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アリー・シーディ 『ブレックファスト・クラブ』2 (4ページ)

その他の現代の女優たち
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作品名:ブレックファスト・クラブ The Breakfast Club (1985)
監督:ジョン・ヒューズ
衣装:マリリン・ヴァンス
出演者:モリー・リングウォルド/アリー・シーディ/エミリオ・エステベス/アンソニー・マイケル・ホール/ジャド・ネルソン

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ゴスメイク・プリンセスの誕生。

アリー・シーディという80年代アイコン。

この作品は、ジョン・ヒューズによって、1982年7月4日と5日の僅か2日間で書き上げられました。そして、1984年3月から5月にかけて撮影されました。

〝タイム(時)はキミを変えるだろう。でもキミは時を変えることは出来ない〟といった歌詞が印象的なデヴィッド・ボウイの「チェンジス」(1971)の歌詞が冒頭に引用されているのですが、この歌詞の引用をヒューズにアドバイスしたのが、アリソンを演じたアリー・シーディ(1962-)でした。

6歳から14歳までアメリカン・バレエ・シアターでダンスを学んでいた彼女は、12歳で童話を出版し、ベストセラーとなりました(母親が出版エージェントだった)。しかし、ダンサーよりも女優を目指す決断をした彼女は、ショーン・ペン主演の『バッド・ボーイズ』(1983)で映画デビューし、『ウォー・ゲーム』(1983)を経て、本作に辿り着いたのでした。

きっかけはアリーが、『すてきな片想い』のオーディションで、ゴスメイクで現れたことでした。その場違いなメイクアップに、ジョン・ヒューズは度肝を抜かれたのでした。そして、モリー・リングウォルドがアリソン役を拒否したときに、ヒューズは、あの時のアニーこそがアリソンに相応しいと確信したのでした。

本作の後、80年代後半から彼女のキャリアは失速していくのですが、それは早熟した天才が辿っていく運命だったのでしょう。リッチー・サンボラ(『ボン・ジョヴィ』のギタリスト)をはじめ、ウディ・ハレルソンという一筋縄ではいかない男性との恋愛の果てに、1998年の『ハイ・アート』にて復活を遂げることになりました。

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この作品は、アリー・シーディの作品だった!

5人の高校生の登場シーンで既に彼らのステイタスは示されていました。

アザラシのようになるこのシーンがとてもカワイイ!

何気に多くの決めポーズを持っているアリソン。

公開当時、日本人女性がダウンジャケットを着る習慣はありませんでした。

リッチー・サンボラという極めつけの不良にさえ出会わなかったら・・・彼女は、すごい女優になっていたでしょう。

アリソン・ルック1-1 ダウンジャケット
  • 黒のダウンジャケット(パーカー)

大人になると心が死ぬの。

アリソン・レイノルズ

映画史上はじめてゴシックメイクが登場したのが、『エクソシスト』(1973)のリンダ・ブレアとしたならば、アリー・シーディが演じたアリソン・レイノルズは、(ザ・ランナウェイズのジョーン・ジェットによって一部の女性には注目されていたが)アメリカではまだまだマイナーだったゴシックメイクに公民権を与えたのでした。

物語がはじまり33分間(奇声以外は)まったく話さないアリソン。あざらしのようにフードに顔を隠す不思議×キュートな時代の先を行き過ぎている行動。冒頭で、送ってくれた両親に挨拶しようとして、全く無視されてしまう哀しげな立ち姿。そそくさと自習室の一番片隅に腰掛ける姿。自己憐憫してんじゃねえよ!とばかりに「ハッ」と叫びだすその表情。どれもかなりクールです。ちなみに、このアリソンの癖の多くは、『バッド・ボーイズ』で共演したショーン・ペンの癖を参考に、アリーが創作したものでした。