映画史上はじめてレーシングスーツを着た女
この作品のファッション史における歴史的価値は、レーシングスーツの存在に尽きます。そして、ルチアナ・パルッツィ(1937-)という2ndボンド・ガールもその演技力によってではなく、レーシングスーツを着た写真によって永遠のものとなったのです。
今でも『サンダーボール作戦』と言えば、この写真が出てくるほどであり、映像とファッションがリンクしたときの、タイムレスな影響力を示す好例のひとつとなっています。
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BSA・A65ライトニングに乗るルチアナ様。
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ベスパに蹴りを入れるルチアナ様。
ただ一人三作のボンドムービーに出演したボンドガール
マルティーヌ・ベズウィック(1941-)は英国人の父とジャマイカ人の母の間に生まれ、極貧生活の中、ミス・ジャマイカに選ばれた努力の人です。
『007/ドクター・ノオ』(1962)でタイトルバックのダンサーを演じ、『007/ロシアより愛をこめて』(1963)で女性同士で肉弾戦を繰り広げるロマ族の女性を演じました。
そして、本作において、遂にボンドガール・ポーラの座を勝ち取ったのでした。マルティーヌは仕事のため長年英国で生活しており、肌の色も白かったため、2週間前からバハマに日焼けのために滞在し、現地人に見えるように下準備をしたのでした。
『恐竜100万年』(1966)において、本作でドミノ役の予定だったラクエル・ウェルチと競演し、同年マカロニ・ウエスタンの傑作『群盗荒野を裂く』や、オリバー・ストーンの処女作『邪悪の女王』(1974)にも主役として出演しています。
ポーラ・ルック1
ピンクルック
- ピンクの太いヘアベルト
- ピンクのチョリ・ブラウス、カラー付き、長袖
- ピンクのレザーベルト。バックルは透明
- ゴールドリング・イヤリング
- インディゴ・スリムフィットパンツ
- エスパドリーユ
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まさに60年代のスウィンギング・トロピカルです。
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70年代のブラックムービーに出てきそうなファッションです。
フィオナ・ルック3
ターコイズブルー・イブニングドレス
- ターコイズブルーのペイズリー柄シフォンドレス
- 同色のシフォンストールをヘッドに
- ターコイズブルーのガマ口バッグ
フィオナ・ルック4
フローラルプリント
- ひな菊柄のパープルベースのボタンダウン・カッターシャツ、肘下までロールアップ
- イエローシフォンヘアリボン
- ゴールドパテントベルト
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ルチアナ・パルッツィは貫禄があって素晴らしいです。
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下のイメージ写真のシャツは違った柄です。
ポーラ・ルック2
ブルーデイドレス
- ウエストが絞られた鮮やかな水色のデイドレス。膝丈、
- 白のハイヒール・パンプス
フィオナ・ルック5
ブルーイブニングドレス
- 水色のスパンコールドレス、デコルテラインドレス。バスト部分に横のドレープ、膝丈
- ブルーのボンボンストール
- シャンパンゴールドのミニガマ口バッグ
- 水色のハイヒールパンプス
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スタイル抜群のルチアナ・パルッツィ。
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ボンドとベッドを共にする女悪役像の始まりです。
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ある意味、クローディーヌ・オージェよりも目立っていたかもしれません。
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そして、この美しいイブニング・ドレス姿。
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オールブラックのレーシングスーツ姿があったからこそ、そのギャップは絶大です。
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ボンドのグレースーツが女性のブルーを引き立たせます。
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このシルエットの美しさ。司葉子並の足首の細さ!
作品データ
作品名:007/サンダーボール作戦 Thunderball(1965)
監督:テレンス・ヤング
衣装:ジョン・ブレイディ
出演者:ショーン・コネリー/クローディーヌ・オージェ/アドルフォ・チェリ/ルチアナ・パルッツィ/マルティーヌ・ベズウィック
- 【007/サンダーボール作戦】最初から最後まで空飛ぶジェームズ・ボンド
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.1|空を飛ぶショーン・コネリー
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.2|ショーン・コネリーとケン・アダム
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.3|ショーン・コネリーとダイビングウェットスーツ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.4|ショーン・コネリーとラグジュアリー・リゾート
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.5|クローディーヌ・オージェという絶世の美女
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.6|クローディーヌ・オージェ=水中銃を持つ女
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.7|クローディーヌ・オージェとウェットスーツ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.8|元祖・峰不二子 ルチアナ・パルッツィ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.9|ルチアナ・パルッツィとレーシングスーツ