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カイエデモード香水図鑑ご支援への感謝|2025年7月1日更新

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【ゲラン】ラール エ ラ マティエールの全て

ゲラン
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ゲラン
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ラールエラマティエール

L’Art et la Matière 2002年にゲランの4代目調香師ジャン=ポール・ゲランが退任した後(以後、コンサルタントとして香りを不定期に調香)、ゲランにおいて、クリエイティブ・ディレクター制度が敷かれることになりました。そして、就任したのが、1984年以降、ゲラン一筋で働いてきたシルヴェーヌ・ ドゥラクルトでした(メイクアップ&スキンケア・トレーナーとしてそのキャリアをスタートした)。

1992年からISIPCA(イジプカ)で2年間学び、マチルド・ローランと共にジャン=ポール・ゲランの下で学んだ彼女は、ディレクター就任のための最終試験として、「ランスタン ド ゲラン」(2003年)を見事に完成させました。

そして、その後、パリ・シャンゼリゼ通り68番地のゲラン本店のリニューアルオープンを記念して発売されることになる「ラール エ ラ マティエール(芸術と貴重なる生の素材)」コレクションに取り掛かることになるのでした。

そして、2005年から発売されていた「ラール エ ラ マティエール」は、2021年9月1日にリニューアルされることになりました。

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シルヴェーヌ・ ドゥラクルトのゲラン革命

シルヴェーヌ・ ドゥラクルトと五代目専属調香師ティエリー・ワッサー ©GUERLAIN

このコレクションのために、シルヴェーヌは、今までゲランと全く接点のなかった3人の調香師を選抜しました。フランシス・クルジャンダニエラ・アンドリエオリヴィエ・ポルジュの3人です。そして、〝世界で最も貴重な原料を使ってゲランのパッションを表現して欲しい〟というコンセプトの下、3種類の香りが2005年に生み出されました。

かくしてゲランの香水において20~30%の売り上げを占めると言われるこの最高級コレクション「ラール エ ラ マティエール」は、誕生しました。

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シルヴェーヌ・ ドゥラクルトの15年間のクリエイティブ・ディレクターとしての仕事を象徴する数々の傑作が生み出され、今に至ります。

2005年のコレクション・スタート以降、翌年には、アニック・メナードも調香を担当し、2007年以降は、ティエリー・ワッサーがメイン調香師としてコレクションは継続中です。

ルカ・トゥリンが、「セルジュ・ルタンスのボトルとそっくり」と揶揄した、側面にゴールデンプレートのラベルがあしらわれている長方形のボトルは、並べると綺麗に装丁された本のように美しく優雅です。

合皮製のアメジスト色のボックスも、ジュエリーボックスとしても使用できる豪華なつくりです。

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2021年にリニューアルされた「ラール エ ラ マティエール」

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2021年9月1日にリニューアルされた「ラール エ ラ マティエール」コレクションは16種類のプレステージ・フレグランスから成ります。内訳は以下のとおりです。

  1. 「ラール エ ラ マティエール」の16種類の香りは一律 100ml 46,200円、200ml 66,000円
  2. 「ローズ シェリー」「サンタル パオロッサ」の新作と既存の11種(さらに11月3日には「ウイエ プールプル」が発売予定。官能的なカーネーションの香り)
  3. エピス ヴォレ」=「アルセーヌ ルパン ル ヴォワイユ」
  4. フレンチー ラヴァンド」=「ル フレンチー」
  5. エルブ トゥルブラント」=「アン ディマンシュ ア ラ カンパーニュ」
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2022年より、〝ウード三連星〟が追加されました

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ゲランのウードの歴史は、西欧社会に向けてはじめて生み出され、壮絶なる討ち死にを遂げた、幻のウード「M7」(イヴ・サンローラン、2002年)の10年後に発売された「ローズ ナクレ デュ デゼール」「ソンジュ ダン ボワ デテ」からはじまりました。

そして、2014年に本格的な中東の市場に向けた高級ライン『レ アブソリュ ドリエント』を発表し、同ラインから、2014年に「サンタル ロイヤル」(ソフト・ヴァージョン)、2017年に「ウード エッセンシャル」(究極ヴァージョン)が生み出されたのでした。すべてはティエリー・ワッサーにより調香されました。

時は流れ、2021年に久しぶりのウードの香りが「ラール エ ラ マティエール」から誕生しました。「サンタル パオロッサ」です。この香りはデルフィーヌ・ジェルクにより調香されました。そして、2022年に3つのウードの香りが満を持して発売されることになったのでした。

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天使も悪魔も魅了するゲラン帝国のボトル

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1870年の四角いボトル「フラコン カレ」©GUERLAIN


たとえ100年たっても決して色あせないものがあることを証明し続ける偉大なる帝国ゲランに相応しいネオボトルがここに誕生しました。

新しい「ラール エ ラ マティエール」のボトル・デザインは、1889年に発売された「ジッキー」のオリジナル・ボトル(正確には1870年のフラコン カレ)の八角形のデザインをモダンかつ進化させたものです。ボトルは、フランスの工房 Pochet du Courval (ポシェ社)により作成されました。

見るものを石に変えてしまうメドゥーサの首を、アテーナーが自身の盾に装着し最強の盾を生み出したように、見るものを官能の世界に導いてくれるゲランの黄金の蜂は、ボトルの側面に装着され、ここに最強のゲラン・ボトルが生み出されることになるのでした。

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そして、今回からボトル・デザインをパーソナライゼーション出来るようになっており、ボトルへの刻印をはじめ、キャッププレートのデザイン、ネックのコードとシールの色までカスタマイズできます(キャッププレートは、8種類から無償で交換できる)。

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8種類のミニコフレと、念願の50mLボトル販売開始!

ミニチュア コレクション ©GUERLAIN

2024年4月現在、「ラール エ ラ マティエール」の8つのフレグランスのミニチュアコレクションが二種類発売されています。スプレー式ではないですが、とてもお買い得なミニコフレです。

パフューマーセット2023
49,500円 公式サイト:ゲラン

パフューマーズ セット2024
49,500円 公式サイト:ゲラン

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更に2022年4月20日より、念願の50mLサイズボトル(31,900円)も人気の香り8種類で発売されています。

種類:ネロリ ウートルノワ/ ローズ バルバル / クルーエル ガーデニア / ジョワイユーズ チュベローズ / ローズ シェリー / ムスク ウートル ブラン / サンタル パオロッサ / アンジェリーク ノワール

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年代順で見る「ラール エ ラ マティエール」 2005年~2016年

2005年


アンジェリーク ノワール(ダニエラ・アンドリエ)

キュイル ベルーガ(オリヴィエ・ポルジュ)

ローズ バルバル(フランシス・クルジャン)

2006年


ボワ ダルメニ(アニック・メナード)

2007年


アイリス ガナッシュ(ティエリー・ワッサー)

ドゥーブル ヴァニーユ(ジャンーポール・ゲラン)

2008年


クルーエル ガーデニア(ランダ・ハンマーミ)

2010年


トンカ アンペリアル(ティエリー・ワッサー)

2012年


ミール エ デリール(ティエリー・ワッサー)

2016年


ネロリ ウートルノワ(ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク)

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年代順で見る「ラール エ ラ マティエール」 2017年~2021年

2017年


ジョワイユーズ チュベローズ(ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク)

2019年


アンブラン ディラン(ティエリー・ワッサー)

2020年


イリス トレフィエ(デルフィーヌ・ジェルク)

2021年


ウイエ プールプル(ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク)

エピス ヴォレ(ジャン=ポール・ゲラン)

エルブ トゥルブラント(ティエリー・ワッサー)

サンタル パオロッサ(デルフィーヌ・ジェルク)

フレンチー ラヴァンド(ティエリー・ワッサー)

ローズ シェリー(デルフィーヌ・ジェルク)

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年代順で見る「ラール エ ラ マティエール」 2022年~2025年

2022年


ウード コール(ティエリー・ワッサー)

ウード ヌード(デルフィーヌ・ジェルク)

チェリー ウード(デルフィーヌ・ジェルク)

ムスク ウートル ブラン(デルフィーヌ・ジェルク)

2023年


ジャスミン ボヌール(デルフィーヌ・ジェルク)

タバコ ハニー(デルフィーヌ・ジェルク)

フェーヴ グルマン(クリスティーヌ・ナジェル、オーレリアン・ギシャール)

2024年


ネロリ プラン シュッド(デルフィーヌ・ジェルク)

パチュリ パリ(デルフィーヌ・ジェルク)

2025年


ペッシュ ミラージュ(デルフィーヌ・ジェルク)