スパイス ブレンド
原名:Spice Blend
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:40ml/14,850円、125ml/31,680円、250ml/45,100円
公式ホームページ:DIOR
サラリーマン調香師の悲哀

@DIORBEAUTY

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父の薬局の棚に置かれていた、興味をそそられるボトルを今でもはっきりと覚えています。それは香りまでは覚えていないのですが、ベイラム(ベイツリーの葉をラム酒に漬けて蒸留して作るアフターシェーブローション)でした。『スパイス ブレンド』は幼少期のエキゾチックな記憶の風景を、香りに転写したフレグランスです。温かみのある香りが、何種類ものスパイスによって支えられています。『スパイス ブレンド』は、旋回するつむじ風のよう。炎のような情熱を焚きつけるか、それとも清々しい爽快感をもたらすか。気まぐれで魅力的なフレグランスです。
フランソワ・ドゥマシー
「スパイス ブレンド」は、クリスチャン・ディオールの最上級フレグランスコレクション「メゾン クリスチャン ディオール」より2019年9月に発売されました。
ディオールの専属調香師フランソワ・ドゥマシーが、父親の薬局の棚に置かれていたボトルの想い出からインスパイアされ、作り出されたオリエンタル・スパイシーの香りです。
マルティニーク産ラムから抽出されたラム・アブソリュートと、爽やかなジンジャーがペッパーと絡み合うトップノートからはじまり、スパイスが混ざり合い、静かに燃え上がる温かさにラムは包まれます。
ベースとして使用されているベイリーフのウッディさが香り全体のスパイスとラムを優しく底上げしてくれます。
スパイスという名が示すスパイスはこの香りには存在しません。それは何か日本人が作った韓国料理のような「スパイスの持ち味が生かされていない甘辛い」香りです。
つまりは、フレグランスIQが低い人々さえもターゲットにしなければいけないというサラリーマン調香師が生み出した、悲哀に満ちたサラリーマン・フレグランスとでも申しましょうか。
どうせスパイスの香りを使うのなら、ジャン=クロード・エレナがフレデリック・マルやエルメスで創造したスパイス・フレグランスの方が遥かに魅力的だと断言せざるを得ません。贅沢な素材で、チープな香りを生み出さざるを得ない〝哀しき天才〟の香りです。
香水データ
香水名:スパイス ブレンド
原名:Spice Blend
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:40ml/14,850円、125ml/31,680円、250ml/45,100円
公式ホームページ:DIOR
トップノート:マルティニーク産ラム、ジンジャー
ミドルノート:ピンクペッパー、マダガスカル産ブラックペッパー、ナツメグ、中国産シナモン、マダガスカル産クローブ、ロシア産コリアンダー
ラストノート:ドミニカ共和国産セントトーマス・ベイ・リーフ