エルメス

【エルメス】ローズ イケバナ(ジャン=クロード・エレナ)

エレナとエルメスの日本への愛の香り

余分なものをすべてそぎ落とした美の真髄。日本の伝統芸術である生け花は、花や葉から選りすぐった部分をカットして、それらを巧みに配置し、美を表現します。そんな生け花を、フレグランスという形で表現したら……。ローズ・イケバナは早朝に香るバラ。朝露をふくんだような、繊細で軽やかな香りです。

ジャン=クロード・エレナ

2004年からスタートした、≪嗅覚の詩≫とも言える究極のエルメスのフレグランス・コレクション『エルメッセンス』。「ポワーブル サマルカンド」、「アンブル ナルギレ」、「ベチバー トンカ」と共に同年に第一弾として発売されました。

ローズの花びらとルバーブによるコントラストを生み出そうとしているのですが、発泡性のあるローズのエネルギー不足感を少し感じます。エルメスの初代専属調香師ジャン=クロード・エレナにより調香されました。

ぴしっと背筋が伸びるような香りです。生け花から連想させるお茶の香りではないのですが、その瑞々しい西洋ティーの香りは、上質の洋服に振りかけると、糊をかけるよりもパリッとしそうなイメージです。

もしくは、花びらと果実が充満した舞台で、優雅に踊るバレリーナによって、送風機のように発散される香りのイメージです。

ホテルマン、フライトアテンダント、ラグジュアリー・ブランドの販売員に似合いそうな香りです。この香りから、生け花を連想させる要素は全くないのですが、エレナとエルメスというブランドの日本に対する深い愛を感じることが出来る香りです。

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華麗なるではなく、可憐なる花の香り

どうして花はかくも美しく生まれて、しかもかくまで薄命なのであろう。虫でも刺すことができる。最も温順な動物でも追いつめられると戦うものである。ボンネットを飾るために羽毛をねらわれている鳥はその追い手から飛び去ることができる、人が上着にしたいとむさぼる毛皮のある獣は、人が近づけば隠れることができる。悲しいかな! 翼ある唯一の花と知られているのは蝶ちょうであって、他の花は皆、破壊者に会ってはどうすることもできない。彼らが断末魔の苦しみに叫んだとても、その声はわれらの無情の耳へは決して達しない。われわれは、黙々としてわれらに仕えわれらを愛する人々に対して絶えず残忍であるが、これがために、これらの最もよき友からわれわれが見捨てられる時が来るかもしれない。諸君は、野生の花が年々少なくなってゆくのに気はつきませんか。それは彼らの中の賢人どもが、人がもっと人情のあるようになるまでこの世から去れと彼らに言ってきかせたのかもしれない。たぶん彼らは天へ移住してしまったのであろう。

『茶の本』岡倉天心

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ローズ イケバナ」を「お上品なフローラル」と呼び、「私は、日本の慣習というのは、生け花をはじめどうも神経質だと思っている。砂庭に模様を描いたり、自分より小さい木をいじめてみたり、お茶一杯を入れるために永遠とも思える時間を費やしたり、まさにお金の有り余っている憂鬱な中年女性のための暇つぶしだ。このエルメスの生け花も本家本元に劣らず、退屈で活力がない。ただ、美しい小枝を背景に、美しいローズを組み合わせただけ。」

「昔、私の親戚がバラであふれかえるグラースの工場を3か所回った後に、ひじ掛け椅子にどしんと沈み込んで吐いた言葉がある。「もう、美しいだけのものにはうんざりだ!」」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

香水データ

香水名:ローズ イケバナ
原名:Rose Ikebana
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2004年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/35,860円


シングルノート:オレンジ、スパイス類、フルーティ・ノート、ムスク、ニッケイ(クスノキ科)、ティー、ローズ、レモン、ルバーブ

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