ロバート・デ・ニーロ

ロバート・デ・ニーロ1 『タクシー・ドライバー』1(3ページ)

    作品名:タクシー・ドライバー Taxi Driver (1976)
    監督:マーティン・スコセッシ
    衣装:ルース・モーリー
    出演者:ロバート・デ・ニーロ/ジョディ・フォスター/シビル・シェパード/ハーヴェイ・カイテル



    男にとって〝モテない時期〟に通る童貞映画

    ある夜、軽く一緒に飲んでいた私の友人の男子が別れ際に言いました。「タクシー・ドライバーを見て、早速してみようと思ったことがあるんだ」と。おおよそ見当がつきます。この映画って、いまだに男子に影響を与え続けている映画なんだから。たとえば、「ドラゴンへの道」「仁義なき戦い」「蘇る金狼」「ロッキー」「レザボア・ドッグス」なんかもその系譜の映画です。鏡を見るたびに「なに見てんだ!」なんて言ってみたり、急に事あるごとに、語尾に広島弁風「じゃけんの~」をつけたり、黒ずくめのスーツに憧れたりと、男が男に惚れる映画と言えば聞こえはいいのですが、これらはいわゆる〝童貞映画〟なのです。

    俺には俺の生き方があるんじゃ!みたいな、モテない中学男子が考えそうな〝女なんていらねえ〟理論にどっぷり漬かりこむきっかけの作品群。それを見て、マネても、決してモテない映画。「タクシー・ドライバー」も勿論そんな愛すべき映画の1つです。そして、恐らく世界中の女性35億人中1000人くらいしか好きなんじゃないかと――勿論、私はそのうちの一人なんですが――でもこの映画を見た男性のうち100人中70人は、この魅力の虜になる映画でしょう。

    そして、友人に話を戻そう。「鏡の中の自分に〝なに見てんだっ〟て言うんでしょ?」と冷たく答えてあげました。「いいや違う」と言われ、「M65を買うとか?」「違う」「女性をナンパして、初デートにAVを一緒に見る?」「違うよ!日記を書こうと思ったんだ」とそれが答えでした。〝日記〟。大人の男が書く日記。彼もトラヴィス(主人公の名前)も26才。そう言えばマーティン・スコセッシ監督が「(ベッツィーにふられて)トラヴィスは神のコマンドーとなる決意をした。・・・彼の思い込みの激しさは宗教にも通じる。・・・詩のような日記を欠かさずつけるのも儀式的だ。最も象徴的なのは、何でもない女に女神のイメージをもってしまうところさ」なんて言っていた。だから、「そんなことしてたらモテないわよ」と言ってしまいました。それに対して彼は一言「俺は、俺だけのアイリスを見つければそれでいいのさ」と言って、去っていくのでした。私は思いました。東京にも大阪にもアイリスがいたような街はもう存在しないよ・・・と。



    モテる男ほど退屈なヤツラはいない

    250-taxi-driver-770x470

    実は、オシャレな男子はオシャレな男子を参考にはしない。むしろ、ダサい男子のテイストをオシャレの参考にする。

    これ私の中の人生訓です。女性にも適応されるのですが、モテる男子というのは、モテることに全神経を集中しているので、退屈極まりないです。オシャレで、自分の時間を守っていて、モテそうだけどモテない男子は、常に魅力的です。つまり、魅力的な男性は、自分のための孤独の時間を持ちたがると言うことです。一緒に歩いていると、アクセサリーになるような男子でありながら、モテない友人それが前述の26才の男子です。彼が言いました。「だって、彼女と同棲しちゃうと、もう「バッファロー66」(これも童貞映画!!)みたいな映画や、「ベニスに死す」のような芸術映画も見れないでしょ?彼女と、一緒に見たい映画ってもっと何も考えなくてすむ映画じゃん」。

    そうなんです。世に溢れる大半の21世紀の映画は、一人で鑑賞するよりも、彼女や友達と見るように作られています。しかし、20世紀の映画は、1人で見るように作られているのです。そんな映画を女子は大嫌いだったのです。これは過去形なのですが、女性こそが今、モテない童貞映画を見る時代なんじゃないかなと・・・。女性だけの〝モテない映画=処女映画〟を探す時代が到来してるなと感じています。それが「ローマの休日」や「泥棒成金」「アニーホール」などのファッション・アイコン・ムービーなのです(男性が一緒に見たがらない映画)。そして、男女がお互いの〝モテない映画〟を(決して一緒に見ずに、一人で)見ることによって、クロスジェンダー時代(私はノージェンダーという言葉が正しい表現だと思えないのでこっちを使用する)が本格化するのです。



    ページ:

    1

    2 3

    関連記事

    1. フレッド・アステア1 『パリの恋人』6(3ページ)
    2. ロバート・レッドフォード2 『華麗なるギャツビー』6(2ページ)…
    3. ウォーレン・ベイティ1 『俺たちに明日はない』4(2ページ)
    4. ブラッド・ピット2 『ファイトクラブ』2(2ページ)
    5. ショーン・コネリー3 『007/ゴールドフィンガー』1(2ページ…
    6. リチャード・ギア3 『アメリカン・ジゴロ』3(2ページ)
    7. ピーター・フォンダ/デニス・ホッパー2 『イージー・ライダー』2…
    8. チャールズ・ブロンソン/ジェームズ・コバーン1 『大脱走』3(3…

    スポンサーリンク

    スポンサーリンク

    女性目線の男磨き

    PAGE TOP