香水データ
香水名:キセリュズ ルージュ Xeryus Rouge オード・トワレ
ブランド:ジバンシィ
調香師:アニック・メナード
発表年:1995年
対象性別:男性
価格:50ml/8,000円
トップノート:キンカン、タラゴン、サボテン
ミドルノート:アフリカン・ゼラニウム、ピメント、シダー
ラストノート:サンダルウッド、シダー、ホワイトムスク
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ルカ・トゥリン
★★★☆☆ ウッディ・オリエンタル
ときどき、アニック・メナードの作品(ブラック、ヒプノティック プワゾン)に、モダニストの焦燥感を感じ取ってしまう。クラシカルな雰囲気の構成を、モダンな材料のみで徹底的に作り直して築き上げたいという衝動を。それは香水業界の中でも、もっともむずかしいとされている。ひとえに天然の香料の複雑な香りを、合成香料の新しいアコードで表現しようということだけでもたいへんな労力だ。キセリュズ ルージュは「アビルージュ」に感覚的には似ているが、最終的には説得力に欠ける。甘過ぎるせいだろうか?それとも、安っぽ過ぎるせいだろうか?説明するのはむずかしい。傑作まであと一歩といった感じで、もどかしい。― ルカ・トゥリン
『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房
香水についての解説
1986年に発売されたジバンシィのメンズ・フレグランス「キセリュズ」(ギリシア神話風の名であるが、元々は、「Keryus」の名で発売される予定でした。しかし、イヴ・サンローランの「クーロス」とそっくりなため抗議され、この不思議な名前に変更されたのでした)の続編として、1995年にアニック・メナードにより調香されました。
豊潤かつフレッシュなキンカンと甘くもグリーンなタラゴンとサボテンのブレンドからはじまります。すぐに、スパイスとウッディが香り全体に〝渋くて辛い〟リキュールを口に含んだような濃厚な男の色気を加えながら、サンダルウッド、シダー、ホワイトムスク、アンバーの登場により、サボテンの緑が夕陽に照らされ赤みを帯びるが如く、甘き官能性に包まれていくのです。
オリジナルよりもより深く官能的な香りとして調香されたジバンシィ初のオリエンタル・メンズ・フレグランスとなります。
ボトル・デザインは、ピエール・ディナンによるものです。