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【ル ラボ】ビガラード18 香港(フランク・フォルクル)

ルラボ
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ビガラード18 香港

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Bigarade 18 Hong Kong
種類:オード・パルファム
ブランド:ルラボ
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,850円、15ml/20,900円、50ml/45,100円、100ml/69,850円
公式ホームページ:ルラボ

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眠らないオーデコロン=不夜花露水

©LE LABO

香港は、古典的な要素と現代的な要素のバランスがとれています。そんな香港のために「ビガラード18」を作るにあたって、私は〝オールドスクール〟な、現在では極めて保守的な原料をミックスして、現代的で忘れられない香りを作りたいと思いました。

つまり、クラシックなシトラスとフローラル VS よりダークでウッディな側面、という双方の覇権争いにより表現してみようと考えました。

エディ・ロスキー

ルラボが出店している都市ごとの限定の香り「シティ エクスクルーシブ コレクション」。その中のひとつとして2019年に発売された香港限定の香りが「ビガラード18」です。フランク・フォルクルにより調香されました。

1709年にドイツで発明された古典的なオーデコロンは、ベルガモットとネロリ、スパイスで構成されていました。そんなスパイスの部分をムスクとアンバーグリス(合成香料)に置き換え、香りの持続時間を良くしたのが「ビガラード18」です。

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創業者の幼少期の香港の思い出を、ボトルの中に。

レパルスベイホテル

映画『慕情』(1955)。何よりも主題歌が有名です。

ル ラボの創設者のひとりエディ・ロスキー(グラース生まれニューヨーク育ち)の子供の頃(1980年代)の香りの思い出。それは家族と香港旅行し、映画『慕情』(1955)の舞台にもなったレパルスベイにあるレパルスベイホテルに長期滞在し、その廊下で感じた、潮風が運んでくれる百合と柑橘系の木々の心温まる香りでした。

そんな忘れ得ぬ個人的な香りの記憶に、古き良きものと、新しきものが出会う香港のイメージを重ね合わせ生み出されたのが「ビガラート18」です。

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香港の香りがなぜ「ビガラード」なのでしょうか?


〝ビガラード〟とは、フランス語でビターオレンジの意味であり、日本ではダイダイと呼ばれています。香港の香りとしてビターオレンジが選ばれたのは、前述したようにエディの幼少期の記憶が元になってのことです。

ビターオレンジが香港の名産であるという訳ではないのですが、1999年まで香港を統治していたイギリスで作られるマーマレードに使われるのが、ビターオレンジの一種であるセビリアオレンジです。エディのビターオレンジの香りの思い出は、レパルスベイホテルの朝食=マーマレードの思い出も含まれているのでしょう。

ちなみにレパルスベイホテルは、1920年に香港初のホテルとして建設され、イギリスの植民地時代を象徴する英国式のホテルとして1982年まで操業されていました。つまりエディが滞在した頃のこのホテルは終わりを迎えようとしていた時期だったわけです。

現在はメインダイニングを改修した形で、ペニンシュラの経営するザ・ベランダというレストランになっております。英国風アフタヌーンティーが人気です。

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スピードが命である香港に、不夜城=持続力を併せ持たせた奇跡の香り


1840年のアヘン戦争(~1842年)の後、イギリス領となった香港には、たくさんのイギリス人が入植してきました。そして、中華文化の中に容赦なく西欧文化が入り込んでくることになったのでした。

相容れない文化的衝突の果てに生まれる奇跡的な融合をテーマにしたこの香りは、煌めくような苦味を放つベルガモットに弾き出された甘くて苦いネロリを、ほのかに掻き混ぜるアルデハイドの香りからはじまります。

©1996-2022 Marriott International, Inc.

冷房の効いたムーディーな高級リゾートのロビーを駆け抜け、外に出ると、そこは〝太陽がいっぱい〟の灼熱の陽光。そんなガツンと全てが持っていかれそうな眩しさに包まれるトップノートです(W香港の76階にある野外プールに出た瞬間、太陽の襲撃を受けたような感覚ともいえます)。

すべての目的は、スピードが命である香港を象徴するように、それでいて不夜城=眠らない街であらねばならないスピード感と持続力を併せ持たせた奇跡的な香りの展開をこの「ビガラート18」は見せつけてゆきます。

すぐに、百合の優しくも懐かしさを誘う重厚な香りが、ムスクとアンバーグリスを伴うシダーウッドの仄かに鋭い森の香り導かれて、トップノートの二つの柑橘との間に見事な緊張感と調和を生み出し、眠らないオーデコロンの輝きを生み出すのです。

基本的にコロンにはネロリが使われているのですが、この香りには、ネロリだけでなく、同じホワイトフローラルの百合が加えられることにより、フローラルブーケにボリュームが生まれています。ネロリのあっさりした甘さに比べ、少し重く、スパイシーさがあり、よりオイリーな香りがします。

明るくシャープなビターシトラスと、透き通るようにフレッシュでオイリーなホワイトフローラルが奇跡的に融合した緊張感を肌の上で感じることが出来る、心にハリと潤いを与えてくれる香りです。

もしあなたのルラボのカウンターの近くに幸運にもフレデリック・マルがあるなら「アウトレイジャス」と「コロン インデレビル」との嗅ぎ比べをおすすめします。

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同系統のルラボ及び他ブランドの香りとの比較

©TOM FORD

最後にこの香りと同系統の香りの比較をいくつかさせて頂きます。まずは名前に同じく〝ビガラード〟が付くフレデリック・マルの「コロン ビガラード」との比較です。こちらはビターオレンジと、その花であるネロリ、枝葉のプチグレンの精油をカルダモンと組み合わせており、スパイシー&ウッディがより強く感じられます。かなりマスキュリンなので同じビガラードでも「ビガラード18」より甘さがありません。

次にネロリ香水の王道であるトム・フォードの「ネロリ ポルトフィーノ」と比較すると、こちらはビガラードの花であるネロリが中心なのですが、数種類のシトラスと数種類のホワイトフローラルを組み合わせており、「ビガラード18」よりもさっぱりしている香りです。「ビガラード18」は百合を使っているので、比較すると気持ち重く感じるでしょう。

同じルラボの「フルール ド ランジェ27」と比較すると、こちらはビガラードの花であるオレンジブロッサムを中心に作った香りなので、「ビガラード18」より、フルーツや(シトラスのフレッシュ感よりも)フローラルの甘さが目立ち、グリーンは少なく感じられます。

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香水データ

香水名:ビガラード18 香港
原名:Bigarade 18 Hong Kong
種類:オード・パルファム
ブランド:ルラボ
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,850円、15ml/20,900円、50ml/45,100円、100ml/69,850円
公式ホームページ:ルラボ


トップノート:ベルガモット、ネロリ
ミドルノート:百合
ラストノート:ムスク、アンバーグリス、シダーウッド、トンカビーン

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