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【ヴァン クリーフ&アーペル】ファースト(ジャン=クロード・エレナ)

その他
©Van Cleef & Arpels
その他ジャン=クロード・エレナブランド調香師香りの美学
この記事は約14分で読めます。

ファースト

原名:First
種類:オード・トワレ/オード・パルファム
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:1976年
対象性別:女性
価格:60ml/11,500円(日本発売終了)
公式ホームページ:ヴァンクリーフ&アーペル

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ヴァンクリーフ&アーペルの野望

アーペル三兄弟

私は私たちの宝石の世界観を香りにした香水の誕生を夢見ています。それは控えめで、プレシャスで、儚くて、それでいて存在感がある。そんなシグネチャーになる香りを創造したいと望んでいます。

ピエール・アーペル

ヴァンクリーフ&アーペルの歴史は、1895年にダイヤモンド商かつ宝石細工職人の息子アルフレッド・ヴァン クリーフと宝石商の娘エステル・アーペルの結婚と共にはじまりました。

1906年にパリのヴァンドーム広場22番地にメゾンを創立し、1942年には念願のニューヨーク・ブティックを五番街744番地にオープンしました。

1956年にはモナコ公国皇太子レーニエ3世がグレース・ケリーのためにパールとダイヤモンドのジュエリーセットを贈りました。そして、この後にメゾンは、モナコ公室御用達となりました。

フランソワーズ・アルディ ©Van Cleef & Arpels

1968年には、後にメゾンを代表することになる、四つ葉のクローバーに着想を得た幸運のアイコン、アルハンブラ・コレクションを発表しました。

私は宝石と香水はとても近しい関係だと考えています。ドレスやファーコートがワードローブなら、シューズやハンドバッグはアクセサリーです。しかし、あなたは決して宝石をアクセサリーとは呼ばないはず。それは香水と同じように、身を飾り立てる装飾品なのです。

ピエール・アーペル

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はじめの一歩

©Van Cleef & Arpels

この香りの名前を決めるにあたり少しだけ議論になりました。私は最初から「ファースト」という名前しか念頭にありませんでした。なぜならジュエラーが生み出すファースト・フレグランス。そして、ヴァンクリーフ&アーペルのファースト・フレグランスも意味するからです。

ただし、英語の〝First〟でいくかフランス語の〝Premier〟でいくかどちらにするかという議論になりました。

クロード・ソジェ

1976年にブランド創業70周年を記念し、ヴァンクリーフ&アーペルは、それまで他のどのハイジュエリーブランドも生み出したことがないブランド精神を反映した香水を生み出すことにしました。

レブロンのマーケティング部門で経験を積んできたクロード・ソジェ(Claude Saujet)は、シャネルのオファーを蹴り、ヴァンクリーフ&アーペルが新設したパルファム部門の社長に就任することになりました。彼はそれまで香水の仕事に関わったことがありませんでした(1980年から85年にかけカルティエに移り、ブランド初の香水「マスト」を生み出す)。

当時、ほとんどの関係者は、ハイジュエリーブランドが発売する香水など誰も購入しないと考えていました。そんな中、ピエール・アーペルとクロード・ソジェは、〝我々が作る香りは、パリュールのように、女性の手首、耳元、胸元に輝きを与えるものにしたい〟という明確なる目的を持っていました。

そして、4人の調香師に依頼し、自社の工房やブティックの仕事ぶり、ジュエリーについて丁寧に説明し、作業に取り掛かってもらいその中からひとつの香りを選ぶことにしたのでした。

その4人の中にいた一人がジボダンの若手調香師ジャン=クロード・エレナでした。やがて彼の純粋なひたむきさに心打たれたクロードは、彼にすべてを委ねることを決意したのでした。

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ジャン=クロード・エレナとジャスミン。

©Van Cleef & Arpels

彼(クロード)はとてもシンプルにこの香りのコンセプトについて伝えてくれました。〝宝石を作るように香水を作って欲しい。そして、宝石のような香りを生み出してください〟と、私はそのアイデアに夢中になりました。

私はクラシカルではなく、クラシックな香水を作ろうと思いました。クラシカルだと退屈な香りになります。ローズ、ジャスミン、スズランといったフローラルたっぷりの「N°5(No.5)」と「アルページュ」を連想させる香りに、ヘディオンを加えることによって、まったく違う香り立ちに変えていこうと思いました。

ジャン=クロード・エレナ(以下すべての引用はエレナのお言葉)

ちなみにヘディオンとは、ジャスミンに含まれる900種類以上の分子のひとつであり、1958年にフィルメニッヒ社のエドゥアール・ドゥモール博士によってはじめて分離された分子でした。それは女性が嗅ぐと、性ホルモンが分泌される媚薬効果もあります。

そして、1962年に特許がとられ、エドモン・ルドニツカによりディオールの「オー ソバージュ」ではじめて使用されたのでした。

「オー ソバージュ」では少ししか使われていなかったヘディオンを「ファースト」で、たくさん(10倍)使ってみました。すると、ヘディオンが他の花々に生命を吹き込み、それぞれがうっとりさせるような魅惑を解き放つようになりました。

「ファースト」はジャスミンについての香りと言っても良いでしょう。ジャスミンは、私の調香人生においてとても重要なものです。それはソフィア・グロスマンにとってのローズのようなものです。私は今では、誰よりもジャスミンと遊ぶ方法を知っているつもりです。

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アルデハイドとブラックカラントの奇跡のマリアージュ

©Van Cleef & Arpels

1903年に発見された合成香料アルデハイドが、香水の歴史に与えた影響は計り知れません。それ自体は、人間の脂っこい体臭のような匂いなのですが、1921年にシャネルの「N°5(No.5)」で使用されるようになり、フレグランスに革新をもたらしました。ランバンの名香「アルページュ」(1927)にも使用されています。

古典的なフローラルの香りに気品溢れる輝きを与えてきたアルデハイドを使用するということは、1970年代においては、古めかしい香りのイメージにつながるものでした。その危険を冒しつつも、若き日のエレナは、ヘディオンとブラックカラントバッド・アブソリュート、ナルシス・アブソリュートを加え、アルデハイドの新たな一面を見つけ出したのでした。

私はグラースで生まれました。そして、調香師になる前に工場でジャスミン・アブソリュートを作っていました。そこで私はエジプト、チュニジア、グラースそれぞれの産地から来たジャスミンの香りの違いが分かるようになりました。

あくまで私感ですが、グラース産のジャスミンはブラックカラントバッドがほのかに香るのです。だから、ブラックカラントとジャスミンのコンビネーションは、とても面白いものになるだろうと常々考えていました。

アルデハイドとジャスミン、ヘディオン、ブラックカラントバッドの組み合わせに欠けているもの。それは〝心〟でした。私はこの香りに〝心〟を与えるために、今まで試したことのない香料の組み合わせを延々と試しました。

そして、ナルシス(水仙)とマンダリン・オレンジの組み合わせが何か突出した空気を感じさせることに気づいたのでした。

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エレナがもっとも苦労した28歳のときの香り

©Van Cleef & Arpels

しかし、クロード・ソジェは、エレナからの試作品を毎回妻に試してもらっていたのですが、〝愛の一夜〟を共に乗り越えることは出来ず、朝になると香りが消えていました。明らかに香りの持続性に問題があったのでした。

しかし、エレナは香りの持続性についてかなり手こずり、ついにクロードにこう宣告されたのでした。「もう十分だ!今晩、キミの最後の試作品を妻が吹きかけ、明日の朝、枕からその香りがしたらこれで完成です。でもしなかったらすべて忘れてください」と。

エレナは、この一日が調香師人生において最も長い一日だったと回想しています。この香りを作っている間エレナは四六時中調香について考え、悩み、夢にまで出てきたほどでした。

そして、最終的に水仙、カシス、アルデハイドの量を増やし、ムスクとアンバーで持続力の安定を図ることに成功したのでした。かくして僅か六ヶ月で調香は完了したのでした。

今日では「ファースト」は香水のひとつの典型になったと感じています。「ロシャス ファム」(1944)や「レールデュタン」(1948)のようにです。人々はこの香りは「ファースト」のようだとか、「ファースト」に影響を受けていると言うようになりました。しかし、ひとつだけ言える事は、この香りを作った当時、私は何かすごい香りを作ったという実感はまったくなかったということです。

シャネルの「N°5(No.5)」のアルデハイド、ギラロッシュ の「フィジー」のフローラル、ゲランの「シャマード」のフルーティの影響を強く受けたこの香りは、シャネルの「アリュール」やグッチの「エンヴィ」などに強い影響を与えてゆきました。

クロードはとてもタフな人でした。とても仕事熱心で、要求が多くて、でも私を信頼してくれていました。最初に彼に会ったときの言葉が今も脳裏に焼きついています。〝私は香水について何も知りません。だから、あなたが私に香水について教えてくれる必要があります。そして、私はいつもあなたの決定を信用します。プロフェッショナルとしてあなたがとても素晴らしいものを作ってくれることを期待しています。予算についてはその後で話していきましょう。〟これを聞いて私はとても嬉しい気持ちになったことを覚えています。自由な環境で自由な予算の中でクリエイション出来るのですから。

そして、私は、はっきりと市場テストは必要ないと断言したのでした。この香りから私の調香スタイルは一貫しています。私は私の作品をそういったものに委ねたくはありません。

唯一のテストは、ヴァンドームのブティックのお客様にときどき試作品を振りかけ、その反応を確認したくらいです。

今考えると恐ろしいことなのですが、この香りは、クロードと私だけで、最初から最後まで決定していった香りでした。厳密に二人だけで作り上げたラグジュアリー・ブランドの香りは前代未聞のことだと私は思います。

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〝人とひとつになる宝石〟=ファースト・ファンタジー

©Van Cleef & Arpels

植物の匂いについてわかったおかげで、こう考えるようになりました。匂いの性質とかたちは、匂いを構成している原料とそれぞれの割合よりも、何の原料を使っているかによって決まる。そして、私は、ひとつの花の匂いとひとつの香水のかたちを対応させ、潔く、自分の処方の方法を修正することを決断したのでした。

以来、原料の選択こそ、決定的に重要だと考えている。だから割合については大きく変わることもあるが、なるべくシンプルを心がけている。

コレクション(エレナが調香のために使う原料)の数も減ることになる。1976年、28歳のとき、私はヴァン・クリーフ&アーペルの「ファースト」を作った。そのときには、私の鼻は既存のモデルのおかげで豊かに培われた。関心は内面、知、理性へと向かっていた。コレクションは厳選されて少なくなっていた。それに反して、香水のかたちは複雑になった。

後に少ない原料で香りを生み出すようになるエレナにとって最も多く原料(160種類以上)を使用して生み出した香りでした。

そんな「ファースト」は、真夜中に磨き上げられたダイヤモンドが、晴れやかな日の光と共に、肌の上に降りかかり、満面に輝きを生み出していくようにアルデハイドがベルガモットと弾け合いながら、滑らかにスパークリングするようにしてはじまります。

エレナが最も苦心したと思われるのは、この香りの広がり方にあります。花の香りの広がりや、シャネルの香りの広がりとは違う、ダイヤモンドのきらめきの広がりを生み出すために、エレナ自身の芸術家としての気質が思う存分発揮されています。

すぐにピーチ、ブラックカラント、ラズベリー、オレンジといった熟したフルーツが、カラージュエリーのように、見事にダイヤモンドの輝きの隙間に配置されてゆきます。

そして、ジャスミンとヘディオンがすべての香りのセッティングをより確かなものにするために、念入りに、確認するかのように甘やかなフローラルの芳香を注ぎ込んでゆくのです。

どうやらこの香りのアルデハイドは、花々と共にきらめくのではなく、ヘディオンと結びつき、花々の開花を促す柔らかな陽光のようです。やがて、一斉に、カーネーション、チューベローズ、水仙(ナルシス)、スズラン、ヒヤシンス、ターキッシュローズ、イランイラン、アイリス、オーキッドが贅沢に、まさに宝石が、女性の肌の上で、花蜜と花粉を浴びより輝きを増すように、きらめきを解き放っていくのです。特に水仙とジャスミンのコントラストは唯一無二な輝きを創造しています。

スパイシーさを湛えたサンダルウッド、蜂蜜、トンカビーン、アンバー、バニラ、オークモスが、シベットのアニマリックな官能のアクセントを加えながら、クリーミーさとパウダリーさを渾然一体とさせてゆきます。

そして、すべての香りが隙なくヴェールのように柔らかに何状にも広がってゆき、自然の美と豊かさを感じさせる柔らかな晴れやかさから、毛皮のコートが包み込む女性の温かい素肌を予感させる官能的な夕暮れのリッチな余韻へと気づかぬうちに香りは変化を遂げてゆくのです。

ヴァンクリーフ&アーペルの素晴らしい点。それは最初に最後の、いや究極の宝石の香りを生み出したところにあります。つまり、この香りは、宝石が絶対に成し遂げることの出来ない領域である、きらめく輝きが、肌と一体化し、溶け込んでいく〝人とひとつになる宝石〟=ファースト・ファンタジーファイナル・ファンタジーにしたところにあるのです。

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こだわりのボトル・デザイン

©Van Cleef & Arpels


予算も限られた中、ジャック・ジョレンテにボトルデザインが依頼されたのは、一ヵ月後にリリースを控えた1976年3月のことでした。最初にあがってきたデザインはカットダイヤモンドのようなボトルでした。しかし、それは男性的過ぎると却下されました。

そして、ジャックはヴァンクリーフ&アーペルの歴代のジュエリー・カタログを与えられたのでした。すぐに1940年代に発表されたスノーフレイク・コレクションのペンダントに目がゆき、このクラシーなボトル・デザインが誕生したのでした。

最後にジュースの色は、雪の女王のような冷たく厳粛なプラチナ色ではなく、生き生きとした温かみのある輝くイエローゴールドの色が選択されたのでした。

ちなみにチャンドラー・バールは、この香りを「19世紀末のロマン主義を表現した香り」と称えました。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ファースト」を「アルデヒド調アニマリック」と呼び、「ジャン=クロード・エレナは、深刻なミニマリズム病にかかって回復できなくなる前に、大柄なフレンチフローラルをこれまでになく飾り立てて高級にした。この「ファースト」(1976)もそのひとつ。」

「本質的には「ジョイ」を暗くした感じ―ということで喜び(ジョイ)は減っている。」「すべては少なめに(ミニマリズム)というエレナの後年のスタイルとは対照的に、この香水はすべてが多め。多めのアルデヒド、多めのパチョリ、多めの動物様のノート。ナルシサスとカストリウムが混じった裏庭のようなフェノール様の香りもして、深みを増しながら良質な残香になる。リッチでユーモアはない。脅しをかけるときには理想的な香水。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ファースト
原名:First
種類:オード・トワレ/オード・パルファム
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:1976年
対象性別:女性
価格:60ml/11,500円(日本発売終了)
公式ホームページ:ヴァンクリーフ&アーペル


トップノート:アルデハイド、ブラックカラント、ラズベリー、ピーチ、ベルガモット、マンダリン・オレンジ
ミドルノート:カーネーション、チューベローズ、水仙、スズラン、ヒヤシンス、ターキッシュローズ、イランイラン、ジャスミン、オリスルート、オーキッド、クローブ
ラストノート:蜂蜜、サンダルウッド、トンカビーン、アンバー、ムスク、シベット、バニラ、オークモス、ベチバー

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