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【セルジュ ルタンス】ムスククビライカーン(クビライカーンのムスク)(クリストファー・シェルドレイク)

クリストファー・シェルドレイク
クリストファー・シェルドレイクセルジュ・ルタンスブランド調香師香りの美学
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ムスククビライカーン(クビライカーンのムスク)

原名:Muscs Koublai Khan
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:1998年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/35,200円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス

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牙一族の香り?スーパーアニマリック伝説

©Serge Lutens

2018年11月にセルジュ・ルタンスより発売された、限られた店舗でのみ販売されている新しいプレミアムコレクション「グラットシエル コレクション」。「グラットシエル」とは、フランス語で「摩天楼」「超高層ビル」の意味です。

その黒のファセットガラスボトルのシルエットは、エンパイアステートビル、クライスラービルなど20世紀初頭から1930年代にかけてニューヨークに出現した世界初の高層ビルをモチーフにしたデザインです。1998年に販売された「ムスククビライカーン」も、このコレクションのひとつとなりました。

クビライ・カーン=フビライ・ハン(1215-1294)とは元王朝の初代皇帝であり、モンゴル帝国の初代皇帝チンギス・カンの孫にあたります。1274年と1281年の二回に渡る元寇により日本侵略を図ったこの皇帝にとって、マルコ・ポーロから聞かされたジパング(黄金の国)に対する執着は凄まじいものがありました。

一方で、セルジュ・ルタンスというフランスからやって来たクビライ・カンは、カメラと香水で、日本の文化に対する侵略に見事に成功したのですが、その侵略の最終手段として、1998年に投入したのが、この香りなのでした。

それはルタンスとシェルドレイクの初対面が日本だったという事実も反映したジパングに対する複雑な想いのたけをぶち込んだ香りなのです。

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ピーチ・トキムネ・ホージョー


アニマリックな香りのオールスターとも言える程に、シベット(霊猫香)、カストリウム(海狸香)、アンバーグリス(龍涎香)、ムスク(麝香)の四つが総出で、肌に襲来してくる衝撃のオープニングからこの香りははじまります。

我こそが北条時宗の生まれ変わりなり!という心意気で調香したのかどうかはわからないのですが、この香りを調香したクリストファー・シェルドレイクは間違いなく確信を持って「神風」というキーワードをこの香りのアニマル達の後ろに組み込んでいるのです。

ミドル以降の香りは、まさに神風によって一層されたアニマリックの後の、ムスキーローズに包まれた熟したピーチ・ティーの香りです。それはまるで元寇を跳ね除けるも若くして病に倒れ、32歳でこの世を去る北条時宗が、最後に見た極楽浄土をイメージした香りなのです。

この香りは、騎馬軍団と共に世界最大の帝国を築いた野生の男クビライ・カンと、その帝国軍が、神風により放逐され、若き日本の青年執権北条時宗率いる島国が勝利を手にする一大絵巻を香りに投影した作品なのです。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ムスククビライカーン」を「獣様ムスク」と呼び、「清潔第一の時代に、ここまで強烈な獣臭さに迫るムスクはない。」「以前の私なら、この作品を「一週間風呂に入っていないラクダ乗りのわきの下」の香りと評していただろう。」

「でも今は、この香りに嫌悪は抱かない。温かみのある動物の香りは、シベット、カストリウム、ソモーキーなバルサム、そして野蛮な獣の毛皮を着た恋人を想わせる力強い合成ムスクで作られている。」「肌につけると奥深い、蜜ロウのような古風な香りが顔を出す。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ムスククビライカーン(クビライカーンのムスク)
原名:Muscs Koublai Khan
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:1998年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/35,200円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス



シングルノート:シベット、フランス産ラブダナム、アンバーグリス、モロッコ産ローズ、キャラウェイ、アンブレット、パチョリ、ムスク、バニラ

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