シルヴァーナ・マンガーノ

シルヴァーナ・マンガーノ1 『ベニスに死す』4(4ページ)

    作品名:ベニスに死す Death in Venice (1971)
    監督:ルキノ・ヴィスコンティ
    衣装:ピエロ・トージ
    出演者:ダーク・ボガード/ビョルン・アンドレセン/シルヴァーナ・マンガーノ/マリサ・ベレンソン



    芸術家とは、「手を抜けない人」のことを言う

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    嗚呼・・・シルヴァーナ・マンガーノ様。貴方様のご子息がタジオなら納得です。

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    表情の全てに意味を見出せる本当の女優。

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    ナチュラルではなく、人工的な美をフル装備する貴婦人の哀愁。

    ルキノ・ヴィスコンティ様にとって、ビョルン・アンドレセン(1955-)というアンドロギュヌスに夢中になる、老いた芸術家アッシェンバッハの物語に説得力を生むにあたり、ビョルン君扮するタジオ(というかもはやビョルン君とタジオは私の中では完全に同化しています)の母親は重要なキャスティングだったと思います。これほどの美少年をヴィスコンティ様が、全身全霊を傾けてあんなこともこんなことも沢山教え込めるという創造の喜びに専念するためにもそれは最優先事項でした。

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    ヴィスコンティの母カルラ・エルバ。1911年。

    さて、タジオが生誕する説得力を生む美貌と貴族的雰囲気を兼ね備えた女優さんをどう選ぶか、ヴィスコンティ様は、この貴婦人役のイメージを完全に自分自身の母親に設定しました。「私の母の記憶を映像に完全に再現することにした」のでした。



    乳母への目くばせが貴婦人の証なのです

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    生まれて一度も、素手で土を触ったことのなさそうな雰囲気。

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    元々はグラマー女優として売り出されていました。

    イタリア語で子爵とはヴィスコンテで、ヴィスコンティはその複数形であり、13世紀にそれが家名になりました。公爵の息子として生まれ、母カルラは、ミラノ社交界随一の美女であり、類稀なる知性の持ち主でした。そんな母親のイメージを忠実に再現することが出来る唯一無二の女優とヴィスコンティ様が考えたのが、シルヴァーナ・マンガーノ様(1930-1989)でした。夫は、大物中の大物映画プロデューサー・ディノ・デ・ラウレンティスであり、本当に自分が演じたい役柄にだけ出演することにしている彼女は、「伯爵のためなら」と喜んで特別出演してくれました(一説によると特別出演とクレジットしている理由はギャラなしで友情出演してくれたためとも)。

    タジオという美少年は常に、母親を中心にして家族単位で行動します。母親の動きに合わせて皆が動くのですが、だからと言って、母親は、力強い存在ではなく、寧ろ、意思を持たぬ幽玄とも言える存在感を漂わせています。3姉妹も極めて生命力に欠けており、家族と共にいる時は、タジオも同じように虚無感に包まれています。若さを持たぬ=貴族性なのですが、そんなタジオが、ときどき顔を赤らめて若さに満ち溢れる表情をするのです。それがタジオの中の女性を引き出しました。

    まさにこの母親にしてこの子息なのです。アッシェンバッハが、タジオのために喜んで死んだように、この母親から頂く一言のためなら、ほとんどの男は命までも差し出せるような魔性をシルヴァーナ様はほとんど無言のうちに生み出したのです。

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    • ドレープの効いたピンクサテンのイブニングドレス。胸元に白のビーズが散りばめられたレース刺繍。腕周りが絶妙にタイトな長袖。ロングなので、右手を腰辺りに添え、スカートを上げて優雅に歩く
    • パールネックレスとパールイヤリング(一部はシルヴァーノ様の私物)
    • クラッチバッグ




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