究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

【ディオール】サンタル ノワール(フランソワ・ドゥマシー)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
クリスチャン・ディオール
この記事は約4分で読めます。
当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

サンタル ノワール

原名:Santal Noir
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml/39,600円、250ml/55,880円
公式ホームページ:DIOR

スポンサーリンク

ルイ・ヴィトンの「オー アザール」と一卵性双生児のような関係

©DIORBEAUTY

ディオールの「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」は、2004年に「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」「ボア ダルジャン」という3種類の香りからはじまりました。そして、2009年に「アンブル ニュイ」が発売され2017年までコンスタントに新作がリリースされていました。

このコレクションが、2018年に「メゾン クリスチャン ディオール」として一新されました。そして、新作のうちのひとつとして「サンタル ノワール」が発売されました。ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。

ドゥマシー自身が所有するスリランカのサンダルウッドから抽出された天然のサンダルウッド精油と、二酸化炭素抽出したアンブレットシードが使用されているこの香りと、ルイ・ヴィトンで2018年にジャック・キャヴァリエが調香した「オー アザール」を比較してみると非常に興味深いです。

ちなみに「サンタル ノワール」のノワール=黒は、アンブレットシードの黒から導き出されています。

スポンサーリンク

「オー アザール」に匹敵する、〝ディオールのしっぽり媚薬〟

©Christian Dior

©Christian Dior

サンダルウッドは温かみのあるミルキーで心地よいニュアンスを持つ神聖なる木です。その香りに、フルーツやリキュール、アンバー、ムスクを感じさせる香り高いアンブレットを加え、新しい魅力を引き出しました。そうすることで、まろやかで包み込むサンダルウッドの香気には惜しみないエネルギーがもたらされ、さらに表情豊かなターキッシュローズエッセンスによって高められています。

フランソワ・ドゥマシー

同じ時期に、同じ施設(レ フォンテーヌ パルフュメ)で、二人の調香師が生み出した香り、それが「サンタル ノワール」と「オー アザール」です。クリーミーなサンダルウッドとムスキーなアンブレットシードのマリアージュの中に彷徨いこむローズのランデブーが前者であるなら、同じく彷徨いこむマンダリンとカルダモンのランデブーである後者は、とても似ている部分と全く違う部分を持つ一卵性双生児のような関係です。

何よりも肌馴染みの良いサンダルウッドとアンブレットシードが耕す、素肌の土壌の上に、花を咲かせるローズの香りは、ワインのようでもあり、花蜜のように濡れそぼち、タバコのようなスモーキーさも兼ね備えた〝いまはしいものの色香に迷わされる〟ような香りです。

それはまるでクリーミーなサンダルウッドとアンブレットシードに磨き上げられた肌の上に、うっとりするような柔らかい他人の素肌が重なり合い、やがてローズと交わり合いドライなウッドで満たし満たされ、〝離れたくない〟本能のスイッチが押されるようです。昭和の歌謡曲のような、ねっとりとした情緒溢れる妖艶さに満たされる香りともいえます。

フランソワ・ドゥマシーの凄いところは、でんきくらげやしびれくらげといった言葉を連想させる、しっぽりとした香りを生み出せるところにあるのです。それは予測不可能な天然の三つの香りの交わり合い=ウッドとローズとムスクの黄金比、により導かれる、感情のよろめきなのです。まさに「オー アザール」に匹敵する〝ディオールの媚薬〟です。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:サンタル ノワール
原名:Santal Noir
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml/39,600円、250ml/55,880円
公式ホームページ:DIOR


シングルノート:サンダルウッド、ターキッシュローズ、アンブレット