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【カルティエ】ソープリティ(ジャン・ギシャール)

カルティエ
©Cartier
カルティエ
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ソープリティ

原名:So Pretty
種類:オード・パルファム
ブランド:カルティエ
調香師:ジャン・ギシャール
発表年:1995年
対象性別:女性
価格:不明

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隙のない、品のある女性が、ときに見せる大胆さに魅了される。

©Cartier

ハイジュエリー・ブランド、カルティエが、1995年に発売した「ソープリティ」は、初代の孫にあたる三代目の当主ルイ・カルティエ(1875-1942)が最初の妻アンドレと結婚した100周年を記念して誕生した香りです(実際の結婚式は1898年、そして、1909年に離婚)。

それはアンドレが、(ポール・ポワレ、ココ・シャネルと共にメゾンの香水進出を先導した)ジャック・ウォルトのいとこだったこともあり、ルイ・カルティエが香水に興味を持つきっかけを生み出すことになりました。

そしてルイが妻を呼ぶ愛称が香水名となりました。〝Que serait l’audace sans la grace?(品のある女性だからこそ、時に大胆/上品さのない大胆さなどあるだろうか?)〟というテーマで生み出された香りです。

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ヴェロニク・ゴティエの登場。

ヴェロニク・ゴティエ ©Giorgio Armani

カルティエは、香水部門の充実を図り、シャネルで4年間ビューティー・プロダクト・マネージャーを勤め、プーチ社で6年間パコ・ラバンヌのフレグランス部門の責任者を勤めてきたヴェロニク・ゴティエを香水部門の責任者(1994-2000)に就任させました。

フルーツシプレのこの香りは、彼女がはじめて手がけたカルティエの香りとして、ジャン・ギシャールにより調香されました。ダイヤモンドオーキッドという新しいアコードが使用された香りです。

フルーツにダイヤモンドカットを施していくとどのような香りが生まれるだろうか?という発想で生み出された「ソープリティ」は、史上初めて生み出されたラグジュアリー・リゾートで出されるフルーツカクテルのような香りです。

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気高く輝くピーチ&カシス・ローズの煌びやかなパウダリーの余韻

©Cartier

シャンパンのように弾けるベルガモットとマンダリン・オレンジのシトラスシャワーに包まれながら、ブライダルを迎える花嫁のようにピュアなネロリの清々しさと、熟したブラックカラントとピーチの妖艶さがアルデハイドにより、ひとまとめにされ、解き放たれていくようにしてこの香りははじまります。

すぐに感じるオークモスとベチバーが甘さに渋さをミックスし、酔わせるようなクレームドカシスへと香りは変化してゆきます。

ハイジュエラーであること、それは美しいダイヤモンドを、それぞれが目立つようにセッティングするのではなく、身に着ける女性とひとつになるように、控えめなエレガンスを兼ね備わせている所にあります。

「あなたよりも大きなブランドロゴ」はハイジュエリーには必要ありません。これを香水に置き換えると、目立つ香料に染められていくのではなく、それぞれの香料がシームレスにブレンドされ、素肌とも一体化していくということなのです。

素肌に広がるピーチフィズとクレームドカシス。それらと一体化した素肌の上に、気高きセンティフォリアローズ(一本あたり12000本のローズの花弁を使用)とクリーミーなダイヤモンドオーキッドを中心にスズラン、ジャスミンが花を開花してゆきます。と同時に、うっとりと魔法にかけるように、パウダリーなアイリスシャワーが降り注いでゆくのです。

(上質な石鹸の泡に包まれるように)幻想的な花々が揺らめく中、フルーツに愛される素肌に、いつしかクリーミーなサンダルウッドとムスク、そして、バルサミックに甘やかなベンゾインとドライなシダーが匂い立ち、幼き日に憧れたエレガントな女性の横顔に、自分が確実に近づけていることを確信させる、気高く輝くピーチ&カシス・ローズの煌びやかなパウダリーの余韻に包まれてゆくのです。

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カルティエのまぼろしの〝酔わせる薔薇〟の香り

©Cartier

21世紀に生きながら、自分がまだ生まれていなかった頃の〝女性のエレガンス〟に惹きつけられる女性に捧げられた香り。もっとハイセンスな名前とボトルデザインで販売されていたら、間違いなく「ジャドール」並みに、〝永遠のクラシック〟になったであろう香りでしょう。

何よりもこの香りの魅力的なところは、オリエンタルやアジアではなく、地中海に面したヨーロッパの高級リゾートの香りが感じられるところにあります。ゲランの「ナエマ」とよく比較される香りです。

ボトル・デザインはジョエル・ディグリップによりデザインされました。キャップの上部が透かし彫りになっており、くり抜かれた薔薇の蕾をイメージしています。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ブラックカラント・シプレ」と評し、「エスカーダが1993年に「シフォン ソルベ」を発表し、思いっきりフルーティフローラルな香りにしてもいいのだということを世間に知らしめてから、誰もがフルーツポンチに着想を求め始めた。」

「この香りは、本質的には大衆向けの趣向を高級市場用にアレンジしたものだ。愛らしいローズの香りに、ボディショップの「デューベリー」が混ざって、慎ましい香りになっている。わざわざフルーティフローラルにまで身を落としたほかの香水とは違い、不快で雑然としたドライダウンにはなっていない。それどころか、ベリーを除けば、古典的なピーチ調のパウダリーな香りの処方にこだわっている。「ミツコ」とクレームドカシスの香りだ。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ソープリティ
原名:So Pretty
種類:オード・パルファム
ブランド:カルティエ
調香師:ジャン・ギシャール
発表年:1995年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:ブラックカラント、ネロリ、ピーチ、ベルガモット、マンダリン・オレンジ
ミドルノート:グラース産ローズセンチフォリア、ダマスカスローズ、ブラジル産ダイヤモンドオーキッド、中国産オスマンサス、アイリス、オリスルート、スズラン、ジャスミン
ラストノート:オークモス、ジャワ産ベチバー、マイソール産サンダルウッド、ムスク、ベンゾイン、シダー

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