『麗しのサブリナ』Vol.3|オードリー・ヘプバーンの美少女ルック

アンドロギュヌス
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映画の成功は、サブリナの変身にかかっていた

オープニングで、「月に手を伸ばしちゃいけないよ」と父親にたしなめられながらも、社交界のプリンスに憧れる、美少女サブリナ。オードリー・ヘプバーンが洗練されていない生娘をどのように演じるのかが、この作品の成功のカギを握っていました。そのために重要なのが、ヘアスタイルと、メイクアップ、そして、何よりも衣裳でした。

美少女ではあるが、男性の歓心を買わない程度の野暮ったさを漂わせていなければならないのです。この姿があればこそ、彼女の後の変身に説得力を生みだされるのです。

そこでデザイナーのイーディス・ヘッドは、オードリーの細いウエストラインの美しさを生かしつつも、平たい胸が生み出す少女の雰囲気をフルに生かすジャンパースカートをデザインすることにしました。

パリに行く前のロングヘアのオードリー。

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サブリナ スタイル1

ジャンパースカート
  • デザイナー:イーディス・ヘッド
  • 黒のロングスリーブのカットソー。ボートネック
  • ポニーテールに小さな柄のジャンパースカート。ラウンドネック
  • 裸足、もしくはバレエシューズ

オードリーの武器の1つは手の長さです。それが高さのない腰の位置をフォローします。

自転車のバックパックがとても可愛らしいです。

自然に見えて実はかなり凝ったレイヤード・ファッション。

ボギーのような渋い男性が隣にいると、女性も輝きます。

ワイルダーからプレゼントされたグリーンのクロームとアルミニウムの自転車に乗って撮影所内を走り回るオードリー。

ビリー・ワイルダー監督と。

衣装合わせのテスト。

裸足で走り回る美少女ルック


21世紀においてこの作品の中で急上昇しているのが、ジバンシィの服が登場する前の「パリ前夜スタイル」と言われるこのジャンパースカート・ルックです。

それは美少女が持て囃される日本においては、特にタイムレスかつ実用的な魅力に満ち溢れています。撮影時24歳だったオードリーを美少女に見せるために、ヘアスタイルをぱっつんのポニーテイルにし、メイクアップ自体は、ファンデーションの種類以外はほとんど変えていないのがポイントです。だからよおく見ると、この時からあり得ないくらいに美しいのです。

ビリー・ワイルダー監督の恐ろしいところは、この作品は、醜いアヒルの子ではなく、美少女が中高年の男性の手によりいかにして美女として洗練されたのかという物語を作り出したところにあります。パリとは、若者の都ではなく、中高年の洗練の都なのです。

さて話を戻しましょう。衣裳のジャンパースカートに関しては、たっぷりフレアを取った長めのスカートのバランスにより、お抱え運転手の父親が、いかに大切に箱入り娘のように彼女を育てているかということが分かります。

細身の肉体にあわせた服を立体裁断するのは大変なことです。しかし、このジャンパースカートは、どんなポーズを取ってもネックラインが崩れない素晴らしいバランスを保っています。「オードリーの仮縫いは慎重に何度もした」とイーディスが語るだけのことがあります。

かくして、サブリナは生み出されたのでした。裸足で木に登り、憧れの男性を遠くから見つめながら、満月の夜に目をうるうるさせているオードリーを見て、ほとんどの観客は、すでにこの美少女に骨の髄まで虜になってしまうのです。

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サブリナ スタイル2

シェフ見習いルック
  • デザイナー:イーディス・ヘッド
  • 襟が付いているハイゲージニット
  • グレー系のロングスカート
  • ギリーンかブラックのエプロン

パリ時代にサブリナは人生を変える出会いをします。それは74歳の男爵との出会いです。「幸福な恋ならスフレが焦げる。恋に破れてるとスイッチを入れ忘れる。」という名セリフを残すこの男爵が、サブリナにポニーテールを切ることをアドバイスするのです。

そして、サブリナの全てが洗練されていくのです。

何かとシェフに目の敵にされるサブリナ。

男爵役のマルセル・ダリオとは、過去に『モンテカルロへ行こう』で共演しています。

劣等性な役柄を演じていても嫌味にならないのは、オードリーの人柄によるものなのでしょう。 

サブリナ スタイル3

パリルック
  • デザイナー:イーディス・ヘッド
  • パリ時代に洗練されていくサブリナのファッション
  • 優雅でドレープのきいたガウン、まるでどこかの国の王女のようなその優雅さ、腰のラインがかなり細め、ダブルカフス、帯、ラペルが広い

このパリルックは、『ローマの休日』のアン王女のラストイメージととても重なります。このシーンは、ハリウッドのパラマウント・スタジオで撮影されているのですが、オードリーという人の凄さは、彼女がパリにいるという設定になれば、おそらく張りぼてのセットの前ででも、その説得力を生み出せる所にあります。

イーディス・ヘッドのデザインしたホワイト・ガウン。

洗練されたオードリーに相応しいシルエットのガウンです。

ガウンの全景。

作品データ

作品名:麗しのサブリナ Sabrina (1954)
監督:ビリー・ワイルダー
衣装:イーディス・ヘッド/ユベール・ド・ジバンシィ
出演者:オードリー・ヘプバーン/ハンフリー・ボガート/ウィリアム・ホールデン

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