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『イージー・ライダー』1|ピーター・フォンダとデニス・ホッパー

その他の男優たち
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作品データ

作品名:イージー・ライダー Easy Rider (1969)
監督:デニス・ホッパー
衣装:記載なし
出演者:ピーター・フォンダ/デニス・ホッパー/ジャック・ニコルソン/カレン・ブラック

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ヒッピー・ファッションとは?

3人が揃った、『イージー・ライダー』を象徴するベストショット。

彼らはまたカウボーイでもある。馬の代わりにオートバイに跨ってはいるが同じことさ。

デニス・ホッパー

伝統や国家というものを否定し、「自然と本能の赴くままに生きる」というヒッピー文化が、1960年代後半にサンフランシスコから誕生しました。その独特なヒッピー・ファッションと共に、フリー・セックス&平和主義&アシッドトリップを楽しむライフスタイルは瞬く間に世界中に広がりました。

そして、1969年7月『イージー・ライダー』全米公開、更に、同年8月、ウッドストック・フェスティバルによって最高潮を迎えました。しかし、1970年代に入る前に、69年8月のチャールズ・マンソン事件と12月のオルタモントの悲劇(ローリング・ストーンズの演奏中に警備にあたっていたヘルズ・エンジェルスのメンバーにより黒人青年が刺殺された)で一気に終焉を迎えるにいたりました。

そして、時は過ぎ、21世紀に入り、世界は、平和とは程遠い「テロの世紀」を迎え、更には、デジタルに支配され、デジタルの中に自分自身を投影させる世紀に到達し、再び、「自然と本能の赴くままに生きる」というヒッピー文化が見直されつつあります。だから私たちは、再びデジタル・チョッパーに乗った『イージー・ライダー』を見るのです。60年代の空気は知りません。ノスタルジーもありません。でもなぜかこの作品の世界観に共感し、この三人の主人公に惹きつけられてしまうのです。

黄色で統制された素晴らしいポスターデザイン。

ひもは売春婦を売る奴のことだが『イージー・ライダー』はひもではなくて売春婦の恋人なんだ。彼は彼女からお金をもらったりはするが彼女のビジネスとは無関係なんだ。彼は売春婦とともに生き、彼女は彼にお金を与える。それが『イージー・ライダー』なのさ。

デニス・ホッパー

この作品の始まりは、1967年9月にトロントのホテルでピーター・フォンダが思いついた物語の断片からでした。そして、最初のタイトルとしてつけられたのは、『一匹狼たち』でした。そこから共同脚本家のテリー・サザーンによって『イージー・ライダー』というタイトルがつけられたのでした。

ハーレーダビッドソンを改造した2台のフルメッキのチョッパーで疾走する二人のヒッピーたちと共に、アメリカン・ニューシネマの潮流はやって来たのでした。それは必ず負けることが約束された男たちの物語でもあったのです。「男は負けるときに最も輝くんだ」学に満ち溢れたムービーが量産された素晴らしい時代。それが1960年代後半から1970年代だったのです。

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レイバンと共に登場するピーター・フォンダ

オープニングでコカインの密売に成功するまでは地味なファッションです。

ただし、このサングラスはずっとつけています。

キャプテン・アメリカ・ルック1 ミリタリー・ルック
  • カーキーのミリタリー・ブルゾン。後ろが引っ掛けて破れているのがポイント
  • 首元にネイビーのバンダナ
  • ボヘミアン・パターン入りの白系のプルオーバー
  • ABC LEATHERSのレザーパンツ
  • ブラック・レザー・グローブ
  • ブラウン・スエードのデザート・ブーツ
  • レイバンのサングラス「オリンピア

この作品において、披露されるファッションの数はそれほどではない。しかし、その一つ一つが実に印象的であり、1960年代後半のヒッピー・ファッションを知る上で最も重要な映画であることは間違いありません。

では物語の始まりに、最も印象的なものを述べよと言われたならば、主人公キャプテン・アメリカのサングラスをあげずにはおれないでしょう。このサングラス姿と、吹き替え=山田康雄に納得させられるもみ上げに圧倒されます。『ウエスタン』(1968)で強烈な悪役デビューを果たしたヘンリー・フォンダ(1905-1982)の息子であり、『バーバレラ』(1968)で無重力ストリップを披露したジェーン・フォンダ(1937-)の弟でもある、ピーター・フォンダ(1940-)の登場です。

189cmの長身だからこそ、体現できたチョッパーに乗るヒッピースタイル。それは175cmのデニス・ホッパーだと不可能なスタイルでした。ピーターが、その長身を駆使してチョッパーを乗りこなす代わりに、デニスは、実物のコカインを調達し、アメリカ映画史上初のコカイン吸引シーンを撮影したのでした。