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【ディオール】アイ ラブ ディオール(フランク・フォルクル)

クリスチャン・ディオール
©Christian Dior
クリスチャン・ディオール
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アイ ラブ ディオール

原名:I Love Dior
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2002年
対象性別:女性
価格:50ml/7,150円

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ディオール×デニム・コレクションを香りに

©DIORBEAUTY

広告で着用していたデニム・ビスチェ。ディオール2001年SSオートクチュールコレクション ©VOGUE

1999年、世紀末にディオールから発売され、世界的大ヒットとなった「ジャドール」。その名の意味は、フランス語で〝大好き〟です。その表現をさらに〝私はディオールを愛している〟と直接的な名前にした「アイ ラブ ディオール」は、2002年に限定発売されました(免税店のみ)。フランク・フォルクルにより調香されました。

1999年に限定発売された「リリー」、2000年の「リメンバー ミー」、2002年の「フォーエヴァー アンド エヴァー」の流れをくむ限定シリーズのひとつです(日本では2003年2月に発売)。

デニムを履いたボトルと赤いハートマークが印象的なこの香りは、労働者のワークウェアとして生まれたデニムを1997年に史上初めてオートクチュールのランウェイに登場させた、ジャン=ポール・ゴルチエのスタイルから影響を受け、2001年SSのオートクチュール・コレクションに昇華させたジョン・ガリアーノ×ディオールの精神が投影されています。

つまり新世紀はじめにディオールが突き進んでいた、ラグジュアリーではなかったモノにラグジュアリーの精神を与えていく作業が、デニムとオートクチュールの融合により、ひとつのトレンドを生み出した瞬間でした。

しかし、この香りは、そういった精神とはほとんど関係なく、街の香水ショップに激安で出回るという状況により、日本でヒットすることになりました。

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デニムの歴史についておさらいしてみようじゃないか。

ジャン=ポール・ゴルチエの1997年SSオートクチュール・コレクション ©VOGUE

2001年にデニム地から作られたビスチェが一大センセーションを生み出しました。ディオールのデザイナーであるジョン・ガリアーノによる「デニムにグラマラスな精神を吹き込み、ディオール化」するという試みが、デニムを一瞬にして、ラグジュアリー・ファッションのアイテムへと昇華させたのでした。

デニムとファッションの歴史は、1873年にサンフランシスコでジェイコブ・デイヴィスとリーバイ・ストラウスによって本格的にはじまりました。デニム地のパンツであるジーンズの誕生です。ポケットや力のかかりやすい箇所を銅製リベットで補強したこの画期的なパンツは、カウボーイや労働者のワークウェアとして瞬く間に流通しました。

リーバイスの中でも最もクオリティが高かったのが「501」でした。第二次世界大戦後、『理由なき反抗』(1955)でジェームズ・ディーンが履いていたこともあり、世界中の若者たちはジーンズに惹きつけられるようになりました。そして、1970年代から80年代にかけラルフ・ローレンやグロリア・ヴァンダービルト、カルバン・クラインなどがデザイナーズ・ジーンズを流行させることになりました。

やがて、1997年にオートクチュール・コレクションのランウェイにはじめてデニムが登場することになりました。ジャン=ポール・ゴルチエのファースト・コレクションにおいてでした。この年、ガリアーノも、ディオールのデビュー・コレクションを発表していました。

ディオール2001年SSオートクチュールコレクション ©VOGUE

ディオール2001年SSオートクチュールコレクションのジョン・ガリアーノ ©VOGUE

そして、ジョン・ガリアーノが2001年SSのオートクチュール・コレクションにおいて、ディオール史上初めてデニムを中心としたコレクションを誕生させたのでした。

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エレガントな女性が履くデニムのリラックス感を香りに。

ディオール2001年SSオートクチュールコレクション ©VOGUE

ディオール2001年SSオートクチュールコレクション ©VOGUE

ディオールのデニムの香りは、清潔感に満ちた意志の強い女性の香りです。キリっとした育ちの良い女性というよりも、育ちは良くないが、自分の信念を決して曲げない女性からにじみ出るクールネスをボトルに封印したような香りです。

そんなクールにデニムを着こなす女性が、太陽の光の下で、心を解放して微笑む瞬間。それがこの香りのはじまりの感覚です。キリっとしたフリージアとマグノリアが、太陽の輝きそのもののジューシーなオレンジにほだされ、新鮮で爽やかな朝の光を広がらせてゆきます。

すぐにムスクとシダーの風に乗り、ブラックカラントとラズベリー、洋ナシが加わり、フルーティな白ワインのような芳醇さを加えてゆきます。そこに、スズラン、百合、ハニーサックル、ローズといった花々がふんわりと柔らかく素肌の上に咲いてゆきます。

やがて、すべてがひとまとめに、(洋ナシを中心とした)フルーツと(スズランを中心tのした)フローラルが、しずやかにキラキラとパウダリーな余韻を残してくれます。

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香水データ

香水名:アイ ラブ ディオール
原名:I Love Dior
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2002年
対象性別:女性
価格:50ml/7,150円


トップノート:マンダリン・オレンジ、ビター・オレンジ、フリージア、マグノリア
ミドルノート:ハニーサックル、スズラン、ブラックカラント、百合、洋ナシ、ラズベリー、ローズ
ラストノート:シダー、アンバー、ムスク

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