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『007/ゴールドフィンガー』Vol.2|ショーン・コネリーとアストンマーティンDB5

ジェームズ・ボンド
ジェームズ・ボンド女性目線の男磨き
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アストンマーティンDB5

この作品からボンド・カーが定番となり、そのカーの秘密兵器仕様が注目されることになりました。007人気の根底にあるのは、オトナのオトコの浪漫であり、少年が、オトナのオトコに憧れる憧憬にあります。「スーツやタキシードを着てバリバリと仕事をこなすオトナになりたい」そんな願望を抱かせるのが、ボンドムービーの魅力の根底にあります。

それはボンドのオフ・スタイルにおいても、オトナのオフの過ごし方の教本のようであり、オトナのヴァカンスとはなんぞやということの答えが詰まっています。ファッションが洗練されているからこそ、オトコは輝くのだという絶対理論がその根底には流れており、オトナのオトコの魅力を演出するにあたって必要なものが、このシリーズを見れば全てわかるという、「オトコのバイブル」の揺ぎ無い地位を今では勝ち取っています。

ジェームズ・ボンドと言えばアストンマーティンですが、本作ではじめて登場しました。

アストンマーティンDB5は、次作『サンダーボール作戦』にも登場します。

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失敗したスタイリングから学ぶものも大きい

本作に登場する全てのボンドスーツを仕立てたのは、前二作に引き続きアンソニー・シンクレアです。

ボンド・ムービーの面白さは、一つの作品の中に、大概ひとつはとんでもないスタイリング(公開当時であってもNGな)が存在することです。

本作におけるとんでもないスタイリングは、このスーツスタイルです。この明らかに失敗しているスタイリングを見ていると、どれほど魅力的な男性であっても、スーツの着こなしひとつで、こうも見るに耐えない存在感を発揮してしまうことを教えられます。

なぜかチェンジポケットだけがフラップポケットではないところに非常に違和感を感じます。

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ジェームズ・ボンド・スタイル3

カントリースーツ(とんでもないスーツスタイル)
  • テーラー:アンソニー・シンクレア
  • ダークブラウンの千鳥格子柄のスーツ、ナチュラル・ショルダー、シングルベント
  • 白のリネンのポケットチーフ
  • アンバランスなベージュ・ウールのベスト
  • フランク・フォスター、グレイ・ストライプ入りの白のドレスシャツ
  • ダークブラウン・シルク・ニットタイ

本作で最も野暮ったいという評価を得ているスーツスタイル。

モノトーンのボンドに対して、マネーペニーは常に鮮やかな色彩のファッションに身を固めます。

やはりマネーペニーはボンドムービーの〝さくら〟です。

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ジェームズ・ボンド・スタイル4

ブラック・ディナージャケット
  • テーラー:アンソニー・シンクレア
  • ブラック・ディナージャケット、ノッチラペル
  • フロントプリーツシャツ、サテン(オープニングのもの)
  • ブラック・サテンシルク・ボウタイ
  • 白のリネンのポケットチーフ

ピークドラペルではない珍しいタキシード。

タキシードはボンドムービーの命です。

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ジェームズ・ボンド・スタイル5

ダークスーツ
  • テーラー:アンソニー・シンクレア
  • ダークブルー・ヘリボーン・フランネル・スーツ、2つボタン、ナローノッチラペル
  • 白のリネンのポケットチーフ
  • グレー・ストライプ入りの白シルク・ドレスシャツ
  • ブラック・ニットタイ
  • ブラック・レザー・モカシン
  • ロレックスオイスター・パーペチュアル



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ジェームズ・ボンド・スタイル6

ゴルフ・スタイル
  • ダーク・バーガンディー〝スラセンジャー(イエローパンサー・ロゴ)〟Vネック・セーター
  • グレー・ポロシャツ
  • ダークグレーのストローフェドラ。マッチしたストライプ・リボン
  • 白×赤のゴルフグローブ
  • チャコールウール・トラウザー
  • ダークブラウン・ゴルフ・シューズ

スラセンジャーは、1881年創業のイギリスのスポーツ・ブランドです。

名門ストークポージス・ゴルフクラブで撮影されました。

この撮影により、ショーン・コネリーはゴルフに嵌ることになります。

昔の30代の男性は、いい意味で、〝オトナ〟でした。

作品データ

作品名:007/ゴールドフィンガー Goldfinger (1964)
監督:ガイ・ハミルトン
衣装:エルサ・フェネル
出演者:ショーン・コネリー/オナー・ブラックマン/ゲルト・フレーベ/シャーリー・イートン/タニア・マレット