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【ディオール】ドルチェ ヴィータ(ピエール・ブルドン)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
クリスチャン・ディオール
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ドルチェ ヴィータ

原名:Dolce Vita
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:ピエール・ブルドン
発表年:1994年
対象性別:女性
価格:不明

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クリスチャン・ディオールの「甘い生活」

©DIORBEAUTY

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1985年に「プワゾン」の大成功により、ディオール帝国を再び、フレグランスの盟主へと導いた、当時のパルファン・クリスチャン・ディオールの社長(1981-1996)、モーリス・ロジェは、「ファーレンハイト」(1988)「デューン」(1991)を経て、1994年に彼の最後の作品となる「ドルチェ ヴィータ」を発売することになりました。

〝ドルチェ ヴィータ〟とはイタリア語で「甘い生活」の意味であり、フェデリコ・フェリーニ監督が1960年に作った芸術作品のタイトルです。この香りは、この映画のムードを香りに置き換えた甘いフルーティフローラル・オリエンタルの香りです。

1960年代から70年代にかけてのパルファン・クリスチャン・ディオールの製品開発部門のジェネラル・マネージャーだったルネ・ブルドンの子息であり、エドモン・ルドニツカの愛弟子でもある(それまでダビドフの「クールウォーター」とクリードの数々の香りを生み出していた)ピエール・ブルドンにより調香されました。

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すべては「フェミニテ デュ ボワ」からはじまりました。

©Shiseido

「ドルチェ ヴィータ」誕生のすべてのはじまりは、1968年に、セルジュ・ルタンスがモロッコ・マラケッシュで見つけたある木片でした。とてもかぐわしい香りのするこの木片に惚れ込み、いつか〝シダーの香水〟を作りたいと考えるようになったのでした。

それは、丁度一年前の1967年にクリスチャン・ディオールのメイクアップラインの開発のため初代アーティスティック・ディレクターとして雇用されたセルジュが、ディオールの仕事で初めてモロッコに行った時でした。

ちなみに、彼は1968年にメイクアップラインを発表し、そのスモーキーなアイシャドウは一世を風靡することになりました(そのすぐ後に、エスティローダーも同じようなメイクアップラインを発表しました)。

彼は、80年代後半にクエストと資生堂のチームをマラケッシュに呼び、フルーティな木の香りをベースにした香水を作る準備に取り掛かりました。

そして、ピエール・ブルドンと出会い、革命は始動したのでした。さらにその構想をクリストファー・シェルドレイクが引き継ぎ、1992年に「フェミニテ デュ ボワ」は完成しました。この時のアイデアをブルドンが、モーリス・ロジェの協力の下で生み出したのが「ドルチェ ヴィータ」なのです。

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夏の夜のローマを、蝶のように舞う〝享楽のフレグランス〟

©DIORBEAUTY

イタリアン・リヴィエラにあるリグーリア海岸沿いの道を、オープンカーで駆け抜けていく、ラグジュアリー感に心は躍り、満たされていくムード。そんな贅沢な感覚を胸いっぱいに受け止めながら、無邪気さと眩しさに満ちたフルーティでフローラルな香りと、スパイシーで官能的なシダーの香りのハーモニーにより表現した、食欲と性欲を結びつけるように、おいしい香りとおいしい肉体を結び付けていく〝享楽のフレグランス〟。 

マグノリアの星降る青空の下を車で駆け抜けてゆく中、弾けるベルガモットとグレープフルーツの中から溢れ出すジューシーなピーチとスパイシーなカルダモンの、太陽のように明るくかがやくミルキーな香りからこの香りははじまります。

すぐに香り豊かにシュワっと小さく発泡するシナモンと、ピリっとスパイシーなカーネーション、そして蜃気楼のようにパウダリーな甘さを広がらせるバニラが振り掛けられ、スパイシーな甘い果実(ピーチとアプリコット)と(マグノリアに、パウダリーなローズと青々としたリリーも加えられた)花の香りが満ち広がってゆきます。

そして海辺の杉林の香りが飛び込んでくるのです。うっとりするほど美しく心を高揚させるシダーの香りに、滴り落ちる花蜜と果蜜は、素肌の上を磨き上げるように引き伸ばされていくのです。どこか香ばしいパイの生地の香りも感じさせます。

やがて、辛口の赤ワインのようなローズウッドとクリーミーなサンダルウッドが、ヘリオトロープとココナッツの甘さを加え、イタリアの夜の輝きの中で、自由奔放に蝶のように舞う、夏の日の幻のような透き通るように柔らかな魅惑の温かな余韻で全てを包み込んでゆくのです。

深いスリットの入った古代ローマ風のロングドレスからはちきれんばかりの胸の谷間と美脚を揺らめかせるイタリア美女の妖艶さを感じさせながらも、どこかほんわかとした心地よさで包み込んでくれる、包容力のある肉感的な美女に優しく抱擁されていくような夢のような香り。

若々しくて張りのあるボディでダンスする細い女性が、無邪気に果汁を迸らせながら、だんだんと陽気で豊満なマリリン・モンローのような甘やかな女性へと年輪を重ねていく、そんな魅力的な女性の成長の中に身を置くような豊潤さがあります。

実に個性的なボトルのデザインは、セルジュ・マンソーがデザインしたものです。「フェミニテ デュ ボワ」が陰ならば、こちらは陽。あちらが、孤独が似合う翳のある絶世の美女なら、どこまでも男を幸せにしてくれそうな笑顔がうつくしい女性。つまりは〝幸せをボトルに詰め込んだような香り〟なのです。

もし、この香りの名が、フランス語の「ラヴィアンローズ」だったならば、この香りの運命は、ジャドールの登場は必要なかったかもしれません。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「1995年に登場したドルチェ ヴィータは、その3年前に資生堂から発売された清楚で美しい「フェミニテ デュ ボワ」の陽気で派手な妹だ。しばらく廃盤になっていたが、ここへ来て復活した。しかし、ここまで改ざんされると救いようがない。まるで安いマラスキーノ酒のようだ。できればインターネットでオリジナルを見つけるべし。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ドルチェ ヴィータ
原名:Dolce Vita
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:ピエール・ブルドン
発表年:1994年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:リリー、ピーチ、グレープフルーツ、ベルガモット、ローズ、カルダモン
ミドルノート:アプリコット、マグノリア、リリー、シナモン、ヘリオトロープ、ブラジル産ローズウッド
ラストノート:サンダルウッド、ココナッツ、バニラ、シダー

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