究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

【ブルガリ】ブルガリ プールオム(ジャック・キャヴァリエ)

ジャック・キャヴァリエ
©BVLGARI
ジャック・キャヴァリエブランドブルガリ調香師香りの美学
この記事は約9分で読めます。

ブルガリ プールオム

原名:Bvlgari Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:ブルガリ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:1995年
対象性別:男性
価格:30ml/7,920円、50ml/9,790円、100ml/13,310円
販売代理店ホームページ:西武・そごうeデパート

ブルガリ プール オム オードトワレ 1.5mL ★ ブランド 香水 お試し アトマイザー ミニ サンプル

価格:790円
(2021/11/27 17:36時点)
感想(16件)

ブルガリ BVLGARI ブルガリ プールオム 30ml EDT SP fs 【香水 メンズ】【あす楽】

価格:3,938円
(2021/11/27 17:38時点)
感想(214件)

スポンサーリンク

世界中の男たちを〝香りに目覚めさせた〟香り

香りのイメージは、この男性モデルのニヤケ面そのもの。©BVLGARI

現在ルイ・ヴィトンの専属調香師をつとめるジャック・キャヴァリエの一般向けの香りの最高傑作にして、メンズ・フレグランスの歴史的傑作。そして、さらに言うと、ブルガリ最初のメンズ・フレグランスであり、ブルガリ香水の代表作のひとつ。

1990年代末(すなわち世紀末)に日本中の中高生に対して、香水に興味を持たせるきっかけを作ったフレグランス。この世代こそが、第一次フレグランス世代と呼ばれる世代であり、彼らの成長により、メゾンフレグランスが日本においても受け入れられるようになったのです。

さらに、オシャレに対して決して鈍感ではないが、「身に纏う香り」に対しては何から手を出していいか分からなかった、(だからとにかく親父臭い国産コロンに手を出していた)中高年の男性に対して、香りの敷居を下げてくれたフレグランス。「みんなつけてるから私もつけてます」と照れ隠しに部下に言うことが出来たステルス兵器。

さらにさらに、史上最強にダサくて、ファッションIQが低くてもそれを絶妙にフォローしてくれる救世主であり頼れる相棒。

つまりは〝香水が苦手な人でも使える〟代表的な香りと言えます。もしかしたら、そのような香りを生み出す先駆的存在だったからこそ、ジャック・キャヴァリエはルイ・ヴィトンの専属調香師になり得たのかもしれません。

90年代の男の香りのトレンドを作った香水

©BVLGARI

香りそのものはシンプルでありながら、魅力は多面的。一言で説明すると、品のあるシトラスに、ダージリンティーが注ぎ込まれ、フワッとした甘さと苦味に包まれる、吸い込まれるような香り。

ドラえもんの四次元ポケットから取り出されたかのような場所を問わず、年齢を問わず、性別を問わない、万能型ユニセックス・フレグランス。余分な装飾を排除した、高級感漂う(ここが重要)シャープなボトルデザインも人気の秘密。

この香りがとても恐ろしいのは、「ロー ドゥ イッセイ」(1992)により、ジャック・キャヴァリエがメンズ・フレグランスの一大トレンドを生み出したマリンノートとは全く違うベクトルで、同じメンズ・フレグランスのトレンド(理髪店からどんどん離れていく香り)を創造したところにあります。

そして、ここに90年代のメンズ・フレグランスは〝柔らかく、フレッシュで、心地よい〟という三拍子が揃うことが絶対条件になったのでした。

スポンサーリンク

世界初のダージリンティーの香り


1993年に「オ パフメ オーテヴェール」、1994年に「ブルガリ プールファム」 で、史上はじめてのグリーンティーとジャスミンティーの香りを生み出したブルガリが、三年連続史上はじめてのティー・フレグランスを生み出すことになりました。今回は、ダージリンティーです。

オーデコロンのようではない非常に落ち着いたベルガモットとマンダリンオレンジの香りからこの香りははじまります。オレンジブロッサム、ラベンダー、ナツメグフラワーがアルデハイドにより、ソーピィーなクリーミーさを漂わせる中、ダージリンティーが注ぎ込まれ、ゆっくりと優しくかき混ぜられてゆきます。

あらゆる調香師の中でも柑橘の研究に特に熱心なキャヴァリエによる繊細な輝きを思わせるシトラスの独特な魅力。どうやらベースのベチバーがこの香りにおいてフレッシュかつアーシィーな背景を演出しているようです。

すぐに、カルダモン、ペッパー、コリアンダーといったスパイスが、紅茶のシャンパンと言われるダージリンティーに味付けしていく中で、この香りの縁の下の力持ちとも言えるローズウッド、シダーウッド、ガイアックウッドが全体に円やかさを与えてゆきます。

そして、この円やかさの中に、第二陣の花々(シクラメン、ゼラニウム、カーネーション、アイリス)が優しく花を咲かせるのです。

すべてのバランスが絶妙であるため、清涼感・清潔感・キビキビとした賢さを、この香りを身に纏う人の背後に、やすやすと生み出してくれます。天才のなせる技の恐ろしさは、誰でも生み出せそうな香りを作り出せるところにあるのです。

そして、オークモスがグリーンの余韻を与えながら、シダーとペッパーが突出するドライダウンへと導いてくれるのです。アンバーとトンカビーンが、プールオムの特筆すべきムスクのスペシャル・ブレンドに包まれながら、ふいに顔を出したダージリンティーを最後のアクセントにして不滅の爽やかな煌きとクリーンな苦味を伝えてくれるのです。

スポンサーリンク

空前の〝合成ムスク・ブーム〟を生み出した香り

©BVLGARI

世界的には、ブルガリ・フレグランスに「洗練」をもたらしたと言われるこの香りが〝香水の歴史〟に与えた影響は、「ブルガリ プールオム」の発売前と後で〝ムスク〟の概念を変えてしまったところにあります。

天然のムスク(ジャコウ)は、3歳を越える雄のジャコウジカのへそと生殖器の間にある麝香嚢という分泌腺を、体から取り出し、分泌液を乾燥させ、エチルアルコールで抽出した〝甘く粉っぽい〟香りのするものです。

しかし、1979年以後、ワシントン条約でジャコウジカの捕獲が禁止され、天然のムスクの使用が難しくなり、代わりにキャヴァリエの手によって作り出されたのがこの香りの中に使用されているフィルメニッヒ社製の〝新生ムスク〟なのでした。

「香水」と言えば、シャネルの〝No.5〟ではなくこれを思い浮かべる人が増えたという点において、香水の民主化を成し遂げたフレグランスでした。

そのブランドの香りを身につけることが、ジュエリーを身につける概念に匹敵するということを人々に覚醒させた点において、かなり画期的な作品です。

しかし、一部の日本中の若者たちにとって、ブルガリとは、イタリアの福寿園(またはミスター・ドン・キホーテ)のようなものだという誤解を与える弊害も生み出してしまった香りとも言えます。

ボトル・デザインは、ティエリー・ドゥ・バシュマコフによるデザインです。

スポンサーリンク

ルイ・ヴィトンの香りに感じる「プールオム」の影


ジャック・キャヴァリエがフルメニッヒ社の調香師だった頃と、ルイ・ヴィトンの専属調香師としての今とでは、フレグランスを創造する環境はまったく違って来ています。ルイ・ヴィトンは、キャヴァリエに、費用を含め、一切の制約を設けず、ただ〝ルイ・ヴィトンにとってあなたが想う最高の香り、最高の作品を創ってください〟と依頼しているのです。それはエルメスにおけるジャン=クロード・エレナ及びクリスティーヌ・ナジェルの関係にとても似ています。

これはフレグランスに限った事ではなく、ルイ・ヴィトンは他のカテゴリーも同様に〝作り手の感性に任せて自由に作ってもらう〝ことを尊重しているブランドです。

たとえば、ルイ・ヴィトンは、自社ブランドの時計製造のために、聖地スイス・ジュネーヴにある「ラ・ファブリック・デュ・タン」(2007年創立)という工房を2011年に買収し、2014年に巨大な新工房を建造し、ムーブメントも文字盤のデザインも全て自社で製造しています。

それを手がける時計師は、工房を創立した二人です。過去にはパテックフィリップ、オーデマピゲ、フランクミュラーなど様々な高級ウォッチブランドを手掛けたミッシェル・ナバスエンリコ・バルバシーニです。二人は〝神〟ジェラルド・ジェンタの高弟でした(オーデマピゲの「ロイヤルオーク」、パテックフィリップ「ノーチラス」、カルティエ「パシャ」など)。

彼らは、現在はルイ・ヴィトンの30万円台のクオーツ時計から何千万円もする高級時計まで全てのルイ・ヴィトンの時計を手がけています。2人が高級時計ブランドではなくルイ・ヴィトンに所属する理由は、〝ルイ・ヴィトンは制約がなく、自由な発想で作らせてくれるから時計作りがとっても楽しい!〟ということからなのです。

つまり、ルイ・ヴィトンは、それぞれのカテゴリーにおける〝聖地〟に自社のアトリエを構え、最高の物作りに専念できる環境を提供し、作り手の感性を信じ、すべてを任せているのです。

キャヴァリエもそんな環境の中で、かつて『作りたかったけど作れなかった香り』の夢を最大限に引き出し叶えているのがルイ・ヴィトンのフレグランスなのです。

だからこそ、現在のLVの香りには、「ブルガリ プールオム」を昇華させた香りだと感じさせる部分が、随所に見受けられるのです。

たとえば、柑橘の香りを研究することをライフワークにしているキャヴァリエがそのノウハウを持ってして作られた究極のシトラス「メテオール」。キャヴァリエの代名詞と言える、人を魅了する魔法のようなムスクを突き詰めた「スペル オン ユー」や「コズミック クラウド」。

天然のスリランカ産のブラックティーを使用している「イマジナシオン」などの香りには、明らかに「ブルガリ プールオム」の影を感じるのです。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:ブルガリ プールオム
原名:Bvlgari Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:ブルガリ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:1995年
対象性別:男性
価格:30ml/7,920円、50ml/9,790円、100ml/13,310円
販売代理店ホームページ:西武・そごうeデパート

menzkousui04
トップノート:アルデハイド、ベルガモット、ティー、オレンジフラワー、ラベンダー、ナツメグフラワー、マンダリンオレンジ
ミドルノート:トルコカルダモン、ペッパー、ブラジル産ローズウッド、アイリス、ガイアックウッド、コリアンダー、シクラメン、カーネーション、ゼラニウム
ラストノート:ムスク、クリアアンバー、ベチバー、シダー、オークモス、トンカビーン

ブルガリ BVLGARI ブルガリ プールオム 50ml EDT SP fs 【香水 メンズ】【あす楽】

価格:6,138円
(2021/11/27 17:41時点)
感想(241件)

タイトルとURLをコピーしました