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【エルメス】パプリカ ブラジル(ジャン=クロード・エレナ)

エルメス
エルメスジャン=クロード・エレナブランド調香師香りの美学
この記事は約4分で読めます。

パプリカ ブラジル

原名:Paprika Brasil
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2006年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/36,190円

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実はブラジルの香りではなく、ブラジルボクの香り

©Hermès

ブラジルボク

かつてヨーロッパで布を赤く染色するために使用された木〝ブラジルボク(brazil wood)〟。そして、ブラジルの国名の由来となりました。その木が私の想像力を刺激し、私にブラジルの唐辛子であるパプリカを選ばせました。アイリスとモクセイソウとペッパーの組み合わせで、味よりも秘密めいた香りを再現したのです。

ジャン=クロード・エレナ

地中海の庭」の成功により、2004年にジャン=クロード・エレナエルメスの初代専属調香師に就任することになりました。そして、≪嗅覚の詩≫とも言える究極のフレグランス・コレクション『エルメッセンス』が誕生しました。

2006年に六作目として発表されたのが「パプリカ ブラジル」です。かなり特徴のあるグリーン・フローラルの香りです。

この香りは、エレナが、「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」の一文でも有名な、クロード・レヴィ=ストロースが1930年代にブラジルを旅し、滞在した記録の書『悲しき熱帯』(1955)からインスパイアされました。

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青果売り場になぜか咲いているアイリス

クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』より。

すべてのエルメッセンスに共通しているのは、ひとつの香料に対する限界に対する挑戦なのです。例えば、パブリカ ブラジルにおいて私は嗅覚に対してでなく、舌の上でピメントの燃えるような感覚を知覚で感じ取れるような香りを創りたいと挑戦したのでした。

ジャン=クロード・エレナ

パプリカを磨りつぶして粉末状にしたようなスパイス感ではなく、冷水でパプリカを洗っているうちにほんのりと香り立つチリペッパーのピリッとした甘辛さと、新鮮なグリーンを伴うパプリカの香りからこの香りははじまります。

すぐに幽かなアイリスがまるでキャロットシードのように、新緑の香りを引き寄せながら、ふんわりと広がらせてゆきます。やがてその背後からクローブ、ローズ、シナモン、ラベンダー、バジル、オレガノを乾燥させたようなハーバルなポプリの苦味が漂ってきます。

この香りの中に、ブラジルらしさは一切存在しません。なぜならブラジルボクの香りだからです。

そして、ほのかなスパイスを伴ったグリーンポプリとアーシィーなアイリスの幽玄さが、青果売り場のフレッシュ感も感じさせながら、やがて、透き通るように消え行くのです。

ラルチザン パフュームの「ゾンカ」を想わせる香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「パプリカ ブラジル」を「蒸発するペッパー」と呼び、「とても半透明でとらえにくいため、調香師がいうように「試香紙に吹き付けた香りから探す」ことになる。」

「ペッパー・ペッパーのアコードは、その役割を十分に果たしているが、あまり興味をもてないし、しまいには安っぽいグラーヴワインから漂う、トウガラシのオフノートのような香りがする。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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作品データ

香水名:パプリカ ブラジル
原名:Paprika Brasil
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2006年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/36,190円


トップノート:ピメント、クローブ、パプリカ
ミドルノート:アイリス、グリーンリーブス
ラストノート:モクセイソウ(木犀草)、ブラジルボク

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