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【ヴァン クリーフ&アーペル】レ セゾン(ティエリー・ワッサー/アルベルト・モリヤス)

ヴァン クリーフ&アーペル
©Van Cleef & Arpels
ヴァン クリーフ&アーペル
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レ セゾン

原名:La Saisons
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:ティエリー・ワッサーフランシス・クルジャンアルベルト・モリヤス
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売

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プランタン(ティエリー・ワッサー)

『四季 春』ミュシャ、1896年。

1976年にハイジュエリー・ブランドとしてはじめて香水を発売したヴァンクリーフ&アーペルが、2004年に「四季」をテーマにした「レ セゾン」という4つの香りを、3人の有名調香師に創造してもらいました。

そのうちのひとつ「プランタン」とはフランス語で「春」を意味します。2009年に5代目ゲラン調香師に就任したティエリー・ワッサーにより調香されました。

ルリジサ

「聖母子 (書物の聖母)」 サンドロ・ボッティチェッリ(1479)

ルネサンスの宗教画などにおいて聖母マリアの衣服を塗るためのマドンナブルーと呼ばれる塗料のもととなるルリジサ(英名:ボリジ)が香料として使用されている非常に珍しい香りです。

古代ローマのグラディエーターが試合前に、ルリジサの花を搾って飲むという〝勇猛さ〟を象徴するハーブでもありました。香りと風味自体はキュウリと似ています。

春のそよ風に運ばれて、レモン・ヴァーベナの爽やかな芳香がやってきます。そこにルリジサというよりは、マリンノートを即座に連想させるキュウリ(瓜)が、煌くように溶け込みながらこの香りははじまります。

すぐにグレープに似た甘いクローバーの花と、摘み取ったばかりの若葉のようなフレッシュな香りに包まれてゆきます。そして、ムスクとアンバーに包まれたグリーンは心地良く肌の周りを躍動するように馴染んでゆきます。

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香水データ

香水名:プランタン
原名:La Saisons: Printemps
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売


トップノート:レモン・ヴァーベナ、ルリジサ
ミドルノート:クローバー・リーフ、クローバー・フラワー
ラストノート:サラダ・バーネット、アンバー、ムスク

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エテ(フランシス・クルジャン)

『四季 夏』ミュシャ、1896年。

エテとはフランス語で「夏」の意味です。フランシス・クルジャンにより調香されました。

夏が弾けるようなベルガモットの香りからこの香りははじまります。すぐにブラックベリーの甘酸っぱさが、ベルガモットとブレンドされてゆきます。

そして、ムスクに乗ったスズランの爽やかな風が、フルーティーな芳香を優しく、時に激しく包み込んでゆきます。こちらの香りのスズランは、ドイツスズランのロゼアをイメージした香りなので、より甘い香り立ちが印象的です。

全面的にスズランが主張する香りなので、夏というよりは春の香りです。

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香水データ

香水名:エテ
原名:La Saisons: Été
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売

トップノート:シシリアンベルガモット
ミドルノート:ロイヤル・ブラックベリー、スズラン
ラストノート:ムスク

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オトンヌ(フランシス・クルジャン)

『四季 秋』ミュシャ、1896年。

オトンヌとはフランス語で「秋」の意味です。こちらもフランシス・クルジャンにより調香されました。

秋が生み出す黄金の奇跡の森の香りは、シトロンの黄金の輝きからはじまります。

シトロンが過ぎ去った夏の名残のように、消えていくとすぐに百合とサンダルウッドが芳香を放ちます。共に持つクリーミーな側面を協調させながら、ベースのヘリオトロープのクリーミーなアーモンドに溶け込んでゆきます。

やがて、クリーミーな黄金の森に、クリスタルのような綺麗なムスクの風が、スパイスとシダーウッドの涼しさを伴いながら流れてきます。その風に乗って、最初に現れたシトロンとベリーの残り香が、ふんわりと、本当にふんわりとノスタルジックな空気で包み込んでくれます。

過ぎ去っていく自然の美しさに、涙が自然にこぼれるような心が温かくなる香りです。

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香水データ

香水名:オトンヌ
原名:La Saisons: Automne
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売

トップノート:イタリアン・シトロン、ブラックカラント、レッドベリー
ミドルノート:カサブランカ・リリー、サンダルウッド、アーモンド
ラストノート:ヘリオトロープ、シダーウッド、ムスク

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イヴェール(アルベルト・モリヤス)

『四季 冬』ミュシャ、1896年。

イヴェールとはフランス語で「冬」の意味です。アルベルト・モリヤスにより調香されました。

冬をイメージした香りでありながらトップが、グリーンレモン、ライム、ベルガモットであるという所が、このモリヤス様は本気であることが分かります。

シトラスで夏の爽やかさを運ぶというよりは、レモンライムシャーベットのような、軽やかに透き通ったアイシーな空気を運んでくれます。すぐにカルダモンとペッパーが温かいブランケットのように香り立ちます。

やがて、ホワイトムスクが冷たさと温かさで同時に包み込んでくれます。

それはまるで美しいスキー場で、太陽の日差しを浴び、ほんの少し雪が降る中、完全に防寒着を着た上で、雪合戦を軽くする大人の贅沢な遊びのようです。非常にラグジュアリーな香りです。

©Van Cleef & Arpels

この香りをベースに、もう一度モリヤス様に、本格調香をお願いすればアルハンブラのイメージにぴったりな合ったクールな香りが誕生するのではと期待させるほどに素敵な〝雪の女王の贈り物〟です。

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香水データ

香水名:イヴェール
原名:La Saisons: Hiver
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァンクリーフ&アーペル
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売


トップノート:グリーンレモン、ライム、ベルガモット
ミドルノート:マドラス・カルダモン、ホワイトペッパー
ラストノート:ホワイトムスク