アルベルト・モリヤス

アルベルト・モリヤス ミスター・ブルガリ。またの名をGOD(調香神)(4ページ)

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アルベルト・モリヤス
Alberto Morillas
1950年、スペイン・セビリヤ生まれ。
<代表作>
シーケーワン(カルバン・クライン)
プレジャーズ(エスティ・ローダー)
ミ・ラ・ク(ランコム)
オムニア・クリスタリン(ブルガリ)
フラワー・バイ・ケンゾー(KENZO)
ローズ・ゴルデア(ブルガリ)
アクア・ディ・ジオ(ジョルジョ・アルマーニ)
デイジー(マーク・ジェイコブス)
フレッシュクチュール(モスキーノ)
ローズシネルジック(クレ・ド・ポー・ボーテ)
エロス・ファム(ヴェルサーチ)
グッチ・ブルーム(グッチ)


百貨店のコスメカウンターの香りの50%を支配する男。



皆様はフレグランスを購入するときどこを訪れますか?どうやって仕入れたのか謎の、もしかしたらコピーフレグランスかもしれない格安フレグランス販売店があります。そういったお店で(ネット販売も含めて)購入する人もいれば、ラグジュアリー・ブランドの片隅にひっそりと佇むフレグランスを(たどたどしい販売員の説明を聞きながら)恐る恐る購入する人もいるでしょう。しかし、大多数の人々は、百貨店のフレグランス専門店(カフェ・デ・パルファムなど)やコスメカウンターでそれぞれのフレグランスを購入することでしょう。

ここに梅田阪急を例に取るならば、1Fから2Fのコスメフロアーにおいて、ルイ・ヴィトンからクリスチャン・ルブタン、トム・フォードを経てシャネル、ゲラン、ディオールそして、キャロン、クリード、メゾン・フランシス・クルジャンまで、多くの香りが網羅されています。この中で、最も主張する香りの数々を創造している男がいます。その男の名をアルベルト・モリヤスと言います。



調香師の中でも無類のパーティー好きのアルベルト・モリヤス。「私は絶対に一つのラグジュアリー・ブランドの専属調香師になんかなりたくない。色々なブランドを知り、私自身もオシャレを楽しみながら、そのブランドが求める新しいフレグランスを創造したいのだ。」という彼にとって、フレグランスと同じくらいにファッションに気を使い、写真撮影においては、必ず美女の隣にポジション取りする抜け目のなさを持ち合わせています。

恐らくアルベルト・モリヤスのここ10年間のファッションを特集すれば、「カッコイイ60代のオヤジ・ファッション」のルックブックが出来上がるでしょう。

そんな彼こそが、日本中を席巻したチャラい香りの香害の根源でもあったのです。その香りの名は「ブルガリ・ブルー」そして、「シーケーワン」。更には、2017年のモテ男の主張フレグランス確定の「グッチ・ブルーム」なのです。

フレグランス初心者の男達を手玉に取り、エスティー・ローダーでコスメを購入する美女たちのおしぼりの香りを作り上げ、更には、あざとくもクレ・ド・ポー・ボーテの最上級の香りまでも作り上げ、しまいにはSK2のフレグランスを作ろうとしているのではないかとまで噂されているコスメ・コーナー・ハイジャック男アルベルト。以下、この男の生い立ちに触れていこう。


世界一フレグランスを調香している男=調香神


アルベルト・モリヤスは、1950年にスペインのセビリアに生まれました。彼のフレグランスに対する想い出は、母親が愛用していたロシャス・ファムからです。そして、10代後半の頃、ゲランのルール・ブルーの香りに対して、「とてもセクシーで、フランスっぽい」と感じ以後、ゲランのフレグランスに夢中になりました。

10才からスイスに移り住んでいたアルベルトは、フレンチ・ヴォーグにおいて特集されたジャン=ポール・ゲランの記事を読み、調香師を目指すことを心に決めました。そして、1970年にフィルメニッヒに入社しました。調香についてはほとんど自己流で勉強したと回想しています。1975年にニューヨークに移り、1977年にフィルメニッヒの調香師になり、1981年にカルティエのために「Must」を調香したことからキャリアが始まります。1988年にマスター調香師(パフューマー)になりました。

全ての私の香りにはムスクが使用されています。なぜならムスクこそが、香りにとって<独創性>と<現代性>のキーになるものなのです。さらに私は沈香(ウード)も愛しています。

アルベルト・モリヤス

1997年より、ジュネーヴにてミゼンジールというキャンドルとフレグランスの自身のラインを経営しています。このキャンドルは、パリのコレットとニューヨークのバーグドルフ・グッドマンでしか手に入らないこともあり、常に品薄な状態になっています。2003年にフランソワ・コティ賞を受賞し、2013年にアメリカ・フレグランス協会からFiFi功労賞を授与されます。1981年から約300ものフレグランスをクリエイトしており、あらゆる調香師の中でも最多を誇り、今もなお現役です。


「私は不完全なものを愛する」


私は完璧なものに惹きつけられない。なぜなら完璧なものは退屈にすぎない。大きな成功は、香りが不完全なときにやってきます。まさにティエリー・ミュグレーエンジェルがその最良の例です。エンジェルは、とても少女趣味な香りです。そして、シャネルNo.5は時代遅れな香りとも言えます。しかし、これらは、そういった欠点があるからこそ、素晴らしいフレグランスとも言えるのです。

アルベルト・モリヤス

アルベルトが、少年時代から愛していた香りは、冬のオレンジ・ブロッサム、夏のジャスミンとレッド・カーネーションのブレンドした香りでした。お気に入りのノートは、フローラルとアンバーとベンゾインと言います。アルベルトは、「未完の美」が時には完成度の高い緻密なものを遥かに超える力を秘めていることを、他のどの調香師よりもよく知っています。彼の芸術的才能の素晴らしいところは、精緻さと荒削りな部分を巧みに使いわけられることなのです。

私は、群青な海や燦燦と照る太陽など地中海を想起させる香りが大好きです。シトラス、シー・ノーツ、ジャスミン、チュベローズ、ネロリ、オレンジ・ブロッサムの香りが好きです。そして、私は多くの時間をジュネーヴの自宅の庭園で過ごします。ちなみに一番嫌いな香りはオニオンです。

アルベルト・モリヤス

仕事を断っているのか?という程に、ある意味節操なく、どのブランドの香りも作っていく男アルベルト・モリヤス。そんな彼の香りをなぞっていけば、あなたも自然にフレグランスが、自分自身の個性を最大限に演出するファッション・アイテムであることを理解できることでしょう。


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