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【ル ラボ】パチュリ 24(アニック・メナード)

アニック・メナード
アニック・メナードブランドルラボ調香師香りの美学
この記事は約6分で読めます。

パチュリ 24

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Patchouli 24
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:アニック・メナード
発表年:2006年
対象性別:ユニセックス
価格:15ml/10,450円、50ml/23,650円、100ml/34,650円
公式ホームページ:ル ラボ

ル ラボ パチュリ 24 オードパルファム 50ml LE LABO PATCHOULI 24 EDP

価格:25,240円
(2022/3/12 10:42時点)
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アニック・メナード様に支配される24時間

©LE LABO

2006年3月に発表された10の香水と共に、ル ラボの歴史は始まりました。その記念すべき10の香水のうちのひとつが「パチュリ 24」でした。ウッディシプレのこの香りは、アニック・メナード様によって調香されました。ちなみにル ラボがニューヨークを中心に世界中のファッショニスタの心を掴むきっかけになったのは、2011年の「サンタル 33」によってでした。

最初の10の香りは、どの香りも、担当した調香師たちが切り札のカードを出し合うかのような、ファッション・フレグランスでは絶対に商品化されない凄みのある香り揃いでした。そんな中でも、香りの中の毒を黄金に変えることができるメナード様の「パチョリ 24」は、極めつけのものでした。

まず最初に断言しておくべき事。それはこの香りにおいてパチョリの役割は、非常に重要でありながら、ほとんど目立たないものです。そのため嗅ぐ分においては、特別出演のようにしか感じられません。

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第一印象はあらゆる人にとって最悪な香り


バニリンとグアイアコールによる燻製ベーコンとラプサンスーチョンの香りが、二日酔いの頭の重さにのしかかる大いなる謎掛けのようにボトルから飛び出します。そんな風にしてはじまるこの香りの第一印象はあらゆる人にとって最悪なはずです。

そして、すぐにこの謎の芳香Xはラプサンスーチョンを残し消滅し、豊かな大自然ではなく、焼き尽くされた焦土の森の中にあなたを放置します。嗚呼、世界は焼き尽くされたのだろうか?と感じせるほどにスモーキーな森の空気は、レザーのようなバーチ(白樺)により、さらに圧倒的な存在感に包み込まれてゆきます。

一方で、古びた図書館の一室で、古書に囲まれているような不思議な感覚も生み出してくれます。この香りが、人々を混乱させるのは、記憶の中の様々なスイッチを同時に押すような、嗅覚の混乱を生み出すからです。

やがて、スティラックスのほのかなバニリック・スパイシーさがスモークの中から立ち上り、パチョリも加わりゴムのような独特な匂いとなります。

「パチュリ 24」の真骨頂はドライダウンにあります。スモーキーレザーが薄らぐ中、パチョリはバニラと溶け込み、チョコレートバニラの香りを生み、一方で、スティラックスはバニラと溶け込み、バルサミックな香りを生み出してゆきます。

彼女が21世紀最後の魔女と呼ぶに値する所以は、この香りのような、ムエットで匂いを嗅ぐとまず間違いなく、香水としての存在理由まで考えてしまう作品を生み出すところにあります。それでいて肌に乗せると、恐ろしいほどの肌馴染みと、本能を揺り動かす何かが備わっているのです。

パチョリの目に見えない活躍により、お酒のようなスモーキーバニラの香りは、肌という大地の中に深く深く溶け込み、潜んでいった獣を呼び覚まし、アニマリックな官能的な香り(スティラックスとバーチタール)さえも手なずけ、うっとりするような白昼夢の余韻で包み込んでくれるのです。

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スモーキーアイ効果を生み出す香り


「パチュリ 24」は、一切の制約を受けずにアニック・メナード様が生み出した香りであり、ブルガリ「ブラック」の最終形態と呼んでも差し支えのない香りだと思います。

そして、この香りは女性にとって、まさにスモーキーアイを作り出すような効果のある香水です。

虚栄心をその焚き火に放り投げて、焼き尽くしなさい!そして、スモークの中から颯爽と美しく再生するのよ!とメナード様に背中を押されるような香りです。さぁ、グラマラスに、自信をもって!胸を張って歩くのよ!と。

最後により端的にこの香りについて表現します。それは、初めて飲むワインやビールのようなものです。まず最初に、こんなに不味いものはないと感じていたはずが、やがては、これなしでは生きていけないものになるのです。

ディー.エス. & ダーガの「バーニングバーバーショップ」とよく比較される香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「パチュリ 24」を「風変わりなレザー」と呼び、「夏の間、モスクワ州立大学の生物学部で働いていたころ、校舎の最上階、灼熱の屋根の真下に、狭くて通気のない保管室があった。長時間たった一人で残っていると、ふと、朽ちかけた古い書物のバニラの甘い香りが、瓶に入った刺激の強い化学薬品の香りと、そして瓶詰めにした標本が浮遊する芳しくも屈折した香りと、フェノール様の会話をはじめた。」

「その香りはいっとき魅力的で、元気があり、そして毒々しく、高慢で博学な司書のために構成された香水のように思えた。調香師アニック・メナードの詩才が、私のために偶然にも刺激的で神秘な場所を再現してくれたのだ。これからはこのフレグランスを「ロシアの実験室」とでも呼ぼう。」と5つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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この香りにおけるパチョリの役割とは


パチョリは元々は、湿った土のような香り(墨汁や腐葉土なんかを想像させる)がするのですが、「パチュリ 24」においては、全く逆の乾燥したスモーキーなパチョリになっています。

つまりこのパチョリは、フレデリック・マルの「ムッシュー」の典型的なパチョリと対比させると明らかに違うことが分かります。「ムッシュー」とパチョリの精油を嗅ぎ比べると近さを感じさせるのですが、「パチュリ 24」のパチョリは異質で、全く別物です。

そして、最高品質のパチョリはチョコレートのような香りがするのですが、まさにこの香りにこそ近くで嗅ぐとバーベキューのような燻製の香り、少し離れて嗅ぐと奥にダークチョコレートの苦みを感じることが出来ます(そのため、バニラが添えられているのかもしれません)。

だからこそこの香りは、パチョリを愛する人よりも、アニック・メナード様を愛する人か、「買う香水が、他人から臭いといつも言われるんです」と言う人にとっての好物であるという側面があるのです。

キリアンだと「ダーク ロード」のスモーキーなベチバーと比較される香りです。

ある意味ル ラボにおいてこれほどクラシカルな香りもないと言ってもいいかもしれません。それはゲランの「ジッキー」や「シャリマー」のように飼いならすまでに時間がかかる猛獣のような香水だからです。

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香水データ

香水名:パチュリ 24
原名:Patchouli 24
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:アニック・メナード
発表年:2006年
対象性別:ユニセックス
価格:15ml/10,450円、50ml/23,650円、100ml/34,650円
公式ホームページ:ル ラボ


トップノート:パチョリ
ミドルノート:バーチ、スティラックス
ラストノート:バニラ

ル ラボ パチュリ 24 オードパルファム 50ml LE LABO PATCHOULI 24 EDP

価格:25,240円
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