情熱の赤のイブニング・ドレス
ボンドムービーは、カジュアル一辺倒で忘れていた旅のスタイルを思い出させてくれます。それはリゾート地での女性のあるべき姿を示しています。
たとえば、東京に住む女性が、2泊3日で京都を旅する時に、どうせなら、少しドレスアップする場所にも出かけて、女子力をアップグレードする機会を逃さないように、メリハリをつけたファッションを楽しむ=非日常を楽しむという「旅が女を磨く」スタイルの提案です。
ファスト・ファッションに吸収されて生きることは、女性だけが享受できる楽しみを放棄してしまっていると言っても過言ではありません。人間は悪臭に慣れるように、コスパと機能性が抜群という言葉に騙されて、とんでもないゴミ袋のような衣服に慣れる事も出来るのです。
そうならない為にも、女性にとって(そして、男性にとっても)ドレスアップする機会を無理やりにでも作るべきなのではないでしょうか?
ドミノ・ルック5
レッド・イブニングドレス
- 赤のイブニングドレス、スパゲッティ・ストラップ
- 赤の大判のフリンジ・スカーフ
- 赤のハイヒールパンプス
ドミノ・ルック6 最後の最後に登場する〝神ビキニ〟
メビウスビキニ
- 白×黒のメビウスビキニ
そして、ギリシアの女神のような白のホットパンツ。
女性におけるホクロ位置の大切さを痛感させてくれるクローディーヌの絶妙なホクロの位置。後に『キャッツ・アイ』の来生泪(きすぎるい)に影響を与えたその存在感が、どうしてももうひとつパッとしなかったのは、
1.イブニングドレス姿での見せ場がまったくない
2.幻のウエットスーツ
の二点によるものでした。女優の魅力は、水着姿だけでは生み出せません。もしこの二点が作中に備わっていたならば、クローディーヌは、ボンドガールを象徴するボンドガールになっていたことでしょう。
ドミノ・ルック7
ホワイト・ホットパンツ
- 胸元の開いた白のトップス
- 白のホットパンツ
- 水色のヘアバンド
幻のウエットスーツ・ルック
そして、クローディーヌ・オージェはこの作品の11年後の1976年に沢田研二と『パリの哀愁』で共演することになるのです。
作品データ
作品名:007/サンダーボール作戦 Thunderball(1965)
監督:テレンス・ヤング
衣装:ジョン・ブレイディ
出演者:ショーン・コネリー/クローディーヌ・オージェ/アドルフォ・チェリ/ルチアナ・パルッツィ/マルティーヌ・ベズウィック
- 【007/サンダーボール作戦】最初から最後まで空飛ぶジェームズ・ボンド
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.1|空を飛ぶショーン・コネリー
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.2|ショーン・コネリーとケン・アダム
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.3|ショーン・コネリーとダイビングウェットスーツ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.4|ショーン・コネリーとラグジュアリー・リゾート
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.5|クローディーヌ・オージェという絶世の美女
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.6|クローディーヌ・オージェ=水中銃を持つ女
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.7|クローディーヌ・オージェとウェットスーツ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.8|元祖・峰不二子 ルチアナ・パルッツィ
- 『007/サンダーボール作戦』Vol.9|ルチアナ・パルッツィとレーシングスーツ