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『007/ゴールドフィンガー』Vol.6|元祖・美魔女オナー・ブラックマン

ボンド ガール
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元祖・美魔女=ボンドガール・プッシー・ガロア

オナー・ブラックマン(1925-2020)こそ、本作のメイン・ボンドガールです。彼女の魅力は、10代から20代の青年にはなかなか伝わらないでしょう。ある種の女性には、20代には存在しなかった魅力が、30代から40代にかけて突然花開くことがあります。

しかし、そのための大前提として、清潔感が求められます。女性にとって、常にベースとして存在する美の大前提は、清潔感です。男性には、肉体労働に伴う汗や、野性味といった要素が魅力となる場合が多いのですが、女性にとっては、野性味にさえも清潔感が求められるのです。

オナー・ブラックマンが演じたプッシー・ガロアは、欧米において公開当時から大変人気のあるキャラクターでした。しかし、当時日本では、ほとんど人気のないキャラクターでした。それは年増のボンドガールに何の価値がある?という男性主体な反応ゆえでした。

しかし、21世紀に入り、女性が、自らのスタイルの参考として、ボンドムービーを見るようになり、30代のボンドガールが増えるにつれて、ジェームズ・ボンドと釣り合いの取れる女性は、成熟した女優だと感じられるようになり、オナー・ブラックマンは再評価されるようになりました。

そしてオナー・ブラックマンの堂々とした存在感が、世界中の女性の憧れのアイコンとして定着しつつあります。

60年代ヘアスタイル。センターをアップにした外巻きボブ。

骨っぽい肉体に、峰不二子級のアンバランスな巨乳。

身長168cm。

波と戯れるオナー・ブラックマン。

大人のオンナの魅力。現代の基準で見ると「女が惚れるオンナ」の代表です。

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パンツ・ルックが似合う女性がなぜエレガントに見えるのか?

物語が54分過ぎて、はじめて登場するプッシー・ガロア。

監督のガイ・ハミルトンと打ち合わせするオナー・ブラックマン。

パンツ・ルックはなぜ女性をクールに見せるのでしょうか?これこそがファッションが生み出す魔法なのですが、男性のファッションを女性が着ることによって、より洗練されることになります。

この作品におけるプッシー・ガロアのスタイルが、数年後にスモーキングを発表するイヴ・サンローランにどれほどの影響を与えたのかは計り知れないのですが、男性社会の中で、逞しくも美しく生きる女性像を投影させた彼女の役柄が、少なからず影響を与えたことは間違いありません。

30年代から70年代にかけて、ファッション・デザイナーは、スクリーンでしか見ることが出来なかった映画から、ヒントを多く掴み取り、人々の生活環境を左右するスタイルを生み出していきました。

それは一見、男女の特権と思われたものをクロス・ジェンダーさせていくことによって、人々の暮らしをどんどん美しくしていくことと良く似ています。ファッションとは反逆であり、新しいライフスタイルの啓示なのです。

パンツルックとは、女性の中の男性らしさを昇華させることによって、ふと見せる母性を強調するファッション・スタイルです。その対比の美学こそが、アンドロギュヌス・スタイルの真髄であり、死と対面することによって生を深く実感する境地と同じく、男性を着ることによって、女性らしさを強調するという逆説の美学を創造しているのです。

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プッシー・ガロアのファッション1

くびれがすごいパンツスーツ
  • 丹念に刺繍が施されたパープルのベルベット・パンツスーツ
  • シルバーのジレ
  • 黒のミドルヒール・レザーブーツ

実に優雅な砂時計シルエットのパンツルックです。

30~40代の女性の特権。それは、パンツルックを楽しめること。

光沢のあるパープルにシルバーという難易度の高いアンサンブル。

サーカスの猛獣使いのようなファッションです。

シルバージレは、前後バイカラーになっています。

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ロレックスGMTマスター



プッシー・ガロアが愛用している腕時計は、1955年にロレックスが生み出したGMTマスターでした。パン・アメリカン航空の乗務員に採用され、航空時計の象徴であるこの時計を、飛行隊の指揮官でもある彼女が付けているのはごく自然なことです。


1964年10月1日のヴォーグの表紙を飾ったもう一人のボンドガール、タニア・マレットは、ロレックス ペプシ GMT マスター [Ref. 6542] を身に着けています。

イエローゴールドのロレックス GMT マスターを身に着けています。1966年11月号のヴォーグ。

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プッシー・ガロア飛行隊

プッシー飛行隊員ユニフォーム
  • ブラックのジャンプスーツ。ヴェルサーチェのようなマークを胸に。スタンドカラーとエポレットに金のパイピング
  • 白の太ベルト
  • 白のショートブーツ

後に東映戦隊モノに与えた影響は絶大です。

胸元に太陽のような紋章。1965年のミス・ワールドに選ばれるレズリー・ラングリーがこの中にいます。

プッシー・ガロアと飛行隊の隊員たち。

東宝をはじめとする女性隊員のコスチュームに影響を与えた女性隊員ルック。

5人の隊員たちのルックスが分かる写真。

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元祖〝戦う美女〟

1966年に出版されたオナー・ブラックマンの「自己防衛の本」。

演技派女優なので表情がとても良い!

ブルース・リーが愛蔵していた本としても有名です。

とにかく謎のシチュエーションが連発されます。

男達は、この本を読んでオナー姐さんに痛めつけられたいと渇望したのでした。

ブルースはこの本からアクションの魅せ方を学んだ。

本作出演後(1966年)、オナー・ブラックマンは、「女性のためのセルフ・ディフェンスの本」というものを出版し、大絶賛されました。

現在の視点で見ると、面白おかしい部分もあるのですが、「10歳のころ、弟をいじめていた二人の少年をノックアウトしたのよ!」という彼女の鼻っ柱の強さが垣間見え、ある意味ファッショナブルな本です。

もし、現在、この本を日本でリバイバルするなら深田恭子様か二階堂ふみ様でお願いしたいです。

作品データ

作品名:007/ゴールドフィンガー Goldfinger (1964)
監督:ガイ・ハミルトン
衣装:エルサ・フェネル
出演者:ショーン・コネリー/オナー・ブラックマン/ゲルト・フレーベ/シャーリー・イートン/タニア・マレット