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【戦争と平和】オードリー・ヘプバーンのはじめてのカラー映画

オードリー・ヘプバーン
オードリー・ヘプバーン 女を磨くアイコン 映画女優
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【戦争と平和】

War and Peace 『ローマの休日』(1953)でメジャーデビューし、アカデミー主演女優賞に輝くという快挙を成し遂げたオードリー・ヘプバーン。その次に主演した『麗しのサブリナ』(1954)で、ユベール・ド・ジバンシィのドレスにはじめて袖を通した瞬間に、彼女はパリモードを代表するファッション・アイコンになりました。

そんな彼女が、次に選んだ映画作品が、レフ・トルストイの長編小説『戦争と平和』の映画化でした。それはオードリー初のスペクタクル超大作であり、カラー作品でした。1956年、世界中の人々は、〝永遠のプリンセス〟をカラーで拝謁する光栄に預かるのでした。

オードリー・ヘプバーンの美しさここに極まれり。

1805年7月、ロシアの首都ペテルブルクでは、ヨーロッパ制覇を目指すナポレオンに対抗しようと、オーストリア出征を決定したロシア軍が行進していました。その様子を冷ややかに眺めるフランスから帰国したばかりのピエール(ヘンリー・フォンダ)と、彼を兄のように慕うロストフ伯爵家の令嬢ナターシャ(オードリー・ヘプバーン)。

やがて、ピエールは非嫡出子ながら莫大な遺産を受け継ぎ大地主として美しい妻エレナ(アニタ・エクバーグ)と結婚します。一方、ピエールの親友でボルコンスキィ公爵家のアンドレイ(メル・ファーラー)とナターシャの兄ニコライは、ロシア軍の一員としてナポレオンを戦うためにオーストリア戦線に出征するのでした。しかし、アンドレイは、アウステルリッツの戦いで敗北し、フランス軍の捕虜になりました。

愛のない結婚をしたピエールはすぐにエレナと別れ悲嘆にくれます。そんなピエールを慰めるためにナターシャは彼を田舎への旅行に誘います。そして、そこで二人は、妻を失い世捨て人のような生活を送るアンドレイに再会するのでした。

アンドレイは舞踏会でナターシャに求婚しました。そして、彼が講和使節団としてフランスに派遣される一年の間にお互いの気持ちを確かめるという約束を取り交わしました。

月日は流れました。若い盛りをもてあましていたナターシャは、エレナの兄アナトーリー(ヴィットリオ・ガスマン)に誘惑され、その危険な魅力の虜になってしまいました。そして、駆け落ちを試みるのですがが、ピエールに阻止され、失敗に終わりました。そして、アナトーリーが既婚者であり、騙されていた事を知ります。ナターシャはアンドレイを裏切った自責の念にかられ、かつてのような無邪気な女性ではなくなりました。

1812年6月12日、遂にナポレオンのロシア侵攻がはじまります。アンドレイ、ニコライも出征しました。一方、反戦主義者だったピエールも、8月26日に、ボロジノ会戦に単身乗り込み、戦場の実態を目の当たりにし、激しく動揺するのでした。

ナポレオンがモスクワに迫る中、負傷したアンドレイと再会するナターシャ。自身の不貞を詫び、再び二人は愛を確かめ合うのですが、もはやアンドレイの生命の灯りは消えようとしていました。

そして、ナポレオンがモスクワに入場しました。ナポレオン暗殺を謀るも、果たせずフランス軍の捕虜になるピエール。しかし、ナポレオンは、冬将軍に敗れ撤退するのでした。そして、脱走したピエールは遂にナターシャと再会を果たすのでした。

War And Peace (1956) – Trailer

『麗しのサブリナ』で、ユベール・ド・ジバンシィという生涯の友を得たオードリー・ヘプバーンは、パリからローマのチネチッタにまで彼を招聘して、本作の衣装を納得が行くまで手直ししました。

そうなのです。実は本作のドレスのシルエットには随分とジバンシィのテイストが入り込んでいるのです。

さてこの作品がファッション業界に影響を与えた要素はこの一点に尽きます。それは、映画というものが存在したからこそ、過去の歴史的なファッションが再評価されるようになったということです。

これはかなり過小評価されている事実なのですが、歴史劇というジャンルの映画がファッション史に与えた影響は、とても大きいものです。それはある時代の衣裳を体感できるようになった決定的な瞬間であり、こういった歴史劇の存在が、過去から現代に渡るファッション・デザイナーに与えた影響はすさまじいのです。

この作品が、オードリー・ヘプバーンにとって最初で最後の歴史劇になったのですが、この時の、帝政ロシアにおける宮廷ファッションの優雅さを、オードリーほど体現することが出来た女優は存在しないのではないでしょうか?

作品データ

作品名:戦争と平和 War and Peace (1956)
監督:キング・ヴィダー
衣装:マリア・デ・マッテイス
出演者:オードリー・ヘプバーン/アニタ・エクバーグ/ヘンリー・フォンダ/メル・ファーラー/ヴィットリオ・ガスマン/ハーバート・ロム/ジェレミー・ブレット

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