アストンマーティンDB5
『ゴールドフィンガー』からボンドムービーにおいてボンド・カーが定番となり、車に搭載される秘密兵器が注目されることになりました。ボンドムービー人気の根底にあるのは、オトナのオトコの浪漫であり、少年たちが「スーツやタキシードを着てバリバリとミッションをこなすオトナになりたい」という願望を抱かせるところにあります。
さらに、大人になると良く分かるのですが、オフ・スタイルにおいても、大人の男性のオフの過ごし方の教本のようであり、オトコのヴァカンスとはなんぞやという〝永遠のファイナル・アンサー〟が詰まっています。
ファッションが洗練されているからこそ、オトコは輝くのだという絶対真理。そんなオトナのオトコの魅力を演出するために必要なものが、このシリーズを見れば全てわかるという、「オトコのバイブル」の揺ぎ無い地位を勝ち取ったのは本作からでした。
失敗したスタイリングから学ぶものも大きい。
ボンド・ムービーの面白さは、一つの作品の中に、ひとつはとんでもないスタイリング(公開当時であってもNGな)が存在することです。
本作におけるとんでもないスタイリングは、このスーツスタイルです。この明らかに失敗しているスタイリングを見ていると、どれほど魅力的な男性であっても、スーツの着こなしひとつで、こうも見るに耐えない負のオーラを解き放ってしまうことを教えられます。
なぜかチェンジポケットだけがフラップポケットではないところに非常に違和感を感じます。
ジェームズ・ボンド・スタイル3
カントリースーツ(とんでもないスーツスタイル)
- テーラー:アンソニー・シンクレア
- ダークブラウンの千鳥格子柄のスーツ、ナチュラル・ショルダー、シングルベント
- 白のリネンのポケットチーフ
- アンバランスなベージュ・ウールのベスト
- フランク・フォスター、グレイ・ストライプ入りの白のドレスシャツ
- ダークブラウン・シルク・ニットタイ
ジェームズ・ボンド・スタイル4
ブラック・ディナージャケット
- テーラー:アンソニー・シンクレア
- ブラック・ディナージャケット、ノッチラペル
- フロントプリーツシャツ、サテン(オープニングのもの)
- ブラック・サテンシルク・ボウタイ
- 白のリネンのポケットチーフ
ジェームズ・ボンド・スタイル5
ダークスーツ
- テーラー:アンソニー・シンクレア
- ダークブルー・ヘリボーン・フランネル・スーツ、2つボタン、ナローノッチラペル
- 白のリネンのポケットチーフ
- グレー・ストライプ入りの白シルク・ドレスシャツ
- ブラック・ニットタイ
- ブラック・レザー・モカシン
- ロレックスのオイスター・パーペチュアル
ジェームズ・ボンド・スタイル6
ゴルフ・スタイル
- ダーク・バーガンディー〝スラセンジャー(イエローパンサー・ロゴ)〟Vネック・セーター
- グレー・ポロシャツ
- ダークグレーのストローフェドラ。マッチしたストライプ・リボン
- 白×赤のゴルフグローブ
- チャコールウール・トラウザー
- ダークブラウン・ゴルフシューズ
作品データ
作品名:007/ゴールドフィンガー Goldfinger (1964)
監督:ガイ・ハミルトン
衣装:エルサ・フェネル
出演者:ショーン・コネリー/オナー・ブラックマン/ゲルト・フレーベ/シャーリー・イートン/タニア・マレット
- 【007/ゴールドフィンガー】空飛ぶギロチンハットと黄金美女
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.1|ショーン・コネリーとロレックスとワルサーPKK
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.2|ショーン・コネリーとアストンマーティンDB5
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.3|ショーン・コネリーとハロルド坂田
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.4|ショーン・コネリーとアンソニー・シンクレア
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.5|黄金美女シャーリー・イートン
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.6|元祖・美魔女オナー・ブラックマン
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.7|オナー・ブラックマンのパンツ・ルック
- 『007/ゴールドフィンガー』Vol.8|タニア・マレットと黄金美女たち