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【フェンディ】フュリオサ(フランソワ・ドゥマシー/パティ・イダルゴ)

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フュリオサ

原名:Furiosa
種類:オード・パルファム
ブランド:フェンディ
調香師:フランソワ・ドゥマシーパティ・イダルゴ
発表年:2014年
対象性別:女性
価格:日本未発売

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日本には上陸しなかった、フェンディ帝国最後の香り

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フレグランスの展開においてぱっとしなかったフェンディは、2005年にグッチグループのYSLボーテとのライセンス契約が終了した後、今まで発売していたすべての香りを廃盤にしました。そして、クリエイティブ・デザイナーのシルヴィア・フェンディの陣頭指揮の下、2007年に「パラッツォ」をローンチしました。

調香界のオールスターを集めて生み出したとも言える、アニック・メナードティエリー・ワッサーフランソワ・ドゥマシーを召喚し調香されたこの香りは、残念ながらほとんど売れず、2009年に販売終了しました。

一方でシルヴィア・フェンディは、2008年9月の2009年春夏ミラノ・コレクションにおいて新たなるシグネチャー・バッグ〝ピーカブー〟を発表し、2009年にブティック販売を開始し、一大旋風を巻き起こしました。

そんな勢いの中、再びシグネチャー・フレグランスを生み出すべく2010年9月に発売されたのが「ファン ディ フェンディでした。フランソワ・ドゥマシーとデルフィン・ルボーにより調香されました。

大ヒットにはならなかったのですが、いくつかのフランカーを出していく中、2013年9月(日本は10月25日)に、最後の挑戦として「アクアロッサ」を発売しました。〝アクアロッサ〟とは、イタリア語で〝情熱の赤い水=媚薬〟の意味です。

日本でのフェンディ帝国のフレグランスに対する挑戦はこの香りで終焉を迎えたのですが、実は、日本には上陸しなかった「フュリオサ」という香りが、真のフェンディ帝国の最後のフレグランスでした。シルヴィアが最後に起死回生を願い生み出したこの香りは、2014年9月に発売され、見事に撃沈しました。

〝フュリオサ〟とはイタリア語で〝怒り狂った、短気な〟という意味です。このフレグランスのスローガンは〝メゾンの象徴的な毛皮の自然なエレガンスへの賛歌〟〝野性の女性らしさの真髄〟です。オリエンタル・フローラル系の香りはフランソワ・ドゥマシーとパティ・イダルゴにより調香されました。

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亀の甲羅のようなボトルデザインが印象的な香り

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カシア・スムトゥニアク

太陽の光に愛される女ではなく、シャンデリアの華やかな光をシャワーのように浴びる、毛皮を着た貴婦人をテーマにしたこの香りは、その手に持つエキゾチックレザーのピーカブーと一体化し、しなやかな獣のような美女を生み出してゆきます。

シャンデリアの下で封印が解かれたシャンパンが弾けだすような、明るく華やかなベルガモットとピンクペッパーのストロベリーのような甘酸っぱさが解き放たれるようにしてこの香りははじまります。

すぐにベルガモットが退出し、ピンクペッパーの清らかなスパイシーさに導かれ、毛皮を着た淑女が、毛皮の間から、肉感的な脚を露わにして現れるのです。甘くも艶やかなジャスミンとガーデニアのうっとりするようなフローラルブーケが素肌の上で花開くのです。

やがて、冷たいインセンスとガイアックウッドと、温かなアンバーのコントラストが、フローラルブーケに官能のよろめきと疼きを与えるように、すべてをひとまとめに包み込んでゆきます。

亀の甲羅のようでもあり、コガネムシのようでもあり、蝶のようでもある、想像上の野生動物の皮を思わせる金色のモザイク模様のボトルデザインはジュエリー・デザイナーのデルフィナ・ デレトレズ(1987-)によるものです。彼女はフェンディ4代目であり、シルヴィア・フェンディの娘です。

キャンペーン・モデルは、スーパーモデルで『パリより愛をこめて』(2010)にも出演しているカシア・スムトゥニアク(1979-)です。

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香水データ

香水名:フュリオサ
原名:Furiosa
種類:オード・パルファム
ブランド:フェンディ
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2014年
対象性別:女性
価格:日本未発売


トップノート:カラブリアン・ベルガモット、ピンクペッパー
ミドルノート:ニオイアラセイトウ、ジャスミン、ガーデニア
ラストノート:アンバー、インセンス、ガイアックウッド