ジャドール
原名:J’Adore
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:カリス・ベッカー→フランソワ・ドゥマシー
発表年:1999年
対象性別:女性
価格:20ml/6,050円、30ml/10,230円、50ml/14,740円、100ml/21,120円
販売代理店ホームページ:DEPACO(大丸松坂屋コスメオンラインストア)
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ディオール帝国ジャドール王朝のはじまり

1999年広告。初代モデル:カルメン・カース。撮影:ジャン・バプティスト・モンディーノ。@DIORBEAUTY

2010年。三代目モデル:シャーリーズ・セロン。撮影:ジャン・バプティスト・モンディーノ。@DIORBEAUTY
ジャドールは、特別なフレグランスです。というのは際立った個性を備えながらも親しみやすい魅力を持つという挑戦を受けて立っているからです。重苦しくならずに官能的であること、それは、相容れないものを組み合わせることであり、それがアイコニックなフローラルノートから、今までにない魅力的でミステリアスなフレグランスに仕上げるのです。ジャドールは、実際には存在しない理想の花を創り出したのです。
フランソワ・ドゥマシー(ディオール公式ページより)
20世紀末、香水産業は斜陽の予兆を見せ始めていました。フランスの市場は、香水に興味を失い始め、アメリカの市場は、これ以上成長の見込みがなく、ドイツの市場は縮小傾向にありました。であるにもかかわらず、香水のための広告代は跳ね上がる一方でした。
ひとつの新しい香水の為に数千万ドルかかる状況の中、どのブランドの香水部門も新作に対して、満足の行く売上を上げることができませんでした。そんな状況の中で、この香水は生み出されたのでした。
男性の調香師が愛する女性のために香りを作るように、私は、女性の調香師として、自分自身のために、女性の香りを作りました。
カリス・ベッカー
(1995年から2004年にかけて)ディオールのパルファム部門のグローバル・マーケティング・ディレクターサビーナ・ベッリの前に集められた9人の調香師による9つのサンプルからこの奇跡の香りの物語は始まりました。
そのうちのひとつのサンプルが、「もし、ゴールドを香りにしたら、どんな香りになるのだろうか?」という思いを香りに詰め込んだ女性調香師カリス・ベッカーによるものでした。
そのサンプルをサビーナが、オペラ鑑賞の日に身に纏い、大賞賛されたことからこの香りが「ジャドール」になったのでした(消費者テストで不評だったこの香りに対して、サビーナの夫が、「あの日の賞賛の方が当てになる!」と、彼女にこの香りを、ジャドールにすることを選ばせたのでした)。
それは、宝石がキラキラ輝くように花々の呼吸を感じ取ることが出来るフレッシュフローラル・ノート誕生の瞬間でした。そして、この香りは、2000年に1億2000万ドルの売り上げを記録することになったのでした。
マサイ族のネックレスをモチーフにしたボトル・デザイン

1999年広告。初代モデル:カルメン・カース。撮影:ジャン・バプティスト・モンディーノ。@DIORBEAUTY
「ジャドール」とは、フランス語で、「大好き」という意味です。古代ギリシアのアンフォラのようなボトルデザインは、宝飾デザイナーのエルヴェ·ファン·デル·シュトレーテンによります。
それは、1947年にクリスチャン・ディオールによって生み出されたニュールックのドレス・ラインと、マサイ族のネックレス(当時のディオールのデザイナーであるジョン・ガリアーノのアイデア)からインスパイアされたデザインです。
カリス・ベッカーはサンプルの最終調整にあたり、ディオール社より「トッズの靴のようにとても快適な履き心地でありながら、セクシーなスティレットヒール」のような香りを作って欲しいという難解な要望を出されていました。
1999年から2010年までのオリジナルの香り

2000年広告。二代目モデル:ティウ・キュイク。撮影:ジャン・バプティスト・モンディーノ。@DIORBEAUTY
「ジャドール」のとても官能的なベースは、祖母がよく作ってくれたコンポートから来ています。プラムをバニュルスワインで煮込み、シナモンとレモンの皮を少し加えたものです。
煮込んでいる間、蒸気がうっとりするように立ち上り、すべての味覚を刺激し、引き込まれていきました。素晴らしく活気に満ちており、私の感情を揺さぶるこのすべての強さが、この香りの永遠の品質を保証しているのだと思います。
カリス・ベッカー
フルーティーかつ官能的なプラムと煌めくようなグリーンノート(アロマティックなグリコリエラール)からはじまり、やがてローズが花開きます。と同時に、プラムとブラックカラントを伴奏に続々と!ヴァイオレット、フリージア、ジャスミン、ハニーサックル、チューベローズが開花していきます。まるでドミノ倒しに花々が開花するように、一斉ではなく、順々に。これが、元祖ディオールにおけるマジック・モーメントです。
明らかに、昔のジャドールの香りのフローラルは、それぞれの花々が歌っているのです。ローズは気高く、ジャスミンは甘く、ヴァイオレットはどこか儚く・・・それでいてそれぞれの歌声に調和が取れており、見事なハーモニーを生み出しているのです。
まるでハリー・ウィンストンのあの魅惑のシャンデリアの下で輝くダイアモンドのように呼吸するように煌めくゴージャスなフローラルノートを経て、黄金のアンバーに煌めくシルキーなドライダウンへと香りは包み込まれていきます。
その3つの煌めきは、同じ煌めきという言葉であっても、まったく違う煌めきであることが、このジャドールの香りの恐ろしさなのです。それは言葉を超えた香りなのです。
ベースに存在するトンカビーン、バニラ、ニオイイリスの根茎がフローラルに生命力を与えていることは間違いありません。
ちなみにオリジナルのジャドールの香調は以下のとおりです。
トップノート:プラム、マンダリンオレンジ、ベルガモット
ミドルノート:チャンパカ・フラワー、つたの葉、ジャスミン・サンバック、ターキッシュローズ、ヴァイオレット、オーキッド、ブラックカラント
ラストノート:ムスク、ウッディノート
2010年以降のジャドールの香り

2014年。三代目モデル:シャーリーズ・セロン。ドバイの夜景を背景に。@DIORBEAUTY
私に次のジャドールを作らせてください。
ティエリー・ワッサー(ゲランの専属調香師)
現在のジャドールは、2006年以降、ディオールの専属調香師であるフランソワ・ドゥマシーにより2010年に再調整されたものです。
それはトップにコモロ諸島産イランイランエッセンス、ミドルにダマスクローズ・エッセンス、ラストにマツリカジャスミンとグラースジャスミンという全く違う香りになってしまいました。
2010年以降の香りは、トップの煌めくようなグリーンが排除され(洋ナシにその片鱗があるにはある)、ピーチとマンダリン・オレンジが際立つフルーティーさだけが香り立ちます(カリス・ベッカーの天才性はここにありました。最初に頬を叩き、後から甘い言葉を囁いてくれる人なのです。ドゥマシーのジャドールにはそれがありません)。
そして、煌めきのフローラルノートも、ジャスミンとバニラの甘さに包まれたダマスクローズ、チューベローズ、イランイランに、トップのフルーツが絡み合う、「決して嫌われない」、もしくは、フレグランスIQの低い男性から好まれる程度の量産型フルーティフローラルに置き換えられています。
ベースも、そんな量産型に相応しいサンダルウッドとムスクです。
2013年、ジャドールは、世界で最も売れた香水になりました(ジャドールは、発売して僅か数年間で一億二千万ドルの売上を上げた香りでもあった)。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ジャドール」を「ピーチ様ローズ」と呼び、「1999年に初めて発表されたときには、カリス・ベッカーの「トミーガール」へ向かうような感じだった。毎日雨上がりの朝みたいな新鮮なアップルティーのフローラル。それに比べて、ジャドールはベッカーのいつものフローラルスタイルから放たれる雪のまばゆい光が、美しくダークな砂糖漬けプラムのノートを経由して、アンバーのフィルターを通り過ぎた。黄金に輝くサンセットから紫の夕闇に染まる。残香は「パルファム・サクレ」の暗いお香のようなローズに驚くほど近かった。過去形を使っているのは、今では変わってしまったから。」
「パフュームオイルはすべてジボダン社(世界最大の香料メーカー)から完成品を取り寄せているだけだったけど、今では自社で一部製造している。その責任者は、かつてシャネルの調香師だったフランソワ・ドゥマシー。こんにちのジャドールはみごとなピーチと石けん様のローズフローラル。以前あった夕方の輝きはない。自分のコピーを作っちゃったみたいな香り。かなり好きだけど、大好き(ジャドール)ではない。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ジャドール
原名:J’Adore
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:カリス・ベッカー→フランソワ・ドゥマシー
発表年:1999年
対象性別:女性
価格:20ml/6,050円、30ml/10,230円、50ml/14,740円、100ml/21,120円
販売代理店ホームページ:DEPACO(大丸松坂屋コスメオンラインストア)
トップノート:マグノリア、メロン、ピーチ、セイヨウナシ、マンダリンオレンジ、ベルガモット
ミドルノート:チュベーローズ、イランイラン、プラム、オーキッド、ヴァイオレット、フリージア、ジャスミン、ダマスクローズ、スズラン
ラストノート:バニラ、サンダルウッド、ムスク
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