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【ゲラン】ラ プティット ローブ ノワール シリーズの全て

ゲラン
©GUERLAIN
ゲランティエリー ワッサーデルフィーヌ・ジェルクブランド調香師香りの美学
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ラ プティット ローブ ノワール

La Petite Robe Noire 世紀末に誕生した「アクア アレゴリア」シリーズの成功により、ゲラン帝国はフレグランスを普段使う習慣のない人々に対しても、ゲランというブランドをアピールすることに成功しました。そして、その勢いに乗り、ゲランに最も縁のない客層を掴もうと考えたのでした。

その客層とは、「20代の女性」。

特に、まだまだフレグランスIQは高くないが、美に対する流行には敏感な層。つまり、シャネルチャンス(2003年~)や、ディオールミス ディオール(2005年~)を愛用している層をターゲットにするということでした。

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ゲラン帝国のための「チャンス」!

2009年に発売された元祖「ラ プティット ローブ ノワール」©GUERLAIN

アンヌ=カロリーヌ・プラザンとデルフィーヌ・ジェルク ©GUERLAIN

21世紀に入り、フレグランス帝国ゲランのクリエイティブ・ディレクターをつとめるようになったシルヴェーヌ・ドゥラクルトは、ゲランにとっての「チャンス」、そして、「ミス ディオール」を生み出すためにこの香りをプロデュースしました。

元々このプロジェクトは、ゲランのフレグランス・マーケティング・ディレクター(2000年-2020年)であるアンヌ=カロリーヌ・プラザンの提案によるものでした。

それは、2007年にローラン・ボワロがゲランのCEOに就任したとき、ゲランをもう一回り拡大させるような10件の野心的なプロジェクトを策定したうちのひとつでした。それは「若い顧客層の新規獲得」を目的としたものでした。

当初、このプロジェクトに五代目調香師ティエリー・ワッサーは「空っぽなアイデアだと思いました」と懐疑的でした。

しかし、すぐに「180年間フレグランスと美容だけを追及してきたブランドが、ファッション・ブランドでもあり、私たちのライバルでもある「シャネル」のアイコン=リトルブラックドレスを奪ってみるのも楽しいかなと考え直したのです」と情熱を傾けるようになるのでした。

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ゲラン帝国のための「チャンス」!

2011年に発売された「ラ プティット ローブ ノワール2」©GUERLAIN

ゲランに「ココ マドモアゼル」や「ミス ディオール」に相当するものがあってもいいのでは、と以前から思っていました。キルスティン・ダンストの映画『マリー・アントワネット』(2006)の中でコンバースを履いてペイストリーを食べているのを見て、私はシルヴェーヌに、ラズベリー、チェリーのマカロンとローズ、それにスモークティーとリコリスでロックな感じを出すこのノートを提案したのです。

そして、2年間このアイデアに取り組み2009年に完成したのでした。

デルフィーヌ・ジェルク

デルフィーヌ・ジェルクにより調香されたその香りは、2009年のバレンタインデーに「ラ プティット ローブ ノワール」の名でパリの店舗のみで限定発売されました。その名のフランス語の意味は、リトル・ブラック・ドレスです。

さらに、2年後の2011年のバレンタインデーには、ティエリー・ワッサーの調香により「ラ プティット ローブ ノワール2」(2014年に「マドモワゼル ゲラン」として復刻)が限定発売されました。

この2作品の好セールスが背景となり、2012年に発売されたのが「ラ プティット ローブ ノワール オーデパルファン」でした。それは半年かけて300回の試香の末に生み出されたものでした。

私にとって良いパフュームとは、リズムを持っており、コントラストも持ち、動いている香りです。

ティエリー・ワッサー(この香りの最大の魅力は〝躍動する若さ〟)

アンヌ=カロリーヌは、マーケティング戦略において非常に斬新な戦略を取りました。それは従来のように有名人を商品のミューズとして使うのではなく、パリのあちこちを舞台とする洗練されたシルエットを使用し、香りの背景にある、自由気ままで、ときに少しだけ高飛車な、究極のパリジェンヌの姿を示したのでした。

それが、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のタイトルシークエンスなどを手がけたオリヴィエ・クンゼルフローランス・デガによる、とんでもなく素敵なキャンペーン・アニメーションでした。

ナンシー・シナトラの「にくい貴方 (These Boots are Made For Walkin’)」の選曲チョイスも抜群のセンスの良さでした(広告代理店を使わず自社ですべて行った)。

そして、この香りは、フランスの女性用フレグランス史上、新発売に最も成功した商品となりました。発売開始わずか3カ月で100万個を売り上げ、2012年末には、フランスの女性向けフレグランスの売上第2位にランクされたのでした(シリーズ全作のイメージは以降統一されていく)。

ボトル・デザインは、ゲランを象徴する「ルール ブルー」や「ミツコ」の逆さハートのボトル・デザインをモダンにアレンジしたものです。

この第一弾の爆発的ヒットにより、ゲランは念願の「20代の女性」に対する人気フレグランス・シリーズを生み出すことになり、「大人すぎるゲラン」というイメージからの脱却を見事に果たしたのでした。

以後、現在に至るまで、コンスタントに新作をリリースしています。全ての作品は、ゲランの専属調香師ティエリー・ワッサーによるものです。

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ラ プティット ローブ ノワール全10作品

2012年


ラ プティット ローブ ノワール オーデパルファン
ゲランの真髄を感じることが出来る奥行きのあるブラックチェリーとブラックローズの香り

ラ プティット ローブ ノワール オーデトワレ
日本で最も人気のある香り。奥行きのない甘ったるいベリー系

ラ プティット ローブ ノワール レクストレ(香水)
香水にこそ、ゲランの真髄はあります

2014年


ラ プティット ローブ ノワール クチュール
ラズベリーとローズによるフルーティ・フローラルに官能的な側面を与えてくれるシプレ

2015年


ラ プティット ローブ ノワール オーフレッシュ
フローラルブーケに包まれたフレッシュ・グリーンの香り

2016年


ラ プティット ローブ ノワール インテンス
もっとも甘いコットンキャンディの〝悪魔のようなあなた〟の香り

2017年


ラ プティット ローブ ノワール ブラックパーフェクト
総レザーのコスチュームに身を固めたワンダーウーマンを連想させるロックンロール・ローズの香り

2018年


ラ プティット ローブ ノワール ブラックパーフェクト フローラル
ロックンロール・ローズの香りのEDT版。より軽やかなポップスター・ローズの香り

ラ プティット ローブ ノワール レジェール
当初の20代向けのコンセプトから、30~40代の女性も使用できるように再調整された爽やかなスモーキーチェリーローズの香り

2019年


ラ プティット ローブ ノワール プリッセ
番外編のような香り。明るく軽快なローズとアプリコットの香り

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