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『パリの恋人』Vol.2|オードリー・ヘプバーンとブックストアガールルック

オードリー・ヘプバーン
オードリー・ヘプバーン
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THINK PINK!人生を楽しむならピンクよ!

アメリカ女性は裸で私たちから着るものの指図を待っています!

マギー・プレスコット(ケイ・トンプソン)

オードリー・ヘプバーンジバンシィが登場するまでの最初の10分間に、当時「ハーパーズ バザー」の人気ファッション・エディターであり、後に「ヴォーグ」の編集長になるダイアナ・ヴリーランド(1903-1989)をモデルにしたファッション誌の女性編集長マギー・プレスコットが現れます。演じるのはケイ・トンプソン(1909-1998)です。

当のヴリーランドはアシスタントと共に試写会に出席した後、自分自身の解釈を快く思わず、「二度と私の前でこの映画の話題を出さないでね」と釘を刺したと伝えられています。

スタンリー・ドーネンの演出の素晴らしさとイーディス・ヘッドのカラフルな衣装が生み出すファンタジー空間の流れるように華麗なる色彩の洪水により、すっかり舞台は整えられてゆくのです。「ピンクよ!ピンク!」でも私はピンクは身に着けない。常に一歩先を行くのだからというプレスコットの姿勢が、「モードとは何か」を明確に示しています。

そこに、フレッド・アステアと当時のスーパーモデル・ドヴィマが登場し、オードリーが現れる環境が整えられてゆきます。そして、彼女はまるで『麗しのサブリナ』のパリ前夜のサブリナが戻ってきたかのような地味ないでたちで登場するのです。

ひとりひとりの女性陣のスカートスーツがそれぞれ違うデザインで、凝った作りでとてもキュートです。

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生きる楽しさを表現したようなピンクの洪水

〝ピンク、ピンク、ピンク〟見ているだけでハッピーな気分になる『50年代のファッションと映像の魔術が織り成すファンタジーの世界』がミュージカル風に演出されていきます。

ファッションとは何か?この空間には、ファッション・ブランドのロゴが一切存在せず、そういったものが存在しないことが、〝ファッションが持つ本来の魅力〟であることを教えてくれます。

スージー・パーカー、サニー・ハーネット、ドヴィマ

この映像の中に登場するエレガントな女性達は、1957年当時、最高峰のファッションモデルだったスージー・パーカーサニー・ハーネットドヴィマの三人です。

以下、その映像のスクリーンショットです。見ているだけで心がピンク一色に洗い清められていくようです。





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マギー・プレスコットのファッション1

ブラックスカートスーツ
  • デザイン:イーディス・ヘッド
  • ブラックスカートスーツ
  • ホワイトブラウス
  • ブローチ
  • パールイヤリング
  • ブラックピルボックスハット
  • ホワイトグローブ
  • Tストラップブラックパンプス

マギー・プレスコット(ファッション誌の女性編集長)のファッションが、ジバンシィとはまた違う、当時のニューヨークのファッション・エリートの感覚を伝えてくれていてとても貴重です。『パリの恋人』の三人目の主役だと言い切ってもいいほど、どのファッションもとても魅力的です。

ちなみに彼女のファッションは、すべてクリストバル・バレンシアガを意識してイーディス・ヘッドがデザインしたものでした。

すごく高齢に見えるのですが、ケイ・トンプソンは撮影当時、46歳でした。それにしても、後ろのソファが素敵。

素敵なソファです。

50年代エレガンスはこのスカートの丈にあります。

アシスタントの女性たちひとりひとりのファッションも素敵。

左端の女性のファッションが目を引きます。

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オードリー・ヘプバーンこそ元祖カメレオン俳優なのです。

オードリーとドヴィマ。ドヴィマが本当に素晴らしい。

野暮ったい文系女性を演じる時のオードリーは、根がインテリジェンス溢れる内気な性格だからでしょうか、全く違和感がありません。オードリーが、〝永遠のプリンセス〟として確固たるファッション・アイコンに君臨する理由は、常にアヒルが白鳥になるような役柄を演じてきたからでした。

そして、実際のオードリーの本質が常にアヒルであったことが、その変身後の魅力を際立たせています。王女、ファッションモデル、本屋の販売員、高級娼婦、妖精。彼女は、ロバート・デ・ニーロが登場する前にすでにロバート・デ・ニーロだったのかもしれません。


※ドヴィマ、アステア、トンプソンが本屋に入るシーンで、沢山のルイ・ヴィトンのスーツケースが登場します。

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ジョー・ストックトンのファッション1

ブックストアガールルック
  • デザイン:イーディス・ヘッド
  • 薄手のボトルネックのブラックセーター、ロングスリーブ
  • ブラウンのウールスカート
  • グレーの目の詰まったツイードのノースリーブ・チュニック丈ベスト(タバード)
  • 黒のハイソックス
  • サルヴァトーレ・フェラガモの茶色のペニーローファー
  • のちのシーンで黒のスカーフ

ブックストアの店員時代のファッションが意外に可愛いのです。

一見、野暮ったいのに、実はお洒落なのが、覚醒前のオードリー・スタイルです。

プレスコットの黒革のバッグが素敵です。

全体が分かる写真。

この作品で、オードリーは沢山のスカーフを頭に巻きます。

実はこのファッションは、ベストを脱いでから本領を発揮するのです。

誕生日を祝ってもらうオードリー。

アステアと踊るオードリー。

ブラックニットとロングのウールスカートの組み合わせ。

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マギー・プレスコットのファッション2

グレースカートスーツ
  • デザイン:イーディス・ヘッド
  • グレースカートスーツ、セーラーカラー
  • ホワイトブラウス
  • ゴールドブローチ
  • パールイヤリング
  • ホワイトピルボックスハット
  • ホワイトグローブ
  • ブラックハイヒールパンプス
  • ブラックレザーバッグ

おそらくこのスカートスーツは何種類か色違いなのでしょう。

首もとのブローチが素敵です。

この黒革のバッグがとてもエレガント。

見事に三色でまとめ上げています。

白のピルボックスハットと印象的な黒革のバッグ。

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マギー・プレスコットのファッション3

バーガンディスカートスーツ
  • デザイン:イーディス・ヘッド
  • バーガンディスカートスーツ、セーラーカラー
  • 立ち襟ピンクブラウス
  • ブラックブローチ
  • パールイヤリング
  • バーガンディピルボックスハット
  • Tストラップブラックパンプス
  • ピンクのネッカチーフ

作品データ

作品名:パリの恋人 Funny Face (1957)
監督:スタンリー・ドーネン
衣装:ユベール・ド・ジバンシィ/イーディス・ヘッド
出演者:オードリー・ヘプバーン/フレッド・アステア/ケイ・トンプソン/ドヴィマ