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リチャード・ギア2 『アメリカン・ジゴロ』2(2ページ)

    作品名:アメリカン・ジゴロ American Gigolo (1980)
    監督:ポール・シュレイダー
    衣装:ジョルジオ・アルマーニ
    出演者:リチャード・ギア/ローレン・ハットン/ニーナ・ヴァン・パラント


    アンコンストラクテッド・ジャケット

    ビジネスとカジュアルの境界線を取り払ったアンコンジャケット。

    まるでロングカーディガンのような生地感。

    背景に注目!ポロ・バイ・ラルフ・ローレン

    このトラウザーのシルエットも極めて80年代的です。

    それにしても美しいアンコンジャケット。

    ポール・シュレイダー監督とリチャード・ギア。

    ジュリアン・ケイ・ルック6 アンコンストラクテッド・ジャケット
    • ベージュのリネンのアンコンストラクテッド・ジャケット、ノー・ベント
    • グレーシャツ、両胸にフラップポケット
    • ライトグレーのトラウザー
    • グレーの細身のレザーベルト
    • グレーのカップトゥレザーシューズ

    本当のことを言うと、私はファッションが分からない人なんです。特にこの作品に出演する前は、高級なスーツをほとんど着たことがなく、Tシャツにジーンズとスニーカーが私の定番でした。でも、そんな私でさえも、彼の作った服がいかに大胆かつ先進的なデザインで、メンズ・ファッションに影響を与えたということはわかります。なぜなら、私自身もアルマーニの衣裳を着たことによって、ファッションに気を使うようになったからです。

    リチャード・ギア

    このジャケットこそ、ジョルジオ・アルマーニのアンコン革命を象徴するジャケットです。それは肩パッドを取り去り、芯地を少なくして、ソフトで着心地の良い生地を使用したまるでズート・スーツのようなジャケットでした。「生地と身体の間の空気をもデザインした」と称されたこのジャケットが生み出すドレープ感は、男性のファッションに女性的なエレガンスとセクシーさの要素を融合させたものでした。

    第二次世界大戦の少し前に、母はたいていグレーを着ていました。彼女の衣服はいつもシンプルだった。そして、決して派手な装いをしなかった。彼女は装飾や人工的な要素を衣服に求めなかった。どこまでも清楚な装いが好きな女性でした。そして、私もそんな母の影響を受け、グレーとベージュの中間色=グレージュが好きになりました。それは穏やかで朗らかな気持ちにさせる色であり、人々の良い部分を引き出してくれる色だと私は考えます。

    ジョルジオ・アルマーニ

    そして、ジャケットのカラーパレットも、従来のブラックやネイビーといった堅苦しい色合いではなく、グレー、ベージュ、グレージュといったアースカラーでした。それはジョルジオ・アルマーニが母親から影響され、愛しているカラーでした。本作のリチャード・ギアのファッションにも、一切カラフルなものはなく、まるでカメレオンのようにカリフォルニアの風土に馴染んでいました。


    アルマーニが世界の男性の心を掴んだ瞬間。





    ジュリアンが、所有するアルマーニ(恐らく全て有閑マダム達に購入させたものだろう)をスタイリングするシーンが始まります。スモーキー・ロビンソンの歌を口ずさみ、コカインを吸引しながら、上半身裸のままで、軽やかにステップを踏んで、自己愛たっぷりにスタイリングするシーンが、当時の男性に与えた影響は計り知れません。

    それは、まるで女性が自分のファッションにうっとりするように、男性が自分のスタイリングにうっとりする瞬間なのです。そして、鏡の自分に向かってジュリアンは語りかけるのです。それにしても、ポール・シュレイダーという男は、どこまでも鏡が好きな男です。彼が脚本を描いた『タクシー・ドライバー』(1976)においても、鏡に語りかける男(=デ・ニーロ)が登場しました。

    コカインを吸引しながら、ジゴロの男性が、愛用するファッションという悪いイメージが付いてしまいかねない状況も恐れずに、ジョルジオ・アルマーニは本作に衣裳を提供しました。そして、結果的に、どんな女も夢中になりそうな、セクシーで上昇志向たっぷりの男性が、愛用するファッションというイメージを手にしたのでした。


    ローレン・ハットンという最高のアクセサリー

    リチャード・ギアによってアルマーニは「パワー・スーツ」になった。

    スチル写真。ダブル・ジャケットに、オープニングのシャツタイを合わせています。

    1980年当時、最も高価なアクセサリーだった女性ローレン・ハットン。アルマーニのコートとボッテガ・ヴェネタのクラッチ。

    ジュリアン・ケイ・ルック7 シャイニー・ダブルジャケット
    • ライトグレー・フランネルジャケット、ダブル、ピークドラペル、ヨーク・ディテール、パッチポケット、ノーベント
    • ダークグレーのトラウザー
    • グレーのリネンの短い襟のボタンダウンシャツ
    • ライトグレーのボーダータイ
    • ブラウンのレザーローファー
    • グレーの細いレザーベルト

    私は脚本を読み(脚本にはジュリアンはゲイだと書かれていた)、考えた。私が全く知らない世界のキャラクターだった。私は当時一着もスーツを持っていなかった。私は英語以外いかなる言葉も話せなかった。私はゲイ・コミュニティを全く知らず、ゲイの人々の仕草も習慣も全く分からなかった。だからこう考えた。撮影まで2週間しかないんなら、私自身が役柄にのめり込まないといけないなと。そして、私は2週間、それらにどっぷりと浸かったんだ。

    リチャード・ギア

    リチャード・ギアは本作において、あらゆるアルマーニを身に着けた。フォーマル、セミフォーマル、カジュアル、デイタイム、イブニング、レジャーウェア、アンダーウェア、アイウェアの全てを。そして、彼はアルマーニを体現するアイコンになりました。それ以後、リチャード・ギアは、世界中のどのアルマーニ・ストアにおいても、フリーとなったのでした。


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