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イヴ・サンローラン

【イヴ サンローラン】シネマ(ジャック・キャヴァリエ)

イヴ・サンローラン
©YSL Beauté
この記事は約4分で読めます。

シネマ

原名:Cinema
種類:オード・パルファム
ブランド:イヴ・サンローラン
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2004年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:情報なし

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トム・フォード最後のイヴ・サンローラン

©YSL Beauté

1999年12月に、ドメニコ・デ・ソーレトム・フォード(1961-)率いるグッチ・グループはイヴ・サンローランを買収し、トム・フォードが全権を託され、イヴ・サンローラン・ボーテの最高責任者にシャンタル・ルースを任命し、2001年に「ニュ」を発表しました。

以後、精力的に斬新なフレグランスを生み出していくのですが、トム・フォードは1年にグッチとYSLから16もの新作コレクションを発表しないといけないという生活に2002年の時点ですでに限界を感じており、アルコール依存症になっていったのでした。

そして、2004年にグッチ・グループがPPRの傘下に完全に入ることにより、自治権を失ったトムとドメニコは4月に退職することを決意したのでした(二人は1年後にトム・フォードを創立しました)。

2004年に発売された「シネマ」は、そんなトム・フォードがプロデュースした最後の香りとしてシャンタル・ルースの協力の下、ジャック・キャヴァリエの調香により誕生したフロリエンタルの香りです。

キャンペーン・モデルとして、ブラジルのスーパーモデル、ミシェル・アルヴスが起用されています。

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ドレスのスリットから覗く美脚のクラっと感を香りに…

©YSL Beauté

半端なワインより酔わせてくれるクラシック・ビューティ〟の香り「シネマ」は、身に纏う女性が、素肌をドレスアップしてゆき、スポットライトを浴びるようなグラマラスでエレガントなハリウッド・バビロンの香りです。

世界は黒と白とゴールドの三色で創られている」というトム・フォードのサンローラン哲学をそのまま投影していくこの香りは、最初から最後まで〝輝き〟を身に纏う香りです。

まず最初の〝輝き〟は、ピリっと涼しげなクレメンタインの独特な甘さからはじまります。すぐに酔わせるようなアマレットと凄みのあるグリーンスパイシーなシクラメンに、ほんのりアルデハイドが加えられ、あらゆる女性の中に眠る官能性を解き放つシャンパンのように心に向かって弾けてゆきます。

そして、次の〝輝き〟=ミモザを中心にインドールの効いたジャスミン、アマリリス、ピオニーのフローラルブーケが、あなたの素肌を包み込むグラマラスな白いドレスのように甘やかな花の蜜を滴らせてゆくのです。

ミステリアスな黄金のアンバーの最後の〝輝き〟の中で、悩ましくもスモーキーなバーボンバニラが滑らかに柔らかな温かい吐息のような余韻で包み込む中、ドレスのスリットからベンゾインとホワイトムスクがその美しい太ももから引き締まった足首までを覗かせるのです。

やがて、アマレットとジャスミンとアンバリーバニラが完全にひとまとまりの黄金の輝きとなり、とてもクラシーにゴージャス感たっぷりに肌にとろけてゆくのです。

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〝半端なワインより酔わせてくれるクラシック・ビューティ〟の香り

モニカ・ベルッチ様

ソフィア・ローレン様

それは30代から40代の頃のソフィア・ローレンモニカ・ベルッチのような豊満な女性が、まるで黒のストッキングを装着し、ハイヒールにつま先を入れた瞬間のようです。細くてスリムなのではなく、丸みを帯びた吸い付きたくなるような艶やかな甘い蜜が滴る肉の香りです。

もちろん無類のシネマオタクのトム・フォードが映画の中のイヴ・サンローラン・ミューズであるカトリーヌ・ドヌーヴとクラウディア・カルディナーレをイメージして生み出したことは間違いないことでしょう。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「シネマ」を「スイートミモザ」と呼び、「シネマの音量ボタンは小さい方に合わされたまま固定されていて、粉っぽいミモザと温かみのあるリンゴのお菓子のような香りがとても心地よい。上品で腰が低く」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:シネマ
原名:Cinema
種類:オード・パルファム
ブランド:イヴ・サンローラン
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2004年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:情報なし


トップノート:コルシカンクレメンタイン、シクラメン、アーモンドブロッサム
ミドルノート:アマリリス、ピオニー、ジャスミン
ラストノート:アンバー、ホワイトムスク、ベンゾイン、バーボンバニラ