エディター・プロフィール:圭子・スカイウォーカー
生年月日不明。性別不明。国籍日本。見た目は30代前半、身長170cmくらい。藤圭子にすごく似ている。ラグジュアリー・ファッションに対する情報の幅の広さから、恐らく現役の関係者と推測される。本人とのやり取りはメールと電話と二度っきりの会見のみ。口癖「ファッション誌はあてにならないので読まないわ」。大好きなものは「ダイアン・アーバスの写真とニーナ・シモン」、最も嫌いなものは、「SNSに夢中な女子と、プチプラ自慢する人たち」とのこと。(長谷紅記) |
2018年春夏おすすめラグジュアリー・バッグ・ブランド22
0.最初に
1.プラダ
2.グッチ
3.ヴァレンティノ
4.クロエ
5.ルイ・ヴィトン
6.シャネル
7.エルメス
8.フェンディ
9.デルヴォー
10.ディオール
11.ステラ・マッカートニー
12.セリーヌ
13.ロエベ
14.サンローラン
15.マルニ
16.トム・ブラウン
17.プロエンザ・スクーラー
18.バレンシアガ
19.3.1 フィリップ・リム
20.マルベリー
21.モスキーノ
22.アニヤ・ハインドマーチ
8.フェンディ
モンスター&ファーチャーム・ブームを生み出したフェンディ。でも、ココ一年のフェンディは何かがおかしい。 |
フェンディ史上最高の人気を誇るチャームは、2013年ホリデーコレクションに発表され、2013年9月から発売されたこのバッグ・バグズ君よ。特にグリーンのものがプレミアになってるの。目の部分は、スワロフスキーのクリスタルが使用されていて、口にはメタルスタッズ、そして、ラムレザーとミンクとゴートのファーが贅沢に使用されたチャームなの。
それにしても、なぜフェンディのチャームのデザインは、年を追うごとにとんでもなく野暮ったくなってるのかしら?あのキモかわいい絶妙なテイストが段々失われていって、今では、あざとさが残ってるだけなの。特に最新作のスペース・モンキーなんて、もはやチャームと呼ぶよりは、バッグの品格を落とすためにつけているような、デザインなの。バッグ・バグズが素晴らしい点は、フェンディのチャームを知らない層にも、「え!!何あれ!?」とまず注意を引いてから、「なんかかわいい!!さわりたい!!」と思わせた所にあるのよ。
だけどスペース・モンキー(明らかにブラッド・ピットの『ファイトクラブ』の中のグループ名から引用したネーミング)には、そういった感覚を女子に沸き立たせるものが全くないの。それは商品を説明するフェンディの販売員の表情を見ていても、明らかに感じ取れるの。バッグ・バグズを売っていた時には、販売員は、「これが可愛いと思えないなら、この場から立ち去りなさい」という自信があったの。でも今では「もしお気に召したならば・・・」と、申し訳なさそうに、このチャームを取り出す訳なのよね。
もしかしたら、スペ-ス・モンキーから、フェンディの凋落は始まるのかもしれないわ。
バゲット 617,760円 ★★★★★
今だからこそ、逆にバゲットよ!マルチカラーのカーフレザーと、ミンクとフォックスのファーによってバッグ・バグズがデザインされたバゲット。バゲットの生産が少なくなっている昨今においては、トレバゲット並みのプレミアになることは間違いないショルダーバッグよ。私的には、ファセット加工が施されたダブルFバックルが技ありね。
かつてシルヴィア・フェンディがバゲットについてこう言ったの。「このバッグこそ、史上初めて、衣服のように遊べるショルダーバッグなの!それは機能性への反逆心が生み出した、お馬鹿をお洒落にする余裕が生み出せるハイモードなバッグなの!」。
1997年、シルビア・フェンディの指揮の下、後にヴァレンティノでロックスタッズを生み出すマリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリが、創造したフランスパンの形をしたショルダーバッグ〝バゲット〟。最初の一年間で10万個売れたと言われ、テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』(1998-2004)に登場したこともあり、3年間で60万個売れたといわれる。
そして、2000年代半ばの、クロエのパディントンやイヴ・サンローランのミューズの登場により、バゲット人気は鎮火していったのよ。 |
ピーカブー 557,280円 ★★★★★
「いないいないばあ!」というふざけた名前のラグジュアリー・バッグ。パウダーピンクのカーフレザーに、ミズイロのラムレザーのコントラストがとても爽やかね。これ見よがしなピーカブーも嫌いじゃないけど、ここまで清々しい配色もなかなか出てこないので、このピーカブーはかなりオのススメ。同色のラムのナッパレザーで作られたハンドルは特別仕様よね。
2009年春夏コレクションのランウェイに初登場した「ピーカブー」。私的には、内側にパイソンや水蛇を使用したものも大好き! |
キャナイ 421,200円 ★★★★★
「バイ・ザ・ウェイ」が今フェンディでとても人気があるんだけど、私は、このバッグをフェンディで購入する意義を全く感じないのよね。フェンディというラグジュアリー・ブランドのバッグから感じ取る最大の魅力は、〝大人のオンナの遊び心〟なの。
かつて、2002年にルイ・ヴィトン(2003春夏)においてムラカミ・バッグというバッグが存在したことをご存知でしょうか?ルイ・ヴィトンの当時のクリエイティヴ・ディレクターであるマーク・ジェイコブスの呼びかけにより村上隆がデザインした今では〝幻のルイ・ヴィトン〟よ(別名Kawaiiバッグ)。白か黒地のキャンバスに33色のマルチカラーのモノグラムを配したバッグで、今持っているとかなりのプレミア・バッグなの。
このフェンディのバッグも色鮮やかさにおいて、ムラカミバッグに匹敵するタイムレスな華やかさに満ちているバッグよ。ベージュカーフレザーに、短く刈り込んだテクスチャーのウィーブが、ナルチカラーのダブルFパターンを囲んでいるの。一見すると派手すぎんるんだけど、人間の目って、良質で派手なものには素早く慣れるものなのよ。
バック・トゥ・スクール 267,840円 ★★★★★
2017年5月から発売開始されたフェンディのバックパック「バック・トゥ・スクール」。私は、「バイ・ザ・ウェイ」よりもこのバッグの遊び心に、ジェラシーさえも感じるの。特にライトブルーレザーのカラーのものが、美しくて、チェーンやレザーの独特な動きに、心の躍動感を感じずにはいられない若々しい少女だったあの日を蘇らせてくれるバッグなの!
エレガントにも使えるし、カワイくも使えるというのが最大の魅力。どうしても野暮ったいでしょ?身体からはみ出るノースフェイスの家出リュックや、アネロに毛が生えたような過剰デザインのラグジュアリー・リュックなんていらないわ。