アルベルト・モリヤス

プレジャーズ (アルベルト・モリヤス/アニー・ブザンティアン)

    香水名:プレジャーズ Pleasures オード・パルファム
    ブランド:エスティ・ローダー
    調香師:アルベルト・モリヤス、アニー・ブザンティアン
    発表年:1995年
    対象性別:女性
    価格:15ml/4,800円、50ml/9,500円
    公式HP:エスティーローダー

    エリザベス・ハーレイ、1995年。







    ヒラリー・ローダ、2010年。

    コンスタンス・ヤブロンスキー、2011年。

    コンスタンス・ヤブロンスキー、2012年。



    エリザベス・ハーレイ、1996年


    エリザベス・ハーレイ


    グウィネス・パルトロー


    コンスタンス・ヤブロンスキー


    キャロリン・マーフィー

    ★★★★★ 雪のようなフローラル

    プレジャーズ(1995)を振り返ってみると、香水製造の歴史に功績を残しているのがわかる。ファインフレグランス「バスティーユ」の猛烈さや、つつましい石鹸がようやく古くさい体制を打ち壊し、空になった宮殿の所有権を得たときなどだ、

    シャネルN°22」「ホワイト・リネン」といった革命をもたらした先駆けの作品は、どうすれば顧客の満足度を満たすことができるか、その苦心を示すいい例だ。

    アルデヒドの数々はこれまで常にパワフルで安っぽく、またフローラル・ベースでもあり、「ジョイ」「シャネルNo5」の低価格バージョンの開発に活用されてきた。これをうまく利用しているのが、ラックスキャメイのような高級石鹸の広告だ。そこでは、しとやかなブロンドの女性たちが浴槽に横たわり、息苦しいほどの炎と見紛うような真っ白な泡に首まで漬かって異様なシーンを見せ付けた。

    石鹸製造業者は固形石鹸同様、香りづけしたファインフレグランス(私の予想では、ダブ・オードパルファムはよく売れると思うが)を作る勇気がずっとなかったため、そこでファインフレグランス製造業者が庶民の楽しみをこしらえるしかなかった。ところが、ちゃんとした香水をつくるときの手の込んだ方法ではお手上げだった。なにしろローズは上等すぎたし(ホワイト・リネン)、ムスクは甘すぎた(シャネルN°22)。

    90年代初めには2つのできごとがおこった。ひとつめは、ファインフレグランス処方の容赦のないそぎ落としによって、実用的なフレグランスとの隔たりを危険なまでに縮めた。社会不安ならぬ、等級不安を生み出した。2つ目は、偉大なる香料会社フィルメニッヒが、ムスク(ムセノン、ハビノリド)を作り出し、これが思いがけないことにアルデヒドの石鹸のような、または雪のような輝きを思い起こさせる香りを含んでいた。

    気がつくとあらぬ方向へ変化することもなく、香水の香りが石鹸の香りよりも、より長い時間保たれるようになった。エスティ・ローダーのカレン・クーリー、そして、フィルメニッヒのアルベルト・モリヤスアニー・ブザンティアンは、この瞬間をとらえたのである。それがプレジャーズだ。

    この香水は、80年代の派手な香水にうんざりした女性たちの心をつかんだ。女性たちは単純に清潔な香りを漂わせたかったのだ、それもつかの間ではなく、まる一日、塵ひとつついていないことを世間に知らしめたかった。飾り立てることはないというのがメッセージで、快活な白い輝きを強調した。ところが残念なことに洗い落とした後のプレジャーズの飾り気のなさは、今もなお店頭に並ぶ個性のない作品の数々を生み出した。しかし、よりつまらないまがい物が数多く生まれているからといって、先駆けとなった作品を責めることなど、誰に出来よう。― ルカ・トゥリン

    『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

    トップノート:チュベローズ、ピンク・ペッパー、バイオレット、フリージア、レッド・ベリーズ、グリーン・ノーツ、バイオレット・リーブス
    ミドルノート:ホワイト・ピオニー、リリー、ベイローズ、ブラック・ライラック、スズラン、ジャスミン、ピンク・ローズ、ゼラニウム、カロカロンデ
    ラストノート:サンダルウッド、ムスク、パチョリ、シダー

    一言で言うと、女子力を上げてくれる1995年~2005年にかけての定番のフレグランスでした。そして、今ではこの香りもクラシックの部類に入り、地球は一回転し、あらゆる年代の女性及び男性にとってこの香りを身につけていることは、究極にクールでハイセンスに感じられる香りのひとつとなりました。

    「春の雨に洗われたばかりの花々のように、フレッシュで清らかな透明感を演出する、フローラルの香り。」(公式ホームページより)。マグノリアの葉のエッセンシャル・オイルが初めて使用された香水です。更には、現在において、ハイセンスなフレグランスに、よく使用されるようになったピンク・ペッパーを初めて使用したフレグランスです。

    2019年現在においても、あらゆる女性に、あらゆる季節に、あらゆる瞬間にフィットする香り。品の良さ、清潔感、清々しさを感じさせる香り。1990年代の「オフィスウーマンに最も相応しい」とまで言われました。

    あらゆる化粧品の香りから良い部分をチョイスしたようなその香りは、全ての香料を圧搾法ではなく、二酸化炭素抽出法で抽出しており、フィルメニッヒ社の調香師アルベルト・モリヤスアニー・ブザンティアンによる調香です。ボトル・デザインは「香水瓶とは香りの住む家である」の名言でも有名なデザイナー、ピエール・ ディナンによります。1977年に手がけたイヴ・サンローランの「オピウム」のボトル・デザインは特に有名です。

    エリザベス・ハーレイグウィネス・パルトローヒラリー・ローダキャロリン・マーフィーを起用した広告キャンペーンも話題になりました。




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