ファッションコラム

2018年春夏おすすめラグジュアリーバッグPART7<エルメス>

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エディター・プロフィール:圭子・スカイウォーカー

生年月日不明。性別不明。国籍日本。見た目は30代前半、身長170cmくらい。藤圭子にすごく似ている。ラグジュアリー・ファッションに対する情報の幅の広さから、恐らく現役の関係者と推測される。本人とのやり取りはメールと電話と二度っきりの会見のみ。口癖「ファッション誌はあてにならないので読まないわ」。大好きなものは「ダイアン・アーバスの写真とニーナ・シモン」、最も嫌いなものは、「SNSに夢中な女子と、プチプラ自慢する人たち」とのこと。(長谷紅記)

2018年春夏おすすめラグジュアリー・バッグ・ブランド22

0.最初に
1.プラダ
2.グッチ
3.ヴァレンティノ
4.クロエ
5.ルイ・ヴィトン
6.シャネル
7.エルメス
8.フェンディ
9.デルヴォー
10.ディオール
11.ステラ・マッカートニー
12.セリーヌ
13.ロエベ
14.サンローラン
15.マルニ
16.トム・ブラウン
17.プロエンザ・スクーラー
18.バレンシアガ
19.3.1 フィリップ・リム
20.マルベリー
21.モスキーノ
22.アニヤ・ハインドマーチ




7.エルメス

史上最高のステイタス・バッグと呼ばれるケリーとバーキン。それは二人の映画女優から生まれたの。そして、ここ最近の映画スターやシンガーからはこういったバッグは生まれていない?それはなぜなのかしら?

エルメスのバッグは、はっきり言って、ケリーとバーキン以外は、デザインが面白みに欠けていて、全く興味が沸かないの。販売員の質も、一流と三流のふり幅が極めて激しいブランドで、三流七割、一流三割で占められている職場だから、若いやる気のある子達は、すぐに辞めていくあまりやりがいのない環境なの(だからここの販売員は、冴えない中年販売員が多い)。

でも、ケリーとバーキンだけで、他のラグジュアリー・ブランドの全てのバッグを凌駕するほどの圧倒的なスタイタスに満ち溢れているの。ただし、エルメスの直営店では、ほとんどお目にかかれないバッグ。

ここでおさらいして見ましょう。一人は、グレース・ケリー(1929-1982)という、モナコ王妃になった伝説のハリウッド女優。そして、もう一人は、ジェーン・バーキン(1946-)というグレースよりは、遥かに格下だけど、60年代から70年代にかけて、セルジュ・ゲンスブールのミューズであり、シャルロット・ゲンズブールの母親であるフレンチ・シックを体現する映画女優兼シンガー。

この二人の名前を冠することになったバッグは、今では完全に一人歩きし、現代女性の永遠の憧れの単語となっているの。エルメスの恐ろしいところは、他のブランドにおいて、女優の名前を冠するバッグでこれほどまでの定番を生み出せていないところにあるの。結局のところ、現代のスターというものは、本当にインスタントなもので、SNSで自己発信している分だけ、神秘性に欠ける存在であり、一つのバッグをずっと使い続けるのではなく、ころころと色々なブランドの新作に振り回されるだけの軽い存在に過ぎないと言うことを教えてくれるのが、ケリーとバーキンなの。



ケリー・バッグ ★★★★★


ひとつは、ケリー・バッグ。元々は1935年に誕生した「サック・ア・クロア」というバッグなんだけど、サドルバッグの盗難防止を気にしていた時代の名残とも言えるカデナ(南京錠)と、カデナ用の2本の鍵が収納出来るストラップ付きのクローシュ(鍵カバー)、そして、バッグとフラップを止める開閉金具付きベルトがケリーの特徴なの。

グレース・ケリーが、「サック・ア・クロア」で妊娠しているお腹を隠している写真が「ライフ」誌の1956年4月9日号の誌上に掲載されたことがきっかけになって、「あのバッグはどのブランドのバッグなの?」ということになり、一躍脚光を浴びたの。そして、このバッグは、ケリー・バッグと呼ばれるようになったのよ(その後、1977年にエルメス社はモナコ王室から正式にケリー・バッグの名称の許可を獲得)。

ちなみに、グレース・ケリーがこのバッグに出会ったのは、アルフレッド・ヒッチコック監督の『泥棒成金』の衣装のためにコスチューム・デザイナーのイーディス・ヘッドがエルメスで調達した数々のラグジュアリー・アイテムの中にこのバッグがあって、ケリーが一目惚れしたことからなの。以後、グレース王妃は、クロコダイルのケリーと目の覚めるようなダークブラウンとネイビーブルーのケリーを愛用したのよ。

ケリー・バッグは一人の職人が、地球上で最も高品質の革を使用し、手作業で約18時間かけて作り上げるバッグなの。その工程は、裏地のヤギ革から制作がはじまり、フロリダのアリゲーター、パキスタンのバッファロー、オーストラリアのクロコダイル、タイのシャーク、マレーシアのオオトカゲといった世界中の革を使用して作り上げられるの。ケリーには、マチ部分を外側で縫い合わせた外縫いと、内側で縫って返した内縫いの2タイプがあり、同じ素材&同じサイズでも、印象が全く違ってくるの。ちなみに1990年代半ばまで3500USドルだった価格が、2016年には約3倍に跳ね上がっているのよ。

バーキン・バッグ ★★★★★


1981年に、エールフランスのパリーロンドン便の機上にて、偶然にも隣同士の席になった、ジェーン・バーキンと、当時衰退への道を歩み始めていたエルメスを継承し3年目の5代目社長ジャン=ルイ・デュマ。二人が短時間のフライト中、会話を交わすきっかけになったのは、頭上の荷物置きからバーキンの大きなかごバッグが落ちてきて、デュマのそばにエルメスの手帳が転がってきたことからなの。そして、デュマは、ポケットのついた大きな革製のバッグの製作を、バーキンに約束し、二人はアイデアを出し合い、デュマが嘔吐袋にバッグのデザインを書き記したの。

これが、乗り物酔いで嘔吐する人たちのために用意された袋に下書きされた世界でも最も高価なバッグのデザイン画の伝説なの。

そして、1984年に黒のレザーバッグがバーキンのために作られたわけ。当初バーキンはこのバッグを使っていたんだけど、腱鞘炎になってしまい、「私には重過ぎるの」と使用しなくなったの。最もバーキンと名づけられたこのバッグはすぐにはヒットしなかったの。でも1990年代後半の〝Itバッグ時代〟になって、ケリーと共に、爆発的に売れるようになったの。

20万のバーキンが世界中に流通し、そのウェイティング・リストに最長6年の人もいると言われるほどの人気のステイタス・バッグになったのよ。もっとも、今ではリスト自体がなくなり、エルメスはもう予約を受け付けなくなったの(毎年いくつのバーキンが製作されているかはエルメスは明らかにしていない)。

バーキンを作るためには、一人の職人により、48時間かかり、約一週間の日程がかかるのよ。価格は約130万円から320万円。ジェーン・バーキンはロイヤリティとして、年間400万円がエルメスから自動的にバーキンの慈善事業に寄付されるようになっているの(彼女の死亡後も払い続けられる取り決め)。更にいつでも無料でバーキンを得られることになっているわけ。でも実際のところ、バーキンは、常に一つのバーキンを持つだけにとどめており、現在まで5つのバーキンを使用してきただけなの(そういった所もジェーン・バーキンのカッコ良さよね)。



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