エルメス高島屋京都店
場所 京都高島屋
住所 京都府京都市下京区四条通河原町西入真町52 京都高島屋 1階
電話 075-221-8811
かつて祇園に9ヵ月間だけ存在した『エルメス祇園店』
京都という町は、ラグジュアリー・ブランドにとってとても相性のよい町です。カルティエが清水寺で、ルイ・ヴィトンが智積院で、グッチが仁和寺で、他にもティファニーやヴァン・クリーフ&アーペルなどが定期的にシークレット・イベントを行っています。
そんな京都の中でも、祇園という街は、さらにラグジュアリー・ブランドにとって聖域になりえる地です。かの地にかつてエルメスは、大丸の創業300周年を記念し、2016年11月18日から2017年7月31日まで、9ヶ月間の期間限定店舗をオープンしていました。
カレに後染めを施して新たな命を吹き込む「HERMESMATIC」、店内がおとぎの森に変身した「WINTER TIME」、新作シェーヌ・ダンクル・パンクにフォーカスした「PUNK!」など、定期的に独特なエルメスの旅に誘う空間作りで、京都を訪問した日本人及びインバウンドの人々を魅了したのでした。
エルメスというブランドの不思議さは、素晴らしい販売員様は、ブランドを体現する使命感に燃えている一方で、心をすっかり失った販売員の方(ただお客様の隣に立ち、購入の決断を沈黙で待つ人)は、商品アイテムの名の由来も、製品知識も全くなく、ただスマホの中のデータを棒読みし、エルメスの後光で売るというとんでもない接客に終始している所にあります。
このブランドほど、働く人間の心が試されるラグジュアリー・ブランドは存在しません。日々エルメスの崇高なるモノづくりに触れ、人間として磨き上げられている人から、浅ましさと無知がただ電卓を弾いているような最も軽蔑すべき人まで存在する空間なのです。
そして、エルメスのビューティ・コーナーも同じような環境にあります。
京都のエルメスに救世主現る!
2023年11月30日に、エルメス高島屋京都店がリニューアル・オープンしました。ビューティ・コーナーが完全に独立したこの店舗には、かつてジェイアール京都伊勢丹のメゾン・クリスチャン・ディオールで、フレグランス・エキスパートとして活躍しておられた女性販売員様がおられます。
彼女こそ、全国最強のMCDと言われる大丸心斎橋店の二人のエキスパートの方に匹敵するフレグランス・エキスパートとして、お客様のハートを鷲掴みにしてきた方です。
ちなみにディオールのフレグランス・エキスパートになるためには、まずフレグランス・スペシャリストのテストに合格し、さらにエキスパートのテストに合格するという二つの関門を通らないといけません。そんな彼女が、エルメス・ビューティで、メイクだけでなく、フレグランスに対しても素晴らしい接客をしてくださるのです。
いつも笑顔のこの美しい女性は、エルメスの香りについて、実に魅力的に丁寧にお伝えしてくださります。エルメスにはフレグランスに特化したトレーナーはいないので、エルメスのフレグランスを販売するとき、個人的にどれだけフレグランスを愛しているか?という部分が問われるのです。
新宿伊勢丹のエルメス・イン・カラーだと、フレグランスについては「感覚で選んでください」やら、とんでもない販売員は、お客様の目の前で堂々と分厚いカタログを出して、棒読みをはじめます(天下のエルメスがこのようなカンニング販売員の存在を許していることがとても不思議です)。この気の抜けたコーラのような接客で、エルメスの香水は泣いていることは言うまでもありません。
ラグジュアリー・ブランドのフレグランスを販売するということは、ブランドの精神と自分自身のサヴォアフェールの精神を全身全霊を込めて注ぎ込んでいる専属調香師に対して、感謝し、お客様に伝道する役割を担っていることを知らなければなりません。その心意気のない人が、このようなフレグランスの売り場に近寄ってはならないのです。
フレグランスの接客こそが、ラグジュアリー・ブランドの販売員の心を試すリトマス試験紙なのです。
さて、2024年6月現在、エルメスのフレグランスの聖地は、以下の3店舗です。
- エルメス高島屋京都店
- エルメス・イン・カラー 阪急うめだ本店
- エルメス・イン・カラー GINZA SIX店