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アニタ・エクバーグ1 『戦争と平和』6(3ページ)

    作品名:戦争と平和 War and Peace (1956)
    監督:キング・ヴィダー
    衣装:マリア・デ・マッテイス
    出演者:オードリー・ヘプバーン/アニタ・エクバーグ/ヘンリー・フォンダ/メル・ファーラー/ヴィットリオ・ガスマン/ハーバート・ロム/ジェレミー・ブレット



    ネクスト・マリリン・モンロー

    アニタ・エクバーグの愛犬を可愛がろうとして無視されてしまうオードリー・ヘプバーン(可愛すぎる!)。しかし、アニタってこの当時から『甘い生活』そのものの姿です(『甘い生活』は本作の4年後の作品)。

    身長169㎝。ミス・スウェーデン。美脚と巨乳。まさに〝アニタ無双〟。

    彼女の有名な言葉。「私の凶器はこの脚よ」。男だったら、蹴られたい・・・

    社交界の絶世の美女エレンを演じたアニタ・エクバーグ(1931-2015)は、本作の4年後に出演したフェデリコ・フェリーニの『甘い生活』で、パーティ・ピープルにとっての〝永遠のシンボル〟となりました。

    彼女のキャリアは、1951年にミス・スウェーデンに選ばれたことから始まりました。早々にハリウッドに渡り、ハワード・ヒューズと懇意になった彼女の出世術は実に単純なものでした。それは全く同時期に生きていたノーマ・ジーン(1926-1962、のちのマリリン・モンロー)と同じやり方でした。

    その圧倒的な美貌と肉体を使い映画スターになるという戦略により、最高に美味しい役柄で本作に出演したときには、「パラマウント版マリリン・モンロー=ネクスト・モンロー」と喧伝されました。しかし、残念ながら、演じるということに対して素養のない彼女には演技力がなく、芝居の幅もありませんでした。そして、彼女自身も演技と向き合うことはしませんでした。このことが彼女とマリリン・モンローの決定的な違いでした。

    本作出演によって、ローマ・チネチッタの活況を目にしたアニタは、フェデリコ・フェリーニという男と懇意になります。そして、彼が監督した『甘い生活』(1960)で世界的な名声を勝ち取ることになるのでした。



    『甘い生活』前夜のアニタ・エクバーグ





    下にはサテンのロングドレスを着ていました。ハイヒールを履くアニタ。

    エレン・ルック1 ターバンスタイル
    • シャイニーグレーのターバン、タッセル付き
    • ジャガード織りのジャケット、スパンコール付き
    • サテンのロングドレス
    • 黒のハイヒールパンプス
    • ブラックのレースグローブ
    • イヤリングとネックレスとバングル

    オードリー・ヘプバーンが演じるナターシャとは対極に位置する女性像を演じたアニタ・エクバーグ。演技力のない美人女優に賢明な監督が指示する一言「芝居はせずに、そこに立っているだけで十分だよ」を地でいくような陳腐な芝居。しかし、アニタという女優には、『甘い生活』があるのです。どれほど大根女優であろうとも、時代のタイミングと、天才的な監督によって、時代のシンボルになり得るのです。

    そうです。彼女こそ、永遠の〝享楽の都=ローマのシンボル〟なのです。そんなアニタ・エクバーグの完成形前夜が見られるこの作品の彼女は、やはりかなり貴重なのです。



    悪魔は必ずピンクと黒を着てやって来る。

    ここまで宝石をつけすぎると悪趣味です。

    しかし、このアンブレラはとても面白いです。

    帽子は完全にアニタの魅力を損なわせる効果を生み出してしまっています。

    特筆すべきは亀の形をしたこのバッグ!

    エレン・ルック2 ピンクドレス
    • ピンクのエンパイア・ドレス
    • タートルシルエットのハンドバッグ、タッセル付き
    • 黒のシャンティーレースとシルクサテンの日傘
    • ブリムのついたドレッシーなブラックハット、沢山の花飾り
    • 黒のロンググローブ
    • 豪奢なネックレスとイヤリング

    もしあなたが美しく生まれたならば、速く成功するでしょう。しかし、やがて美しいということが、とてつもないハンディキャップになるんです。

    アニタ・エクバーグ

    アニタは、1960年から10年間ローマに住み、キャリアを積み上げていこうと考えました。しかし、結果的に、20代最後の『甘い生活』の圧倒的な美貌が仇となり、年を取るにつれ、急激に美しさが衰えつつあるというイメージに付きまとわれるようになりました。

    〝マリリン・モンロー〟を超えるセックス・シンボルになるかもしれないという周囲の期待にうんざりしつつ、アニタの最大のライバルは、1960年に自身が演じた『甘い生活』のシルヴィアでした。結果的に彼女は自分自身を超えることは出来ませんでした。しかし、今でも、トレビの泉にイブニングドレスを着たまま入っていくアニタ・エクバーグは、〝ローマが輝いていたころの栄光の女神〟という名のシンボルなのです。



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