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『スカーフェイス』Vol.7|ミシェル・ファイファーのショートボブ

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その他女を磨くアイコン映画女優
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ジョルジオ・モロダーのシンセサイザーの似合う女

1980年代の香港ノワール映画の中でよく盗用されていたジョルジオ・モロダーの無機質なシンセサウンドと共に、この魂のない女は登場する。その名はエルヴィラ・ハンコック。公開当初はほとんど話題にならなかったこの女性は、21世紀に入り、そのアイシーな存在感と共に、80年代クールビューティーの代名詞として、ファッション・シーンに大いなる影響を与えるようになったのです。

当初トニー・モンタナを演じたアル・パチーノも、監督のブライアン・デ・パルマも、ミシェル・ファイファー(1958-)の起用(当時は無名)には反対していました。パチーノは、グレン・クローズを望み、他にもロザンナ・アークエット、メラリー・グリフィス、キム・ベイシンガー、ジーナ・デイヴィス、シャロン・ストーン、キャリー・フィッシャーといった女優にエルヴィラ役はオファーされていました。

しかし、結果的に、ミシェル・ファイファー程の適役はいませんでした。

それ程、この作品における彼女の存在感は圧倒的であり、空虚なシンセサウンドが〝新たなる女性像〟の到来を告げるような効果を生み出していました。ただ男にぶら下がり、コカインと身だしなみにばかり気を使う、そこにもうひとつだけ付け加えれば、今の世の中に、インターネット上に氾濫しているような女性たちの典型例なのかもしれません。そのもうひとつとは、自撮りをしてSNSに励むということです。

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ディスコ・ドレスよ再び!

シンプルな装いだからこそ、一分の隙も見せることが出来ないスタイルです。

ロイ・ホルストンとシェリー・ハック(左端)。1977年。

1970年代にアメリカで絶大な人気を誇ったファッション・デザイナー・ロイ・ホルストンがデザインしたようなロング・ドレスを着て、エルヴィラは私たちの前にその姿をはじめて現します。

2020年において、ディスコ・ドレスは、70年代や80年代のファッションが見直される今、最高にクールなファッションとして再評価されています。それは1970年代に1930年代のファッションがリバイバルされ、1980年代に1940年代のテーラードスーツや肩パッドがリバイバルしたのと同じことなのです。


それは1933年にジョージ・キューカー監督の『晩餐八時』でジーン・ハーロウのためにエイドリアンがデザインしたイブニング・ガウンのようでもあります。

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エルヴィラ・ハンコック・ルック1

ディスコ・ドレス
  • エメラルドブルーのスパゲッティストラップのスリット入りロングドレス、シルクのバイアス・カット・ガウン、プランジング・ネックライン
  • ハイヒールサンダル

全く女というヤツは、服を着るのに人生の半分を費やす・・・」この台詞は実に恣意に満ちています。

衝撃的ともいえる、フランクの情婦エルヴィラの登場シーン。

自宅エレベーターから降臨し、まずは剥き出しの背中を見せつけ、次に深いスリットから美脚をチラチラ見せて現れるのです。

シンプルなディスコ・ドレスに、豪華なジュエリーの対比。

デボラ・ハリーの「ラッシュ・ラッシュ」が流れる。

ドレスのフルシルエット。素晴らしいバイアスカット。

彼女こそウェイフルックの先駆けでした。

「エルヴィラ・ボブ」とでも言うべきキュートなショートボブ。

作中ではほとんど笑わないのですが、笑うとかなり可愛らしくドーリィーな雰囲気のミシェル。

作品データ

作品名:スカーフェイス Scarface (1983)
監督:ブライアン・デ・パルマ
衣装:パトリシア・ノリス
出演者:アル・パチーノ/ミシェル・ファイファー/スティーヴン・バウアー/ポール・シェナー

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