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【ゲラン】アビルージュ(ジャン=ポール・ゲラン)

ゲラン
©GUERLAIN
ゲランジャン・ポール・ゲランブランド調香師香りの美学
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アビルージュ

原名:Habit Rouge
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:ジャン=ポール・ゲラン
発表年:1965年
対象性別:男性
価格:50ml/9,350円
販売代理店ホームページ:ベルコスメ

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ジャン=ポール・ゲランが最も嫌悪する香り

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1963年5月2日に88歳でジャック・ゲランが死ぬ少し前に、大腿骨を骨折し寝たきりになっていたこの伝説の調香師は、ゲランの四代目調香師を引き継ぐジャン=ポール・ゲランをはじめとする一族の調香師たちに、遺言のような宿願を託していました。

その宿願とは、自ら調香したオリエンタルの歴史的傑作「シャリマー」の男性用の香りを作って欲しいということでした。かくして、この香り「アビルージュ」は、ジャックの死後2年後の1965年に四代目調香師ジャン=ポール・ゲランにより完成され、発売されたのでした。

四代目調香師ジャン=ポール・ゲランと三代目調香師ジャック・ゲランの貴重な2ショット写真。©GUERLAIN

この香りにより、それまでは女性のためにだけ存在していたオリエンタルという「香りの門」の扉が、男性のためにこじ開けられたのでした(バニラは60年代において、男性のための香りには使用されなかった)。ここに史上初のオリエンタル系メンズ・フレグランスが誕生したのでした。

しかし、この香りを調香した当のジャン=ポール・ゲランは、この香りを忌み嫌い、決して肌につけることはありませんでした。その理由は、この香りが彼に悪い記憶を蘇らせるからでした。その記憶とは、彼がこの香りを完成した後、叔父達が「あなたは何を作ったんですか?これは男性用の香りではなく、女性のための香りとしか思えない!」と散々駄目だしされた難産の末産み落とされた香りのためでした。

そのため1967年に甘さを抑えた「アビルージュ ドライ」を調香しないといけない羽目になったのでした。しかし、この香りは大失敗し、オリジナル作の方が、じわじわと70年代に入り受け入れられる結果となりました。

以後、フランスでは「オーソバージュ」に匹敵するメンズ・フレグランスの定番となっていくのでした。

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ゲラン史上初のオリエンタル系メンズ・フレグランス

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60年代半ばまでメンズ・フレグランスは、とてもスパイシーかビターなものだけした。そんな中、とても甘いこの香りが現れたのでした。

私は2つか3つ新しい素材をこの香りのために使用しました。そして、以後、二度とこれらの素材を使用することなく、この香りのためだけに封印しました。

ジャン=ポール・ゲラン

ジャン=ポール・ゲランは、少年の頃から乗馬を愛していました。そして、調香師になっても、並行して、ドレサージュ(馬場馬術)の選手として第一線で活躍していました。ちなみに1974年には4年に一度行われる世界ドレサージュ選手権(世界馬術選手権の前身)に出場するほどでした。

そんな彼がランブイエ城のプロムナードを乗馬しながら散歩していたときにこの香りのアイデアが閃いたのでした。それは、普段は黒色のジャケットを着ている選手たちが、国際大会などでのみ着ることが許される憧れの〝赤色のジャケット〟をテーマにした香りを作るというアイデアでした。

「アビルージュ」とは、「赤い乗馬服」の意味です。かくして、最高の舞台に臨むために、正装した男と油を塗り毛並みを整えた馬が一心同体になり、戦いに挑む姿を香りに託したのでした。

この香りは「男性のためのシャリマー」とも呼ばれています。つまりは、ゲルリナーデ(ベルガモット、バニラ、パチョリ、トンカビーン)を男性の香りのためにはじめて駆使した香りなのです。

ちなみに、ゲランの五代目調香師ティエリー・ワッサーが13歳のときにはじめて身に纏った香りがこの香りでした。「当時すでに時代遅れな香りでしたが、背伸びしたかった私には、大人の男性の香りと言えば真っ先にこの香りの名が頭に浮かんだのでした」。

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女性も使えるメンズ・フレグランスの最高峰

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ビターオレンジとベルガモットをセンターに据えたライム、タンジェリン、レモンといった柑橘系が、フレッシュさとシャープさを競い合うように香り立つオールスターの饗宴からこの香りの幕は切って下ろされます。

さぁ、赤い乗馬服を着た選手の登場です。このファンファーレと共に、すぐにパウダリーなバニラが全体の空気を包み込んでくれます。どうもこの柑橘系は、ゲランという調教師により鍛え上げられた柑橘系のようです。とても深みと切れがあります。

やがて、パチョリと結託したハーブ(バジル、タラゴン)&スパイス(シナモン)連合と、(スモーキーでも滑らかくもない、独特なアンバー風味の)レザーの香りのコントラストが、アイリスのパウダリーさを追加したバニラとベンゾインによるクリーミーさと結びつきます。

それはまるで奇跡とも言えるほどの〝香りの三角関係〟を生み出しています。そして、ローズ、ジャスミン、オレンジ・ブロッサム、カーネーションの花が咲くのです(ラベンダーがアクセントとして効いています)。

ここで誤解を解くならば、この香りは乗馬行為を連想させる馬の野生(アニマリック)や疾走する大地の香りではないということです。むしろ、馬具(サドル、グローブ、乗馬鞭)とそれを装着した男の自信を体現した洗練された香りです。

ドライダウンに向かいゲルリナーデはその姿をより明らかなものとし、サンダルウッドとバニラが絶妙なバランスで、クリーミーさと甘さを削ぎ落され、省略の美学を男の体に打ち込んでくれるのです。

元々は1965年にオーデコロンとして登場しました。そして、1988年からオードトワレが発売され、オードパルファムは2003年から発売されました。そして、同年オードトワレも再調香されました。

ボトル・デザインはロベール・グラネによるものです。木製のキャップを携えた、ブリーフケースからインスパイアされた幾何学的で重みのあるフォルムがモダンな印象をもたらします。

ゲランの「オー ドゥ シャリマー」やペンハリガンの「カスティーユ」と比較される香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「数あるどの香水よりもまっさきに惹きつけられ、永遠に惹かれ続けるもののひとつだ。オレンジの花とオポポナックスのアコードは柔らかでありながら粗い。ハンサムな顔に無精ひげが生えているようだ。美そのものといった感も少しある。即座に美しいと気づくが、その本質がすっかり解明されることはない。」

「新しくなった「アビルージュ」は、エドゥアール・フレシェが自らクリーンアップを行ったのだろうか。以前よりつつましく、めかしこんだけばけばしさが薄れている。おかげでこの香水のいちばんの魅力が引き立っている。驚きはしたが、よくよく考えてみればわかりきったことだ。天才の作品である証拠だ。」と5つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:アビルージュ
原名:Habit Rouge
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:ジャン=ポール・ゲラン
発表年:1965年
対象性別:男性
価格:50ml/9,350円
販売代理店ホームページ:ベルコスメ


トップノート:レモン、ブラジリアン・ローズウッド、オレンジ、ベルガモット、ライム、タンジェリン、バジル、タラゴン
ミドルノート:ローズ、カーネーション、サンダルウッド、クローブ、シナモン、パチョリ、ジャスミン、シダー、ラベンダー、アイリス、ネロリ
ラストノート:バニラ、レザー、アンバー、ベンゾイン、オークモス、ラブダナム、トンカビーン

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