エドモンド・ルドニツカ

ディオリシモ(ディオリッシモ) (エドモンド・ルドニツカ)

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香水データ

香水名:ディオリシモ(ディオリッシモ) Diorissimo オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:エドモンド・ルドニツカ
発表年:1956年
対象性別:女性
価格:50ml/11,000円、100ml/15,950円
公式ホームページ:クリスチャン・ディオール


トップノート:グリーン・リーブス、ベルガモット
ミドルノート:ローズマリー、百合、ライラック、エジプト産ジャスミン、ボロニア、アマリリス、コモロ産イランイラン、スズラン
ラストノート:サンダルウッド、シベット

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感想(12件)

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ルカ・トゥリン

★★★★★ フレッシュミュゲ

ディオリッシモはミュゲ、すなわちスズランの香りだけを表現した香水のお手本である。天然のスズランからは香料を抽出することができないため、ミュゲ調の香水はどれも調合してつくられたものである。1956年のディオリッシモのオリジナルによって、エドモンド・ルドニツカは戦後のフランス香水界におけるモーツァルトとなった。そしてディオリッシモは実際にモーツァルト風の香水で、人受けする快活で駆け抜けるような旋律は「フィガロの結婚」序曲を思わせる。ルドニツカがどのようにしてこれを作ったのか、さまざまな伝説が生まれている。グラース近郊のカプリにある自宅の庭で、彼は仕事に役立てようとスズランを植えた。小さな白い花々に囲まれ、試香紙を片手に、四つんばいになっているルドニツカの姿を思い描くのは楽しい。オリジナルのアコードに欠かせない重要な素材は、香水に使われる数少ないヒドロキシアルデヒドのひとつである、ヒドロキシシトロネラールで、ミュゲの石鹸らしいフローラルの香りが強くある。ヒドロキシとよく呼び習わされるこの香料は、現在は使用が制限されているが、ディオリッシモの箱に記された「アレルゲンとなるものの一覧」の中に、まだこれが入っているのが見られる。現在のディオリッシモは以前の物と比べて明らかに違っているが、それでもみごとな美しさを保っている。例えるならそれは、引退の近い偉大なソプラノ歌手の声に似ている。旋律と声質は変わらないが、高音にときどき無理がみられ、苦もなく軽々と昇っていく力は失われているものの、経験を積んだ滑らかな流麗さがある。近くで嗅ぐと少々鼻につく。けれども驚くほど香りを放つ力があり、離れたところからだと、おそらく今まで作られた中でもっとも特徴的な香水らしく、いい香りがする。― ルカ・トゥリン

『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

(2009年版)★★☆☆☆

ディオリッシモは急坂を転げ落ちている。ここまで粗悪になれるとは。― ルカ・トゥリン

『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

香水についての解説

クリスチャン・ディオール(1905-1957)が愛した〝幸福を呼ぶ花〟スズランをテーマに、1955年から1年の歳月を費やし、エドモンド・ルドニツカがムッシュ・ディオールと共に生み出した〝世界ではじめてのスズラン〟の香りです。そして、この1954年春のコレクションからインスパイアされた香りが、ムッシュにとっての遺作となりました。

1957年10月29日、クリスチャン・ディオールの葬儀において、ムッシュの棺はスズランで覆われた。

ちなみにムッシュは、ファッションショーのランウェイにおいて、ラッキーチャームとして、ドレス、帽子、シューズの見えないところにスズランの小枝を忍ばせていました。そして、ムッシュの葬式においても、その棺はスズランで覆われていたのでした。

スズランからは天然香料が抽出できないため、合成香料によって作り出されたグリーンノートとジャスミン、イランイランによって、甘くもはかないスズランの香りが再現されています。それは、50年代に流行していた甘ったるいフレグランスに対するアンチテーゼでした。

ダイアナ妃が愛用していた香りでもあり、つまりはあのダイアナ妃の雰囲気を体現したような香りです。それは、美脚を強調したファッションに身を包んでいようとも、どこか清楚なムードを生み出せる香りだったのです。

21世紀に入りIFRAが、二種類の香料(合成香料ヒドロキシシトロネラール)に潜在的アレルゲンを含むということで、大幅な再調香がかけられました。

それは厳密に言うと、2007年にディオールの専属調香師であるフランソワ・ドゥマシーにより行われ、2009年に最終的な再調香が行われ、今に至ります。そして、新鮮な瑞々しい香りは、濃厚なジャスミンが目立つ香りへと取って代わられました。そして、このジャスミンの香りが減退すると共に、色褪せつつあるスズランの香りがはっきりと認識できるようになるのです。

そんな残念なスズランの香りに対して、オリジナルへの追悼を捧げたのが、エルメスジャン=クロード・エレナの最後の作品「ミュゲ・ポースレン」でした。

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