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【シャネル】ボワ デ ジル(エルネスト・ボー/ジャック・ポルジュ)

シャネル
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ボワ デ ジル

原名:Bois des Iles
種類:オード・パルファム
ブランド:シャネル
調香師:エルネスト・ボー、ジャック・ポルジュ
発表年:2016年(1929年)
対象性別:女性
価格:75ml/27,500円、200ml/50,600円
公式ホームページ:シャネル

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価格:900円
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女性のための史上初めてのウッディ・フレグランス

1920年代にパリを熱狂させた黒人女性がいた。その人の名をジョセフィン・ベーカーと言う。

2007年にシャネルのプレステージ・コレクションとして「レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル」がスタートしました。最初の10種類の香りのひとつとして、「ボワ デ ジル」(オード・トワレ)が、シャネルの3代目専属調香師ジャック・ポルジュによって調香されました。

それは1920年代に発売されたシャネルの4種類の人気フレグランスを現代風に復刻させた香りのひとつでした。

「ボワ デ ジル」とは、フランス語で「島々から贈られた最上級の木々(島々の森)」の意味です。オリジナル・ヴァージョンは、1929年にシャネルの初代専属調香師エルネスト・ボーにより調香されました。

第一次世界大戦後の移民政策により、パリに流入したアフリカ系黒人たち。(フランス植民地の島々から来た)そんな彼らの熱気を反映して、1920年代にパリで沸き起こった暗黒大陸アフリカへの憧憬を香りにしたものです。

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「黒いヴィーナス」の香り

彼女の少女時代は極貧と人種差別との闘いでした。

そして、170cmの肢体を駆使して、黒いヴィーナスと呼ばれる存在になりました。

「黒いヴィーナス」の香り。

ジョセフィン・ベーカー(1906-1975)というトップレスダンサーがいました。彼女は、1925年にパリのシャンゼリゼ劇場において「レビュー・ネグロ(黒人レビュー)」で、一世を風靡し、アーネスト・ヘミングウェイをして「私が今まで見た中で最もセンセーショナルな女性だ」と言わしめた女性でした。

ミズーリ州セントルイス生まれのジョセフィンは、パリの人々にはじめてチャールストンを披露し、瞬く間に彼らのセックス・シンボルとなりました。ココ・シャネル、パブロ・ピカソも彼女に魅了された一人でした。

やがて、彼女は、フランスのナチス・ドイツに対するレジスタンス活動に参加し、さらには、世界中の黒人の公民権のために戦う人になったのです。「黒いヴィーナス」は「黒い鉄の女」になったのでした。

「ボワ・デ・ジル」は、そんなジョセフィンのように、人生に対して限界を設けない女性への賛歌としての、「女性のための史上初めてのウッディのフレグランス」でした。

スペードの女王はひそかな悪意を意味している。

『スペードの女王』プーシキン

さらに、エルネスト・ボーは、この香りのスパイスとして、ピョートル・チャイコフスキーのオペラ『スペードの女王』を、モスクワの王立劇場で鑑賞した時に心を奪われた感覚を挿入したのでした。


この香りが原型となり、1990年に「エゴイスト」が生みだされたのでした。そして、この香りと最も比較される香りが、ゲランの「サムサラ」なのです。

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ゲラン帝国へのシャネル帝国の宣戦布告


「ボワ デ ジル」は、1983年に、ジャック・ポルジュにより、オリジナルに出来るだけ忠実に再調香されました(そして、2007年に「レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル」のために再々調香されました)。

1929年ヴァージョンに使用されていたインドのマイソール産のサンダルウッド(50%もの精油が使用された)は、絶滅の危機に瀕していたので、もう使用されていません(マイソール産のサンダルウッドの香りを再現するためのジャック・ポルジュとクリストファー・シェルドレイクの物語だけで一冊の冒険小説が出来上がるでしょう)。

ベルガモットとマンダリン・オレンジの爽やかな柑橘にコリアンダーが衝突した先にあるのは、(No.5よりははるかに軽やかな)アルデハイドという(ソーピィーな)蜃気楼でした。その蜃気楼に包まれたジャスミンとイランイラン、そして、ローズを中心とした華やかな甘さを伴うフローラルブーケに包まれていくようにこの香りははじまります。

やがて、蜃気楼の中からはっきりと姿を現すサンダルウッドのクリーミーな甘い森は、大いなるベチバーのフレッシュなアーシィーさと混ざり合いながら、柔らかな森となります。

そして、アルデハイドの蜃気楼がはれ、サンダルウッドの奥に潜むものの正体が明らかになります。それはアイリスとトンカビーン、バニラによるジンジャーブレッドのような香りによる、パウダリースパイシーな温かさです。

2016年9月には、オード・パルファム・ヴァージョンが発売され、これが現行品となっています。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「本当のインドのサンダルウッド(白檀)を、一度でもつけたことのある人にはわかる。それは、それだけで完全な香水。ミルキーで、ローズのようで、アンバー、ウッディ、グリーンのようですばらしい。」

「エルネスト・ボーが、豪華な「キュイール ドゥ ルシー」でレザーに試したことを、こんどは心地よいボワ デ ジルでサンダルウッドにしてみた。」

「暗く、密やかで、ベルベットのような温かさ、うっとりして倒れこみそうに柔かい。市場にある材料でそれを表現できたのはこれだけ。シャネルはドライダウンがジンジャーブレッドだといっている。バニラのバルサムとスパイスはまさにそのとおり。でもそれではこの香水の深みが伝わらない。」

「アルデハイドがすべてのものにパウダリーな輝きを振りまいていて、まるで「No.5」の黒髪の姉のように感じさせる瞬間がある。シトラスとローズのかぐわしいトップノートはコーラのフルーティな輝きとともに完璧だ。」

「80歳を超えるというのに、シャネルがその間の活発な試みの中で生んだどの作品にくらべても、エイジレスな魅力がある。シャネルの最高のフレグランスが、材質やデザインの違うリトル・ブラックドレスーお洒落で、たよりになる、すばらしい仕立てのーだとすれば、ボワ デ ジルはカシミア素材。この世の冷たさから守ってほしいときに身につけ、何年にもわたって愛用。」と5つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ボワ デ ジル
原名:Bois des Iles
種類:オード・パルファム
ブランド:シャネル
調香師:エルネスト・ボー、ジャック・ポルジュ
発表年:2016年(1929年)
対象性別:女性
価格:75ml/27,500円、200ml/50,600円
公式ホームページ:シャネル


トップノート:カラブリアン・ベルガモット、シチリア産マンダリン・オレンジ
ミドルノート:サンダルウッド、コモロ産イランイラン
ラストノート:トンカビーン、バーボンバニラ、ベチバー、樹脂

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