸することになったのでした。
フレグランス・トレーニングにムラのある川辺ですが(アクア ディ パルマ GINZA SIX旗艦店は素晴らしい)、クリードには、ブルーベルで働いていた頃にクリードを愛するようになり、クリードが再上陸することを知り、転職された元ソムリエール様が店頭で接客しておられます。
しっかりとしたトレーニングが存在した時代のブルーベルのトレーニングを経験している方だけあって、クリードの説明もピカイチです。
クリードの接客には、何よりも愛が必要です。
実は、カイエデモードが崇拝するフレグランス・スペシャリスト様もかつてブルーベル時代にクリードの接客をしておられたのですが、今年のサロンドパルファンで、奇跡的に、元ソムリエールのお二人がクリードについてディスカッションしている現場に立ち合わせて頂きました。
そして、お二人のクリードの香りの知識の豊富さと愛の深さにびっくりしてしまいました。
- 「ルイ・ヴィトンの○○○がお好きでしたら、このような香りにも興味を持たれるのではないでしょうか?」
- クリードがなぜ王室御用達なのか?という意味を、会話の間にさりげなく添える。
- 本来、販売現場でするべきではない、カタログをカンニングして、読み上げるということを一切しない。心から出ている言葉は人の心を打ちます。
- ひとつひとつの香りを大切にしていることが良く分かる言葉のチョイスの素晴らしさ。
- ムエットに香りを吹きかける前に、絶対にその香りについてのフロントトークをする。闇雲にムエットに香りを吹きかけない。
それにしてもサロンドパルファンでのクリードコーナーはこの方以外は、ムエット配布係のような販売員ばかりでした。川辺はトレーニングについてまず本社トレーナーが、一からトレーニングを受ける必要があると思われます。クリードクラスの香水をトレーニングする場合、クリード以外の香水(特にゲラン、エルメス、シャネル、ディオール、ルイ・ヴィトン)についても熟知していないといけないことは言うまでもありません。
ここ最近、ディオールやルラボなどは、まず最初にトレーナーの力量を重要視しているように、力不足のトレーナーがいる組織は根元から腐っていくという危機感を持つ必要があるのです。トレーニングする側が、トレーニングを受ける人よりも、明らかに力量が不足している会社が沢山あります。
最後に、新宿伊勢丹のクリードコーナーで気をつけなければいけないのは、本当に香水を何も知らない人が売り場に立っていたりすることがあることです。この点だけ注意して、元気一杯のこの女性販売員様と遭遇し、接客していただければ、素敵なクリード体験をして頂くことが出来ると思います。