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【セルジュ ルタンス】ラ ミール(クリストファー・シェルドレイク)

クリストファー・シェルドレイク
クリストファー・シェルドレイクセルジュ・ルタンスブランド調香師香りの美学
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ラ ミール

原名:La Myrrhe
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:1995年
対象性別:ユニセックス
価格:不明

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アドーニスの母、ミュラの涙の香り

©Serge Lutens

パレ・ロワイヤル本店限定の香りにおいて、最も特異な存在感を放つ香り「ラ ミール」は、その名のとおり、ミルラを主役に据えた香りです。

ミルラ=ミュラの名の由来は、ギリシア神話に登場するフェニキアの王女からです。美の女神アプロディーテーよりも美しいという噂話に嫉妬したこの女神が、12歳のミュラが実の父親と近親相姦するように仕向けたことから彼女の悲劇は始まります。

暗闇の中で、12夜連続、二人は身体を交わし、その娘の顔に興味を持った父親キニュラース王は、ついに明かりの下で、その娘が実の娘であることを知り激怒したのでした。

ミュラは、殺害される寸前で逃亡し、9ヶ月間彷徨った末に、アラビアに落ち延び、子を宿らせながらも、神々の同情により、ミルラ(没薬)の木に変えたのでした。そして、その木から美少年アドーニスが誕生するのでした。

セルジュ・ルタンスは、この神話を、アプロディーテーによりミルラに変えられたという解釈で、「ミュラの涙」としてこの香りを創造しました。

この香りの本当の名は、TABOO。


ミルラがアルデハイドによりシャンパンのようにスパークし、マンダリン・オレンジの香りに覆われます。アニスと蜂蜜によりミルラはその甘さと温かみに奥行きを与えられています。それはまるで生命の樹のようです。

全てはこの公式ホームページのこの一行に集約されています「Forgive this fragrance, because it knows not what it does! 」=「どうかこの香りをお許しください。小生には何が起こるか予測もつきかねます」。

つまりは、急展開するドラマティックさと静謐さの絶妙なバランスの上に生み出された香り。それが「ラ ミール」なのです。

それはまさに、夜の帳の中で、「魔の刻」を過ごす二人の男女の大罪の香りであり、その先に不幸の終着駅があるが故に、その絶頂は、神話的な恍惚感を伴うのです。香りの世界だけに許される禁忌の香りであり、それは教会のステンドガラス越しの陽光を受け美しい光に包まれたマリア像に導かれる地獄への道なのです。

この香りを調香したクリストファー・シェルドレイクという男の謎を全て詰め込んだ香りともいえます。日本中でセルジュ・ルタンスを販売している販売員の99%は、ルタンスの香りを作る男の名を知らない。まるで性交した相手が娘だと知らない父親のように・・・

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ラ ミール」を「樹脂調 アルデハイド調」と呼び、「ボトルを開けて驚いた。スパイスも、バニラも、重たい煙草も、レザーも、そしてサンダルウッドも、クレオパトラのイメージも、オリエンタル調を作り出すおなじみの材料はすべて消えうせている。」

「ミルラといわれるスモーキーなバルサム系のベースに、「ホワイトリネン」に通じるさっぱり感をともなった、光り輝くローズといった現代的なアルデハイド調のフローラルを重ねた。この意外性のおかげでラ ミーラはどういうわけか、かつて「シャリマー」がもっていた信じられないほどの明るさと甘さの絶妙なバランスを蘇らせている。」

「純粋で、清潔感があり、この世のものとは思えない美しさとエネルギーにあふれた音色を奏でる。天空まで届きそうな透明な歌声。」と5つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ラ ミール
原名:La Myrrhe
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:1995年
対象性別:ユニセックス
価格:不明


シングルノート:ムスク、ジャスミン、ロータス、サンダルウッド、アンバー、マンダリン・オレンジ、ミルラ、アーモンド、ペッパー、ホワイトハニー、香辛料

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