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パトリシア・アークエット1 『トゥルー・ロマンス』1(2ページ)

    作品名:トゥルー・ロマンス True Romance (1993)
    監督:トニー・スコット
    衣装:スーザン・ベッカー
    出演者:クリスチャン・スレーター/パトリシア・アークエット/ブラッド・ピット/ゲイリー・オールドマン/デニス・ホッパー/クリストファー・ウォーケン/マイケル・ラパポート

    パトリシア・アークエットは美人ではない。

    この作品の題名はずばり!《真実の愛》だ!

    80年代のマドンナ風ファッションのアラバマ。

    『トゥルー・ロマンス』とは、女性との《真実の愛》などとは無縁だった時代に、クエンティン・タランティーノが描いた脚本によって作られた作品でした。

    それは、男が戦う映画ではなく、女が男と戦う映画でした。そう言い切ってしまっていいほど、パトリシア・アークエット(1968-)が扮したアラバマ・ウォリーは、その夫クラレンスよりも戦っているのでした。しかも、敵役の男(=『ソプラノズ』でスターになる寸前のスーパーヘビー級マフィア、ジェームズ・ガンドルフィーニ)によって容赦なくボコボコにされ、血まみれになりながらも、戦い抜くのです。

    この血みどろのアラバマを見ていて感じるのが、《100パーセント女》のカッコよさです。レンタルビデオ店の店員だった、25歳の童貞青年タランティーノが描いた夢=100パーセントこんなダメなオレに尽くす女。恐らくこの無名時代のタランティーノの周辺で少女誘拐事件なんかが起きたら、いの一番にFBIにマークされそうなほどに危険なヤツだったのでしょう。

    そんな彼が思い描いた、通常の女性の観念から見れば歪みきった〝理想の女性像〟を、臆面もなく、一切ぶれることなく、パトリシア・アークエットが忠実に再現したからこそ、この作品は今までに存在しなかったタイプの〝永遠のアイコン〟を生み出すことになったのでした。

    撮影にあたり当時24歳だったパトリシアが、監督のトニー・スコットにお願いした行動が、全てを物語っています。戦うシーンの撮影の前には、「闘魂ビンタしてください」というお願いでした。ただギャアギャア叫ぶだけの演技ではなく、まるで子どもを血まみれになって産むように、男を殺す女を演じたパトリシアに、女性は、《100パーセント男に尽くす女》ってカッコいい~という童貞青年の妄想にまんまと付き合わされる喜びを感じたのでした。

    好きな俳優は、バート・レイノルズよ。

    ショートボブ。ヘアスタイルのイメージは30年代から40年代のハリウッドスター。

    しかし、アクセサリーは80年代風のバービースタイル。

    マーク・クロス風のキャンディカラーのボックスバッグを持つ。

    このファッションで二人は結婚届を出したのでした。

    アリゾナ・ルック1 コールガールスタイル
    • フェイクファーのレオパルドコート
    • レッド・ホルターネックミニドレス
    • 黒の網タイツ
    • ピンクのボックス型ハンドバッグ
    • ブルーのフェイクレザーショートブーツ
    • ショッキングピンク×黒のストライプ手袋
    • 赤のチェリー&ハートイヤリング
    • レオパルド柄のブラジャー

    好きな色は黒、好きな俳優は、バート・レイノルズ。好きなものは、ミッキー・ローク

    アラバマ・ウィットマン

    パトリシア・アークエットの実の姉の名をロザンナ・アークエット(1959-)と申します。彼女よりも9歳年上で、『グラン・ブルー』、そして、『バッファロー’66』でヴィンセント・ギャロの憧れの女ウェンディ・バルサムを演じた、小鹿のようなルックスが魅力的な美人女優です。一方、パトリシアは、姉妹とは思えないほどに、全てにおいて姉に劣るスペックを持つ女性でした(身長は164cmのロザンナに対して、パトリシアは156cm)。

    TOTOのような人気ロックバンドがロザンナの名を取って「Rosanna ロザーナ」を作ったり、ギャロ様でさえも高嶺の花と崇拝する絶世の美女である姉に対して、パトリシアは、人懐っこい笑顔が魅力的な、(男性から見れば)すぐにヤレそうな女でした。パトリシアの凄さは、そんな姉を追いかけずに、(フレディ・クルーガーを追いかけ)全く逆の方向に走っていったところにありました。

    「あたしはコールガールよ。でも汚れきっちゃいない!あたしは、好きな男のためなら・・・その男に100パーセント尽くす女なのよ」と自分の口で言い切ってしまう強さがある女。そして、さらりと、「まだ4日目でお客はあんたで3人目よ!」と数字を出して言ってのける、風俗嬢がカモを落とすときに良く使う上等文句をペラペラと並べ立てるこのシーンは、世界中のコールガール(=風俗嬢)のハートをがっちり鷲掴みにしたことでしょう。

    キーになるシーンは、サニー千葉と『男たちの挽歌2』。これだけは言えるのですが、夫婦円満の秘訣とは、意外に、夫の趣味に妻が付き合えるかという点のみ。男にとって、自分の嗜好に付き合ってくれる女こそが、自分にとっての女神なのです。ここに女と男の明確な違いがあるのです。逆に女は自分の趣味に旦那が興味を持っていようが、持っていまいが全く意に介さない生き物なのです。



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