ジャン=クロード・エレナ

ローズ & キュイール (ジャン=クロード・エレナ)

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香水データ

香水名:ローズ & キュイール Rose & Cuir オード・パルファム
ブランド:フレデリック・マル
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/7,920円、50ml/27,720円、100ml/39,600円
販売代理店ホームページ:高島屋オンライン


トップノート:ブルボン・ゼラニウム、ブラックカラント、ティムットペッパー
ミドルノート:ローズ、レザー
ラストノート:シダー、ベチバー

香水広告フォト&動画



帰ってきたジャン=クロード・エレナ

ジャン=クロード・エレナという調香師に対する真の評価は、エルメスの初代専属調香師(2004-2016)としてではなく、〝ニッチ・フレグランスの父〟としての評価こそ相応しいものでしょう。それは彼こそが、ラルチザンにおいて重要な役割を果たし、そして、フレデリック・マルにおいても決定的な役割を果たしている功績によるものです。

そんなエレナが引退したのは、2016年に最後のエルメスの香り「ミュゲ・ポースレン」を調香した後のことでした。

そんな伝説の調香師が、不死鳥の如く蘇りました。それは、2018年1月に、フレデリック・マルが「あなたはもうエルメスとの契約下にはいないのですか?」と尋ねたことからはじまりました。そして、2人はグラースで会うことになりました。

コートダジュールの海岸沿いにある風光明媚な街スペラセードにあるラボで、娘セリーヌ・エレナと共に、一切の助手を置かずに自由なクリエイションに没頭していたエレナは、引退していたときに感じていた「私はもう年寄りだ」という感情を完全に乗り越えていました。

今では「若い時にしか出来ないことがあるように、年を重ねてからしか出来ないこともあるんだ」と気力体力共に充実していたのでした。

「君は今最高に恵まれた環境にいる。なぜなら、君はクライアントを選ぶことが出来る数少ない調香師なんだから」とマルに言われたエレナは、即座に「5作品目を一緒にやろう」と答えたのでした。

そして、エレナは、今、自分自身がパブロ・ピカソで言うところの、青の時代とキュビズムの時代を通過した第三の時代に突入するつもりですと伝えていました。つまりは、複雑時代(ファースト)とミニマリスト時代(エルメス時代)の次へと進もうとしているのでした。

私はミニマリストと呼ばれるのが嫌でしょうがなかったのです。なぜならミニマリストとはエモーション(感情)を拒絶したものであり、何よりも私がアートで重要視していたのはエモーションだったからです」。そんな、エレナにとっての第三の時代とは、よりシンプルにエモーションを剥き出しにして突き進む香りを作るということでした。さぁ、ここより、エレナの最終形態である〝エモーションの時代〟がはじまるのです。

隠し味は、薔薇のトゲの香りだ!

エレナとマルは、グラースにて、エドモンド・ルドニツカが1949年に調香したロシャスラ ローズという香りを嗅いだときに、この作品の全ての構想が目に浮かんだのでした。それは〝レザーローズ〟です。

「ローズ & キュイール(薔薇と革)」。ある香りの名前に〝香りの名称〟が並列されるとき、その意味は、大抵は、対極の香りのコントラストを生かした二面性の香りであることを意味します。そして、この香りもまた例外ではありません。

私はいまだかつてひとつの香水にこれほど多くの天然香料を使用したことがありません。

ジャン=クロード・エレナ

この香りには、ローズもレザーも使用されていません。ローズの香りは、ティムットペッパーとブルボンゼラニウムにより創造されました(再現ではなく)。ティムットペッパーをエレナが知ったのは、2016年に、「エピス・マリン」(2013)で競演した親友のブルターニュ人のシェフ“キュイジニエ・コルセール(海賊料理人)”ことオリヴィエ・ローランジェによってでした。ネパール原産のティムットペッパーは、グレープフルーツとパッションフルーツを連想させる香りを生み出します。そして、ブルボン・ゼラニウムは、モニーク・レミー研究所(2000年よりIFF社の傘下に入ったグラース最高の天然香料会社)により分子蒸留された最上級のものです。

レザーの香りを創造するにあたり、ピゲの「バンディ」(1944)やグレの「カボシャール」(1949)などで使用されていた〝忘れ去られた〟合成香料であるイソブチルキノリンが使用されました。そこに、ベチバーやシダーが双方の仲介者の役割を果たし、穏やかさの中に劇的な印象を与えているのです。

と大概のサイトには、ここまでの流れは大まかに記載されているのですが、この香りには実は極秘レシピが存在します。それは、エレナが、絶対的に再現したかったという薔薇のトゲの香りです。そのためにラストに、テンサイとムス・ドゥ・サクス(幻のアニマル・ノート、キャロンの「ニュイ・ドゥ・ノエル」にて使用された)が使用されているのです。

この香りのコンセプトは、嵐の前の静けさであり、「薔薇の暗黒面」を表現した香りです。しかし、薔薇のトゲの香りを再現したということは、エスティ・ローダー・グループとしてはあまり口外してもらいたくない事実でしょう。なぜなら、薔薇のトゲをイメージさせる香りは、極端にお客様を限定してしまう可能性があるからです。

ジャン=クロード・エレナ第三王朝「反逆の香り」

この香りは、15ノート(15種類の香料ではなく)のみを使用して生み出された香りです。そして、「香りを芸術」にした男ジャン=クロード・エレナの更なる進化形を見ることが出来ます。その答えは、香りは、自然に対する模倣でもなく、印象派のような絵画でもなく、シュールレアリズムであり、反逆の精神なんだということです。

この香りは、薔薇を愛する人に対する反逆と裏切りのメロディなのです。そして、そんなあなたがひとまず手にして身に着けているうちに、そんな香りの芸術性の虜になってしまう香りなのです。芸術とは何か?それは最初に、嫌悪させ、やがて虜にさせるものです。


フレデリック・マルは、この香りを評して、本物のローズの香りではなく、アンディ・ウォーホルの作成したポップアートのローズのような香りであると表現しています。

横たわる青い裸婦、1954年。

一方、エレナは、この香りについて、ニコラ・ド・スタールの絵画のような香りであると評しています。

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