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『007/ゴールドフィンガー』Vol.8|タニア・マレットと黄金美女たち

ボンド ガール
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第三のボンドガール・タニア・マレット

白のフォードのムスタング・コンバーティブルを運転する第三のボンドガールに扮するタニア・マレット(1941-)。英国人の父とロシア人の母の間に生まれた彼女は、ヘレン・ミランのいとこです(タニアの母とヘレンの父が兄弟)。

母は離婚し、義父は詐欺罪で刑務所行き等の事情で、タニア自身が家族を養うために、1957年に16歳でファッション・モデル・デビューし、1950年代末から60年代にかけて有名なファッション・モデルになります。

元々は『007/ロシアより愛をこめて』のタチアナ役のオーディションに出ていました。撮影当時、ずっと交際していたボーイフレンドが急死し、悲嘆にくれながら撮影に臨んでいました。元々「ヴォーグ」誌等で着実にキャリアを築いていた彼女は、本作一本のみで、モデル業に専念することになりました。

金塊の上に座りライフル銃を持ちポーズを取るタニア。60年代は、日本赤軍をはじめ女性がライフル銃を持つ時代のはじまりでした。

ただ一本だけの映画出演作。

ノースリーブ・シャンタンドレス『ヴォーグ』1961年。マイアミ、フォトグラファー:ユージン・バーニヤ

レインコート『ヴォーグ』1960年3月号。フォトグラファー:ノーマン・パーキンソン

ワイドカラー・赤黄色のシャンタン・シース。『ヴォーグ』1960年7月号。コートダジュールのトゥレット=シュル=ルー。フォトグラファー:ユージン・バーニヤ。

プリンス・オブ・ウェールズ・チェックのコットン・トラウザーとペール・ブルー・コットンシャツ『ヴォーグ』1960年7月号。フランス。フォトグラファー:ユージン・バーニヤ。

レインコート。左からマリー・リサ・グレ、タニア・マレット、ジーン・シュリンプトン。『デイリー・エキスプレス』1961年。フォトグラファー:デヴィッド・ベイリー

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オープニング・ボンドガール

前作『007/ロシアより愛をこめて』にも出演していたナジャ・レジン。

オープニングのベリーダンスシーンで登場します。

彼女の瞳に敵の襲来が映りこみ察知する有名なシーン。ちなみに撮影前日悪漢役の俳優が泥棒で現行犯逮捕されたため、メキシコ人ではないスタントマンが、急造メイクで撮影にのぞみました。

彼女はボンドムービーに二度出演しました。

明るい笑顔とは裏腹に・・・

激動の少女時代を経験した女優さんです。

『007/ゴールドフィンガー』が只者では感じさせたのは、このタイトルソングが始まる前のアクションシーンからでした。本作以降、ボンドムービーの恒例シーンになるのですが、アクションシーンが素晴らしい以上に、美女といちゃつきながらも冷静に彼女の瞳の中に映り込む襲撃者を察知し、反撃するという発想に、世界中の男達は痺れに痺れたのでした。

このボニータという名のベリーダンサーを演じた女優の名をナジャ・レジン(1931-2019)と申します。彼女は前作『007/ロシアより愛をこめて』にも出演していました。

なんと彼女は、父親を、1941年10月、ナチスドイツにより目の前で処刑されているのです。それも、ドイツ兵1人の殺害行為に対して、100人の住民を処刑するというクラリェヴォの虐殺の被害者であり、高校教師であり、命を免れることも出来た父親は、同僚や学生を見逃しに出来ず、自分も銃殺される列に加わったのでした(5000人以上処刑された)。

六ヶ国語話せるとても教養の高い女性で、ベオグラード大学の哲学部で学びジャーナリストを志していたこともありました。女優引退後は、執筆活動やサマセット・モームの研究などを行いました。

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本物の黄金美女=ゴールデン・ガール

フォンテンブロー・ヒルトン・リゾートが空撮され舞台はマイアミに。ちなみにこのホテルのプールは、『スカーフェイス』の撮影に使用された。

そして、プールサイドに寝そべるボンドと共に登場するのがディンクです。

マーガレット・ノーラン(1943-)

彼女こそ、ポスターやタイトルソングで有名な黄金美女でした。

ゴールドペイント中のマーガレット。

タイトルソングの撮影中。

一般的には、『007/ゴールドフィンガー』の黄金美女を演じているのはすべてシャーリー・バッシーだと思われているのですが、実際のところ、タイトルソングと、ポスターの黄金美女は、タイトルソング終了後に、舞台がマイアミへと転換したときに、ジェームズ・ボンドと共に登場する美女ディンクを演じたマーガレット・ノーラン(1943-)でした。

英国人の彼女は本作と同じ年に公開された『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』にも出演しています。元々はバレリーナを目指していたのですが、178cmにまで身長が伸びたため断念しています。

タイトルソングの撮影は、2~3週間、黄金の染料を全身に塗りたくられて撮影されるハードなものでした。プロジェクターから流れる映画のフィルムを彼女の肉体の上に浮かび上がらせるという作業のために膨大な時が費やされました。

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そして、タニア・マレットが登場します。

タニア・マレット・ルック
  • ロングスリーブのクリーム色のブラウス
  • 茶ローファー
  • 金のバックルの茶色のベルト
  • グレーの膝上丈のスカート
  • アランニットのホワイトカーディガン
  • ローヒールパンプス

この作品は、黄金美女というタイムレスなポップアートにより、ボンドムービーの中でも、屈指の作品となりました。そして、その黄金美女の一面が強調されればされるほど、第三のボンドガールの彼女の存在は忘れ去られていくものになりました。そういう意味においては、タニアは、悲運のボンドガールの代表格とも言えるでしょう。

ショーン・コネリーとタニア・マレット。

アランニットのホワイトカーディガン

金箔を塗られ殺された姉の敵討ちを目論み、フォードのマスタングに乗る。

肩がけに負けない(=カッコつけているように見えない)美女です。

シューズのデザインがとても素敵です。

ライフル銃もなぜか様になるのは、本職がファッションモデルだからです。

今でも十分にモードなデザインのベルト。

作品データ

作品名:007/ゴールドフィンガー Goldfinger (1964)
監督:ガイ・ハミルトン
衣装:エルサ・フェネル
出演者:ショーン・コネリー/オナー・ブラックマン/ゲルト・フレーベ/シャーリー・イートン/タニア・マレット