ジャン=クロード・エレナ

ジャン=クロード・エレナ 香水を芸術に変えた調香師(5ページ)

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ジャン=クロード・エレナ
Jean-Claude Ellena
1947年、フランス・グラース生まれ。
ジャン=クロード・エレナの全ての香水一覧
ジャン=クロード・エレナの全香水一覧(写真なし)

<代表作>
地中海の庭(エルメス)
ナイルの庭(エルメス)
オスマンサス・ユンナン(エルメス)
ローズ・イケバナ(エルメス)
テール・ドゥ・エルメス(エルメス)
ファースト(ヴァンクリーフ&アーペル)
オードゥ・カンパーニュ(シスレー)
オスマンチュス(ザ・ディファレント・カンパニー)
イン・ラブ・アゲイン(イヴ・サンローラン)
オ・パフメ オーテヴェール(ブルガリ)
デクラレーション(カルティエ)
ロー・ディヴェール(フレデリック・マル)

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香水を哲学するヒト。ジャン=クロード・エレナ

「彼の香りには、モーツァルトの伴奏がついている」

かねてより、調香師は作曲家にたとえられてきた。しかし、私はつねづね自分は香りの文筆家だと思っている。

ジャン=クロード・エレナ

21世紀のフレグランスに芸術性を与えた男がいた。「私は俳句のように、香りを作りたかった」と語り、究極のミニマリズムを標榜するその人の名をジャン=クロード・エレナと申します。

彼のほとんどのフレグランスは、香りの原料を20~40種類のみ使用して作られていました(通常フレグランスはその10倍~30倍以上の原料が使用されている)。

ラグジュアリー・ジュエリー・ブランドのために最初のフレグランス(ヴァンクリーフ&アーペルの「ファースト」)を調香し、更に、ブルガリの最初のフレグランス(「オ・パフメ オーテヴェール」)を調香した彼は、エルメスというラグジュアリー・ブランド界の頂点に君臨するブランドにおいて、史上最初の専属調香師という地位に立ちます。

新しい創造とはいえない香水がつぎつぎと洪水のように現われ、似たような広告(しかもしばしば同じひとりのモデルが複数のブランドの顔になっている)が、うんざりするほど繰り返される。顧客は消費者として扱われるだけである。こうした状況では顧客は、香水に夢、アイデンティティー、快楽を見つけることができず、ほかの製品、ほかの夢の領域へと向かってしまう。

ジャン=クロード・エレナ

ジャン=クロード・エレナの存在は、間違いなく、私たちが見失いがちな香水に対する芸術性の側面を教えてくれます。それは、「恋愛」系及び「女子力」系フレグランスにうんざりしている自分自身に気づかされます。「恋する女性の香り」というキャッチフレーズが如何に安っぽい商業主義であるかを気づかせてくれるのです。

真に創造と呼べる香水だけが、(顧客に)動揺を引き起こし、予期せぬものを与えることができる。そして、顧客が疑問をいだき、習慣を捨てるきっかけとなる。創造的な香水は、顧客の知覚能力を広げるのだ。ブランドへの愛着も、こうして生まれるのだろう。

ジャン=クロード・エレナ

上質な靴を履いていると、上質なステージへとその人を導いてくれるように、感受性豊かな香りに包まれると、悲しみも喜びも全てひっくるめて豊かな人生を導いてくれるのです。そして、世俗的な面から捉えても、もはや、香水は、靴やバッグと同等の位置を占めているのです。それは、それらを身に纏う人間の個性と知性を決定付ける三種の神器の一つになっているのです。

果たして、どうして、本当に、恋の真っ只中に、喜びを感じている女性が、改めて「恋する女性の香り」を身に付ける必要があるのでしょうか?甘ったるいベリーの香りをプンプンとさせて、幸せオーラを拡散する必要があるのでしょうか?それは、どこかSNSで、充実した日常を見せびらかしたいと考える陳腐な感覚に似たものがあるのではないでしょうか。

ジャン=クロード・エレナの香水哲学。

「人生においての最高の贅沢は、喜びを分かち合うことです。香水にはそれが出来ます。」

考えてみよう。通りや映画館、劇場の客室で、どれだけの数の香水が隣り合うことになるか、気付いているだろうか、「レール・デュ・タン」「ファースト」「N°5」「オー・ソバージュ」「シャリマー」「オピウム」「テール・ドゥ・エルメス」「エンジェル」「オー・デ・メルヴェイユ」の香りを感じると、1947年、1976年、1921年、1966年、1925年、1977年、2006年、1992年、2004年の時間のなかを散歩するような気分になる。香水にはモード(流行)以上のなにかがある。広告にはできない、なにか。香水は時間を横断する。そして身につけられるものである。芸術作品でなければ「時間の外に」生きるものは多くはない。

ジャン=クロード・エレナ

香水づくりを通して、私は日々美を追及している。しかし、いまだ美がどこにあるかを知らない。知っているのは、人々をうっとりと魅惑し、心をそそり影響を与える、つまり誘惑するためには、知識を使いこなして演出し、欲望をそそる香水をつくらねばならないということだ。欲望をそそるとは、古典的な哲学者にとっては芸術の限界を表す言葉だ。香水は蒸発して、消えてしまうからこそ、誰も所有できず、欲望が欲望のまま残るのである。人々の記憶や、嗅覚の共通の思い出のおかげで、香水を魅惑的なものにすることができる。

ジャン=クロード・エレナ

創作のためにときには耳をふさぎ周囲の音を聞かないようにすることも必要である。もう香料を重ねたりしない。香料は並べる。混ぜることもない。結びつける。私の香水は、完成はしていても完結はしていない。わたしは香水の中にあえて空白の部分、【余地】を残して、そこに使い手が自由に想像を描き加えるようにしておく。つまり、それは【使い手専用のスペース】なのである。

ジャン=クロード・エレナ

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